兵庫県加古川市のガレージ トライシクルのブログです Archive | 店舗ブログ

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旧車だから・・・

「ナニの角度・・・」

歳を取るとナニの角度が気になります・・・
前立腺の調子が悪いとナニの角度も・・・(涙)
同級生との会話も、若い頃は「お前、マフラー何パイ?」とか「カム何度」とかゆうてた数値の会話が、
「血圧は何度?」とか「血糖値いくつ?」と言う数値にすっかり変わってしまった今日この頃ですが、
皆さん、自分のナニの「倒れ角」について考えた事ってありますか?
ナニの角度といってもナニの話ではなく、愛車の「倒れ角」の事です(笑)

私の場合、永く同じ単車に乗っている事もあり、ナニと一緒で、昔に比べなんとなく倒れ角?がキツくなった気が・・・

 

 

最近、何故か「単車が小さくなった」と感じる今日この頃ですが、車体の倒れ角が昔に比べ、確実にキツくなっています。
KHを買った16歳当時、レーサーレプリカブームの真っ只中にあって、すでに旧車となっていたKHの「傾き」は、なんとなくカッコイイとさえ感じていましたし(笑)レプリカが立っているだけなんやと、ホン最近まで思い込んでいたんです(マジで)。

でも、よくよく考えるとそんな訳はありません・・・
平らな所ならいいのですが、チョッとでも傾斜がある所に駐車しようとすると、グラッといきかねません・・・
真剣にロングタイプのサイドスタンドを造ろうかと考えていた矢先、まさかと思いスタンドを外してビックリ!

 

 

こらアカンがな・・・

開いた口が塞がらない・・・イヤイヤ開いた口が広がってしまってるなんて小話にもなりません・・・
もちろんスタンドの長さがどうとか言う以前の問題です(涙)
ナント「年々大きくなるオーナー」の質量に耐え切れず、金属が疲労を起こしてしまったようです。
しかし、いくら40年以上経つとはいえ、そんなヤワな素材?にも問題がありますが、先ずは長年のストレスをプレスを使って矯正していきます。

 

 

戻しすぎるとスタンドの動きが渋くなってしまうので、フレームと同じ厚さのプレートを治具代わりにし、慎重に修正します。
ガタが大きく、車体が大きく傾いていただけやったんですネ・・・

 

 

比べる為、同じ場所で再度修正前の画像を置くと、

 

 

差が解り易い様に、どちらの画像も床の模様が水平になるように撮影しました。
改めて比べて見ると傾きの差は歴然です・・・
まるで10代の頃のような勃ちっぷりに、思わず「女房ゴキゲンでね~」って関西限定CMの1コマが思い浮かびました(笑)

「旧車だから・・・と思い込んでいませんか?」

正直、何度もブログで発してきた言葉が自分に突き刺さります(汗)
お恥ずかしい話、この件については、私も本気で「こんなもんや!」と思い込んでいました・・・
実際、僅かな傾きの差なんですが、長い間、駐車時に結構気を使っていたのがアホみたいに安定感がまるで違います!

皆様も今一度、大切な愛車を「グラッ」とさせる前に点検してみてはいかがでしょうか?

KH250B3 国内物 

国内物フレームのイチから組み上げるKH250です。
フレーム番号からKMJで国内販売されたB3モデルという事も確認済みです。
車検の必要のない250ですから、後々の維持も楽な上、煩わしいノーマル戻しの必要がありません。
動力性能は350や400には到底及びませんが、非日常な速度域でなくても官能的なトリプル高回転サウンドが楽しめたりと、最小トリプルは最小故の楽しみ方があります。
Zのオーナー様なども、セカンドに購入される方も増えてきています。唯一無二の存在であるトリプルクウォーターをこの機会に手に入れてみませんか?

車両本体価格 156万円(税込み168.4万)

72回払いローンOK。

 

 

貴重な国内物フレームですので、バラせる所はできる限りバラして組み上げていきます。
パーツも私が30年程前からストックしていた国内物パーツをふんだんに使用します。

 

 

もちろん国内物の証、固定式ステップやKm表示速度計&速度警告灯もあります。

 

 

フレーム、スイングアーム、スタンド類はブラスト後、半艶パウダーコートで仕上げています。
外装はお好みのカラーに塗装致します。
シートもお好みに合わせて、ノーマル~アンコ抜きSSタイプまで対応致します。

 

 

日本語表記のシート裏ステッカー。もちろん表皮は張替えます。

 

 

エンジンはM/T点検、クランクリビルド、シリンダーはボーリング&ホーニング後、
ピストン、リング、ピンはWPC処理を施し万全を期します。

 

 

信頼の要、電装部品も新品ポイントはもちろん、新品ハーネス&ICレギュレターに換装、通勤使用にも耐える信頼性をめざします。
その他、消耗品も交換します。

 

 

前後ホイールはハブブラスト&スポーク張替えし、タイヤ&チューブも新品に交換。
フロントフォークOHにブレーキOH等々、ここでは書ききれません・・・
外観は完璧とまではいきませんが、当店オリジナルパーツをふんだんに組み込み「走る」「曲がる」「止まる」位は当時物にしたいものです。

尚、現在欠品パーツもございます故、納期には相当時間を要します!がしかし、安心してKH250を楽しんで頂けると確信しております。
安心できるKHをお求めで、かつ納期を焦らず待って頂ける奇特な方?からのご連絡お待ちしております。

その他もう一台、希少な国内物250SSございます、詳しくはお電話にてお問合せ下さいませ。。

中古車の販売形態について

「オーバーホール済み」

これほどあいまいで都合のいい表現の言葉はありません・・・
何をもってオーバーホール(以下OH)と呼ぶのか、全くもって定義などありません。
腰上を開けただけでOH済みと言う方もいれば、腰下まで完全にバラし、各部計測後、修理書の基準値を持って修正もしくは交換を行う事をOHと呼ぶ人もいます。酷い場合はバラして清掃し、組み立てたただけでOH済みと呼ぶ不届き者もいます。

特に旧車の場合、一時期、中古車の流通過程にかなり問題があった時期もありました。
メーターの改ざん、修復暦の定義などなど・・・最近ではそれに加えて、やれ当時物だ国内物だ、フルオリジナルだと理解に苦しむ付加価値が生まれ、いよいよ選定が困難になっているのが現状です。

 

 

 

それ故、当店では、極力エンジンを開けた状態で中古車を販売したいと考えています。
この売り方が正しいかどうか、未だ模索中なのですが、5~6年落ちの通常の中古車と違い、キチンとした定義もなく一部の心無い業者が存在する現状では、購入に不安をかかえながら決めておられるユーザーが多いのも事実です。
だから一つの販売形態としてエンジンを開けた状態で販売する事を提案してみました。

また、そのような販売形態にするのも、中古車市場に流通している殆どのKHがリング音どころか、クランクベアリングから異音発し、マフラーを外してEXポートから覗いたピストンは縦傷まみれです・・・
良心的な中古車店では、腰上くらいは開けてくれる場合もありますが、KHシリーズの持病であるセカンドギアの抜けや、クランクベアリングの異音、並びにセンターシールの劣化などを考えると、前回書いた焼き付きのリスクも含め、結局全バラするハメとなります。
だから中古車の仕入れは、中途半端にエンジンが掛かっている車両より、仕入れ価格が安く、その分OHにまわせる不動車の方がよかったりします。

 

 

実際にエンジンをバラし、各部入念に計測し、修理書の基準値に基づいて良否判定をする。
これが理想ですが、交換の判定が下されたとしても部品がない現実にはどうしょうもありません。
だから「フルOH」なんて供給部品に心配のないZ系以外、悲しいかな現実不可能なんです・・・

 

 

でも、できる限りの部品は交換したいものです・・・
当店ではエンジンの心臓であるクランクに関しては程度の良い悪いに関わらず、全ベアリング、コンロッドピン、センターシール、大端ベアリングは交換の上、入念に芯出しします。
めったに開ける事のない腰下だからこそ、開けた時には、できる限りの事はやっておきたいですもんね・・・

 

 

このキックリターンスプリングもしかり、もちろんとっくにメーカ製造廃止の上、ヘタリやすく折れてしまう個体もあるようです。
問答無用で当店オリジナルのリターンスプリングに交換します。
今でこそマッハ専門の何店舗がリプロパーツとして出していますが、10年程前は今みたいにリプロパーツは少なく、程度の良い中古を探すか自分で制作するしかありませんでした。

「無いなら造る・・・」

どうしてもスプリングの中古品なんて使いたくなかったので、この頃からそう思い始めたのかもしれません。

 

 

スタッドボルトなんて、特殊ナットで位置決めを行わない250や350は本当によく曲っています。
それ故、シリンダーを抜く時、固着に加えて曲がりが抜けにくくし、無理な所を叩いたりしてフィンを割ってしまう方もいます。
これももちろんメーカー製造廃止ですので造るしかありませんでした。

 

 

ピストン、リング、ピンにはWPC処理を施し万全を期します。
この画像は試験的に電触を恐れず、試験的にステンレススタッドボルトを使用しましたが、量産品ではクロモリ鋼を採用しています。

 

 

ピストンクリアランスは過去に何度も試験し、何基もエンジンをオシャカにして得たクリアランスに設定します。
もちろん排気量によって異なります。

 

 

ミッションのギアはもちろん、ドッグの状態や、よく焼けただれるシフトフォークも入念に計測、点検します。
やはりこの部分にも本当に効果のあるWPC処理を全数行いたいのですが、やはりコストの問題があり、毎回本当に悩みます・・・
ZやH2ならともかく、なかなかこんな部分にまでコストをかけて頂ける中型のKHのお客様は稀です。
今回、一番訴えたかったのは、本当はココなんです、どうしても中古車の場合、原価を上げたくはありません。
ミッションに高価なWPCを施工したとしても、組んでしまえば見えませんし、効果の方も比べる物がないので満足感は得られ難いんです・・・
かけた原価を販売価格に転嫁できればなにも問題ないのですが、やはりネット販売が主流となりつつある昨今、値段の順で検索されるとなるど、店頭価格を決めるのにも神経を使います。
競争力のある店頭価格にしょうとすれば、やはりそのまま何もせず組まざるを得なくなります・・・

 

 

だからエンジンを開けた状態で販売してみたいと思うようになりました。
開けた状態でオプション設定としておれば、WPCを施工しても工賃はかかりません。
特にこのKHなんて、本当にミッションの状態はよく、10台中9台は焼けただれているシフトフォークやシフタードラムなんて新車かな?と思うほどキレイな状態です。
せっかくこんな程度のいいエンジンなので、このままケースを閉じることに後ろ髪を惹かれる思いなんです・・・
できる限りこんないい状態のパーツを、永きに渡り維持して欲しいと願ってやみません。
OHする度に倉庫に程度の良いパーツをあさりまくってきたからこそ、このエンジンの程度の貴重さが痛い程解るんです。

 

 

これは私のKHに組み込む前のWPC処理を終えたシフト関係のパーツです。
ここまでやると、もはや「暗示」の世界ですが、将来の部品供給を考えるとそうさせてしまうのかもしれません。
でも、私のKHみたく全てのパーツにWPC処理をする必要はありません、要所要所でいいので、ココだけはという所には施工したいですね・・・

だから売れるまでエンジンは開けておこうと思います。

 

 

スピードショップイトウ製 Z400FX用ブレーキキット

Z400FXユーザー必見!!

自動車整備学校時代の同級生が営むスピードショップイトウより渋いZ400FX用(E1~E3)ブレーキキットが発売されました。

 

 

昔はZ550FXのWディスクを血眼になって探したもんですが、
最近では逆にZ400JやZ500などの帰国子女のおかげか、シングルディスクの車両の方が珍しくなりました。

国内物のZ400FXはフロントシングルディスクです。
KHなどに比べれば全然マシなブレーキシステムですが、それでも現在の道路事情からすると心ともないのも事実です。
かといって、最新のアフターマーケット製ブレーキでは、あの時代の雰囲気が台無しです・・・

そこで、見た目は当時のまんまですが、最新の素材を使用したサンスター製Z用250Φディスクを使い、キャリパーはこの時代の雰囲気を壊さず制動力の向上が図れるAP2696やブレンボラグビーキャリパーなどが使えるブレーキキットを発売。

 

 

 

上が今回の250mmディスク。下がFXノーマルの277mmディスクです。
見た目は殆どおんなしでも、平成生まれのローターと昭和のローターとでは全くの別物です。
同じ様なステンレス素材ですが、ヒートトリートメントを施した独自の40系ステンレス素材は効き、タッチとも全く違います。
雨の日の効きなんて・・・

見た目が純正とほとんど変わらない現代のローターが使えるなんて、本当に羨ましい限りです。
数さえ読めるなら、KH用も作りたいと本当に思うのですが・・・
こんなさりげないパーツを奢った大人のFXって本当にカッコええですよね・・・

 

 

ただ、見た目はそっくりでハブのPCDも同じですが、オフセットが全く異なります。
下の画像のハブですが、段差が6mmしかないので、オフセット分のスペーサーを単純に乗せただけではセンターが出ず危険です。

 

 

そこで、専用の段付きスペーサーを制作。上側ででセンターが出せる為ボルトオンで装着可能です。
この様なパーツは外から見えない地味なパーツですが、本当に大切な部分なんです・・・

 

 

予定価格はキャリパーサポート(20350~44000円)
専用スペーサー9000円

別途必要部品
Z用250mmローター(参考価格30000円くらい)
使いたいキャリパー(16000〜60000円くらい)

 

 

もちろんE4用も制作可能です。この画像はE4にブレンボラグビーキャリパーを装着した一例です。
関西の方なら、当店でもお取りよせ&取り付け可能です。

最後に、どうしても中型系は珍走団?と呼ばれるような改造?いえ改悪を好む輩が多いのも事実です・・・
しかし、ウチもそうなんですが最近、中型車両しかもKHやFX、フォーワンなどでも、当時にも確実にいた、いわゆる「正統派」と呼ばれるようなお客様が増えている気がして本当に嬉しく思います・・・
そんな「正統派」の貴方に贈る本物のパーツ、彼がプロデュースする本物のパーツには機能美が溢れています。

当時物でもなく、流行を追い求める物でもない・・・「あの頃の憧れをあの頃らしく・・・」
彼がいつも口にする言葉ですが、同じ時代を駆け抜けてきた私もそうありたいと常に思います。

KH400 250用 強化スプリング

 

大変お待たせ致しました。
本当に何度も試作の上、納得のいく製品が出来上がりました。
あくまでストリートを気持ちよく走れるようなレート設定になっています。
ブレーキング時のノーズダイブを押さえ、峠道などのコーナーでよく踏ん張ります。
初期の動きも良く、ストロークするごとに腰が出てくるような感じです。
特に、タンデム時の安定感は特筆物です。タンデム乗車時では普通に走るのでさえ大変だったKHのフロントサスですが、このサスに交換する事で安心してタンデムライドを楽しんで頂けると思います。

フロント1台分2本 税込み15980円(税抜き14800円)

ヘタリにも強い高級バネ材SWP-V鋼に、更にショットピーニング処理を施しています。
大手メーカーにも納入実績のある国内工場にて生産しておりますので、安心してご使用頂けます。

 

 

コーナリング時の路面追従性の向上の為、ノーマルより若干長く設計、若干プリロードがかかるようにしています。
もちろん、スプリング組み込み時に、なんとか手のみでフォークトップナットが締まるようにも考慮しています。

ブレーキ強化されている方はもちろん、フロントフォークOH時に、ヘタったノーマルスプリングからのリプレイスメントパーツとしてもお使い頂けます。
最終型ですら40年以上経つKHシリーズですが、ほとんどの車両が一度もスプリングを交換されていません。
ヘタリきったノーマルから交換して頂けると、たかがスプリングですが、見違えるように走りが変わります。

 

高速ロック その2

前回は「高速ロック」について書きましが、では何故「焼き付く」のでしょうか?
焼き付きの原因は色々ありますが、中でも一番多いのが潤滑不良による焼き付きです。
2サイクルエンジンはその構造上、どうしても4サイクルエンジンに比べ不利ですが、潤滑さえ順調であれば、そうそう簡単に焼き付くものでもありません・・・
では何故潤滑不足になるのかは以前このブログでお話ししましたので割愛させて頂きますが、オイルによる潤滑をキチンと行う為に、混合ガソリンを使うという事も常々ご提案させて頂いております故、ここでは「焼き付きにくい」エンジンについてお話します。

ではどのようにして焼き付きにくいエンジンにするかというと、潤滑が上手くいかないなら、潤滑しないといけない物を、多少潤滑が滞ったとしても大丈夫なようにしてあげれば良い訳です。

 

 

 

そこで白羽の矢が立ったのが、WPC処理という技術です。WPC処理というのは、いわゆるショットピーニングの一種で、不二製作所の商標名です。
誤解を恐れずに説明すると、小さな鋼球を超高圧で被加工物に打ち付け、焼き入れと焼きなましを同時に行い、そしてその打ち付ける鋼球にモリブデン系の粒子を含ませ、被処理物を自体に潤滑性のある物質を染み込ませるという魔法の様な処理です。

右がノーマルピストン、左がWPC処理を施したピストンです。黒光りしたナニはまるで・・・
いえ、その黒光りの正体はモリブデンで、モリブデンとはグリスなどでお馴染みの滑りやすい物資です。随分昔から、ピストンスカート部にモリブデンにコーティングなどの処理もありましたが、摩耗によりコーティングが取れてしまうという問題もありました。
WPC処理はその金属の中にまで浸透するので、少々摩耗しても効果が薄れにくいそうです。
WPC処理も決して最新の技術という訳ではありません、私も商品名くらいは知っていましたが、どうもこの手の加工には夜中のTVショッピングよろしく大げさな表現で暗示にかからせられる様な気がし、それなりに高価なコストと相まって、なかなか触手が動きませんでした。

ところがある時、バイクではなく車なのですが、あの伝説のエンジン、日産L型エンジンにハマりまくっていた私は、9.8mmリフトという禁断の超ハイリフトカムに手を出します。
するとハイリフトカムを組むとバルブスプリングが固すぎたのもありますが、カム山が削れるというトラブルに遭遇します。
やはりその頃、他の人もハイリフトカムによるカム山の削れに悩まされた方は多く、まだネットも無い時代ですので、口コミで知った対策がオイルをモチュールの300Vを使うという事でした。
なるほど300Vを使うとカム山は削れなかったんです。その時はスゴイぞ300V!と喜んだのですが、当時からリッター3000円強というこれまた驚愕なお値段な上、ハイチューンエンジンとなれば、ゼロヨン何回かで油圧が下がってしまうという始末・・・
それに車はオイル容量が半端ではありませんので貧乏人の私が入れ続ける事は・・・

 

 

そしてある時、友人のL型でWPC処理を施したカムは、通常のオイルでもカム山は削れなかったんです・・・
そしてあの高速ロックをみまってガレージで長い間眠っていた私のKHが思い浮かびました。
もしかして、この処理は旧車にこそ価値があるのかも・・・
そして、その頃にはWPC処理はオートバイのレースで実績を挙げていたので、私のKHにも施工してみました。
組み上がって感じた事は「中低速が扱い易くなった」という事でした。もちろんこの処理で飛躍的にパワーが上がる訳ではありません、しかしこの後、私がWPC教という宗教に?入信するきっかけが訪れます。

それは一時期、トライアルごっごにハマり、愛車スーパーシェルパでゲロ道アタックに狂っていた私は、久しぶりに乗ったKHにナント!オイルを入れるのを忘れて走ってしまっていたんです・・・
今では考えられませんが、当時の2サイクル車にオイル警告灯なんて親切な装備はありません。
オイルタンクの窓でオイルが入っているか確認するしかないですが、その時はシェルパと同じように勘違いして油量の確認もせずKHでツーリングに出かけてしまったんです。
なんか今日はエンジンがおかしいな・・・と思いながらもすでに何十キロと走っていたその時、バックミラーに映る風景を見て青ざめました。その時になって、初めてオイル窓を確認していなかった事を思い出したんです・・・

 

 

やってもた・・・

でも意に反しエンジンは調子良くフツーにかかっています。たまたますぐそこにスタンドがあったので、2サイクルオイルを補充して事なきを得ました。
それからもずっと調子が良いので、未だエンジンは開けていませんが、もしWPC処理をせずに組んでいたら・・・
また、あの考えただけでも恐ろしい、高速ロックに見舞われていたかもしれません。
未だ調子が絶好調なので、開けるのは躊躇しますが今後の為、腰上だけでも開けてみて後日UPする予定です。
何キロ程オイルなしで走ったのかは不明ですが、ピストンやシリンダーの状態など興味津々です。

それ以来、私はWPC教の熱心な信者となりました。もちろんもう一台の愛車、スーパーシェルパにもWPC処理を施しています。
嫌がる従弟のセロー225にも無理やりWPC処理をしたところ、非力な小排気量車程、効果が解りやすく、あれほど拒否していた従弟でさえ、今になるとWPC処理は素晴らしい!やって良かったと言います(笑)
他にもいろいろエンジン部品の加工や、新しい技術などは日進月歩ですが今の所、焼き付きに対し、費用対効果が凄く高いのがWPC処理と言えます。

 

 

それくらい効果絶大?のWPC処理ですが、もうひとつ焼き付かせない為に大切な事があります。
それがピストンクリアランスです。

ウチでもう何度もボーリングに出してるなじみの内燃機屋さんでさえ「油すき間、百分の五でええか?」と聞かれます。
今や4サイクルエンジンでは0.02というクリアランスのエンジンがある位です。
ハイシリコンピストンやメッキシリンダー、ひいてはショートピンハイト化によって近年ピストンクリアランスはどんどん狭くなってきています。
クリアランスを小さくできると、圧縮はもとより、リング音も小さくでき、いいことだらけの様ですが、熱的にも潤滑的にも不利な空冷2サイクルエンジンのマッハ系に、現行のピストンクリアランスでいい訳がありません・・・
ましてやボア径の小さいS系と同じ3気筒で排気量の大きいH系などが同じクリアランスな訳がありません。
厳密にいうと、250と400でも全くピストンクリアランスは違います。
なのに、内燃機屋さんでは一般的に0.03~0.05という数値で仕上げる事が多いですね。
そりゃ、よく考えてみると今では一般の内燃機屋さんに2サイクルエンジンが入ってくる事なんてほとんど無いでしょうし、世代交代が進み2サイクルエンジンすら知らない平成生まれの職人さんがいても不思議ではありません。

 

 

 

また、エンジンの組み方でも多少は焼き付きにくいエンジンにすることができます。
このオイルシールに書かれた線の意味が解る貴方は相当病的なマッハマニアです(笑)
この線の意味についてはおいおいUPする予定ですが、シリンダーにノックピンのないエンジン故、ネジの締め方などなど・・・
このシールの事だってマニュアルには一切載ってないんです・・・
秘儀とまではいいませんが、ツボを押さえて組まないと、「焼き付きやすいエンジン」になり兼ねませんから。

そして最後は、「焼付かせにくい運転」についてです。
巷でマッハ系を見かけると、どうも過保護にしすぎているのか、まるでハーレーかと思う位に早め早めにシフトアップする御仁・・・
俗に言う「4スト乗り」というんでしょうか?思わず「2ストやねんから、もっとブチ回さんかえ!」と心で叫んでしまいます(笑)

2サイクルエンジンやロータリーエンジンは、必ずしも低い回転で走る方がエンジンに良い訳ではありません。
かといって私のように、親の仇といわんばかり常にブチ回しているのもどうかと思いますが(笑)
2サイクルというのは、ある程度決まった回転域でないと掃気や排気がうまくいきません。
リングの廻りやマフラーにカーボンが溜ったり、農機具などでは、ピストン頭部にもカーボンが蓄積し、圧縮比が変わって異常燃焼する個体もありましたから。

 

 

だから、実は「運転」で焼き付きは一番変わってくるのかもしれません・・・
4サイクルから乗り換えた方に多いのですが、2サイクルエンジンで過度のエンジンブレーキはご法度です。
もともと2ストはエンブレが効きにくく、主ブレーキさえも効かないときて、必要以上にシフトダウンをする方もいらっしゃいますが、分離、混合に限らず、混合気によって冷却および潤滑をしている2サイクルエンジンにとって過度のエンジンブレーキは命取りです。とはいえ、局度なエンブレでなければ、シフトダウン時にチョット多い目にアクセルを煽っておけば大丈夫です。
なんせ焼き付く手前で必ず前兆があるはずです、要はなんかおかしいと感じたら、すかさずアクセルを閉じて下さい。
そうすれば焼き付いたとしてもダメージは少なくて済むし、なにより安全です、うまく表現できませんが、アクセルを開いているのにいつもより力がないとか、なんとなくモーモ言う?(笑)と感じたら、アクセルを閉じて下さいね。

長文になりましたが、皆様に「高速ロック」だけは、経験して欲しくありませんから・・・

 

 

パンクロック、ハードロック、高速ロック

80年代初頭、ピストルズやKISSなどのパンクロックやハードロックに熱狂した小僧も今や初老と呼ばれる御年に・・・

ほんでもって、80年代の2スト乗りなら、誰しも?一度は経験した事がある?かな?「高速ロック」これはある意味ハードコアより凄まじい・・・
そう、高速ロックとは広辞苑によらなくとも「高速道路でエンジンが焼き付き、後輪がロックする事」です(汗)

 

 

80年代、特に原付に至っては、ほぼ2サイクルエンジンが占めており、まだまだ250cc以下では2サイクルエンジン搭載のオートバイの方が多かったんです。
今や原付でさえ水冷4サイクルFIが当たり前の現在のエンジンでは考えられない事なんですが、2サイクルエンジンは4ストに比べ、潤滑という点においては構造上不利です・・・それ故、高回転、高負荷が続くと焼き付きやすく、高速道路などを走行中、エンジンが焼き付きにより、リアタイヤがロックしてまう事だってあるんです・・・
想像するだけでも恐ろしいのに、ナント私は二回も高速ロックを経験しました。
高速で後輪がロックする瞬間、一体何が起こったのかさえ全く解りません!いきなりリアタイヤが凄まじいスキール音を発し、オイルではない、タイヤから白煙が上がり、強烈な匂いの後、例えようのない恐怖が襲ってきます。

なんとか二回とも日ごろの行いが良いのか、転倒する事もなく事なきを得ましたが、時間が経てば経つ程、恐ろしくなります・・・
もし高速で転倒して、後続車に轢かれていたら・・・ミンチになっていたかも・・・(汗)

 

 

これはその時の、ロックしたエンジンの粉々に砕け散ったクラッチハウジングです。
今、改めて思うと、クラッチハウジングが砕けてくれたおかげでタイヤが再び転がり、転倒せずに済んだのかもしれません・・・
まだ10代だった私に焼き付きとかの概念はなく「クラッチをすぐ切る」なんて芸当など、できる訳がありません。

 

 

こうやって、正常なハウジングと比較すると、衝撃の大きさが蘇ってきます・・・
もちろん、砕け散った破片はクラッチハウジング内に・・・

 

 

このピストンもその時のエンジンの物です。
完全にシリンダーと一体化し、溶接状態で抱き着いていました。
ピストンピンもこの通り・・・・恐ろしいですね・・・
たまたま大事に至らず、エンジンもクラッチハウジングが砕けた分、力が逃げてくれ、クランクまでは大丈夫だったのですが、砕けた破片の影響を考えると、結局クランクまでバラさないといけないハメに・・・

 

 

その何年か後、再び高速ロックにみまわれましたが、慣れとは恐ろしい物です・・・
長い間、同じ単車に乗っていると、なんとなくですが「そろそろヤバい・・・」とか、根拠はありませんが、「今日はなんとなく力がないなぁ・・・」とか、アクセルがいつもより開け気味の時、なんとなく薄く感じるとか、前触れが解るようになるんです!
だから二回目の時は心の準備ができていたのか、思わず反射的にクラッチを握っていました。
それ以来、高速道路を飛ばす時、クラッチレバーに自然と指が掛ってしまうようになりました。
マッハやKHに限らず、特に最近のバイクから旧車に乗り換えた方などは、理解に苦しむと思いますが、2ストとはそんなものかもしれません・・・
水冷メッキシリンダー&オイルポンプが電子制御のNSRであっても焼き付く時は焼付きます・・・だから高速道路では常にクラッチに指をかけておいて下さい、予測ができているかいないかで、大きく生存率が変わるのも事実ですから・・・

次回は、その恐ろしい「高速ロック」を起こさない、いえ「起こしにくく」する為のお話をしたいと思います、功うご期待!

 

メッキスポーク&アルミHリム完成ホイール

よくお問い合わせ頂いておりますクロームメッキスポークの完成ホイールですが、
この度ようやくハブの処理のメドが立ったので、完成ホイールASSYとして発売させて頂きます。

 

 

光沢が美しいエキセルアルミHリムと当店クロームメッキスポークですが、小汚いハブではどちらも台無しです・・・
フロントハブはロープレッシャー製法という方法で製造されていますので、サンドブラストで美しく蘇るのですが、問題はリアハブです。
リアハブは昔ながらのダイキャスト製法という造り方ですので、どうしても鋳造時のスが現れたりとか、サンドブラストだけでは十分な仕上がりとはなりません。
一度でもハブの仕上げをされた事がある方なら解ると思いますが、複雑な造形は仕上げるのに相当な体力と気力が必要です。
ブラストでダメなら、後はバフ研磨しかありません。バフ研摩は最終仕上げとしては最適なのですが、どうしても人の手が必要な為、複雑な形状のハブなどは、相当高額なコストが掛かります。

 

 

そこで白羽の矢が立ったのが、バレル研摩です。
私自身、バレル研摩という技法は随分前から知ってはいたのですが、大量生産ラインなどでバリ取りなどに使われるイメージで、なかなか単発的な旧車のレストアに対応して頂ける工場が少ないのが現状でした。
たまたまダメ元で近くのバレル研磨工場に飛び込んだら、同世代の社長様が出てこられ、なんと社長様「昔、ワシも単車のっとったんや・・・最近また乗りたいと思てたとこや」と嬉しいお言葉。
お忙しい中、ラインを止めてまで対応して頂き、後日「アルミに最適なメディアと研磨剤を見つけた」との嬉しい言葉を頂けました。
出来あがった製品を社長自ら配達して頂き、期待していた以上の輝きにウットリ・・・そして華の80年代の単車談義に(笑)

流石に、バフ研磨の様な光沢は無理ですが、機械でできるバレル研磨はバフ研磨に比べ、コストを大幅に削減できます。
いくら美しい方がいいとはいえ、なかなか研磨に何万円というコストをかけて頂けるお客様は稀です。
バレル研磨はリーズナブルなコストはもちろん、入り組んだ手の入り難い所まで処理できるので、裏面はもちろん、隅々までキレイになります。
鏡面仕上げを一度でもやった事がある方なら、この有難みを理解して頂けると思います。

 

 

お化粧直しが出来たハブに最近のシールタイプのベアリングを圧入します。
KHの純正はリアの一部を除き、オープンタイプのボールベアリングですが、NTN社製のLUUタイプというシールベアリングを使用しますので、無給油タイプになりハブのメンテナンスを大幅に軽減できます。

 

 

ブレーキドラムも製品の均一性を上げる意味もありますが、ほとんどの車両が何十年もドラムの修正研磨など行っていない為、修正研磨します。
これで制動力が飛躍的に向上する訳ではありませんが、これで少なくとも後10年は安心して乗って頂けます。

 

 

そしてHリムとハブをスポークで合体させ、入念に振れ取りを行います。
ずいぶん前、振れ取りをご教授頂いた自転車屋さんオーナーより引き継いだ年期物の振れ取り台ですが、なかなかどうしてコレが使いやすく重宝しています。

 

 

こうしてホイールASSYが完成しました。
後は、お客様の方で、リムバンドとチューブ、タイヤを組んで頂ければOKです。
この作業だけならお近くのタイヤ屋さんでも可能ですので、お気軽にHリム&クロームメッキスポークを愛車に導入頂けます。
当時物のキャストもカッコイイですが、当時の単車こそスポークホイールが似合うと信じて疑いません!

 

 

尚、制作には万全を基してはおりますが、どうしてもスポーク組込みや振れ取り作業中に軽微な傷は入ってしまいます・・・
Hリムの輝きは光沢アルマイトによるものなので修復は困難です。全く傷をつけずに組み込み&振れ取りは不可能です。
よく目を凝らして見ないと気付かない程の傷ですが、神経質な方はアルミHリムはご遠慮下さいませ。

 

 

フロントは純正同サイズ(1.85-18)リアのみワンサイズアップ(2.15-18)です。
もちろんサイズ変更も可能ですが、多数テストした中で、操安性と見た目のバランスがこのサイズが一番よろしいかと。

エキセルHリム&クロームメッキスポーク ハブ再生バレル研磨仕上げ
価格150800円(税込み165880円)です。

ハブとディスタンスカラーは再使用しますので、前後ハブのみ送って下さい。
ハブの状態、ドラムの摩耗が著しい場合やディスタンスカラーが無い場合は別途追加料金が発生致します。
どうしてもハブがなくホイールごと欲しい方は別途ご相談下さいませ。

 

 

また、ハブだけ綺麗でもドラムパネルとスプロケットタワーが汚いままでは・・・です。
もちろんこの2点もオプションでバレル研磨仕上げも可能です。
研磨作業料金は2点で26000円(税込み28600円)です。
ハブと光沢度合いが整い綺麗です。特にこの部品は複雑な形ですので、費用対効果は抜群です。

 

 

ハブとドラムパネルを合わせるとこんな感じの仕上がりです。
鏡面仕上げとまではいきませんが、十分な美しさですね!
また、Hリムがイヤという方や、もっとリーズナブルにメッキスポークを導入してみたいという方にも、スチールメッキリム+サンドブラスト仕上げのホイールASSYもご用意しております。

 

 

リア新品DIDメッキリム+ハブサンドブラスト仕上げホイールASSY
価格99000円(税込み108900円)

尚、現在フロントリムの入手が不可能な為、フロントリムはご自身のFホイールを磨いて再使用となります。
フロント側も新品汎用リムで組めない事はないんですが、スポークの倒れ角が異なる為、耐久性などに疑問が残ります・・・
現在、汎用リムのフロント側使用の耐久テスト中です、十分に走り込んでから結果が解り次第ブログにて報告する予定です。

もっと費用を抑えたい方は、ハブベアリング交換や磨きをご自身で済ませてきて頂ければ、もっと格安でクロームメッキスポークホイールが導入可能ですので、気になる方はお気軽にご連絡下さいませ。

尚、どちらも制作に約1カ月程頂きます、またバレル研磨工場様の都合により納期が若干変わる場合もございますので、納期にはどうかご理解下さいませ。

 

KHパーツ 新製品の経過報告

残暑お見舞い申しあげます。

皆様、まだまだ残暑が厳しいようですがいかがお過ごしでしょうか?
くれぐれも熱中症にはご注意下さいませ。

なかなか思うようにいかないパーツ開発ですが、発売予告をかねての経過報告です。

かねてから何度も試作を繰り返し、やっと納得のいく仕上がりになったKH用フロント強化サス。
決して固すぎず、それでいてしなやかな動きとなるようなバネレートを探るのに苦労しました。
純正より自由長も変更して、若干プリロードも掛るようにしています。
どうしても人によってバネレートの好みは異なりますが、ノーズダイブを抑え腰があり、決してストリートでギャップを拾らってもゴツゴツしないしなやかなサスペンションに仕上がっています。
ブレーキを強化されている方や、ノーマルの柔らかすぎるサスを変えたい方、もちろんヘタったノーマルスプリングのリプレイスメントパーツとしても最適です。

初回ロット限定10台分は今月下旬に出来上がる予定です。
一台分 税込み15980円(税抜き14800円)
別途料金となりますが、サーキットや峠専用仕様や、街乗り専用レートも制作可能です。

 

 

 

続いては、KH400用520化キット。
これも前々からすでに私のKHには採用していますが、駆動系だけに十分な安全性の担保がない事には発売できませんでした。
長時間走り込んでスペーサーやスプロケットナットの耐久性も十分証明されましたので近日発売予定です。
こうやって530チェーンと520チェーンを比べると一目瞭然ですが、何より押しただけでも抵抗の違いが解るくらいです。
今や100馬力越えのマシンですら520サイズです・・・非力なKHで最近の530チェーンでは過剰品質にも程があります。
小排気量車ではOリングチェーンからノンシールに変えただけでも差がハッキリ解るくらいなので、これは効果テキメンです。
エンジンパワーを上げるだけがチューンではありません、フリクションの軽減も立派なチューニングです。
発売時期や価格など、後日UPさせて頂きますネ。

 

 

おまたせしました、真打ちはPWKキャブキットです。
センシティブなノーマルキャブに苦労なさっている方が沢山いらっしゃるという声は本当にずいぶん前から聞いています・・・
何より当たりか外れか、まるで当て物のような中古キャブをだましだまし使うしかない昨今、パワーや始動性に加え入手のし易さ、保守の容易さなど、計り知れない程のメリットがあるKHにPWKキャブへのスワップ。
私のKHでその事は本当に痛感しており、もはやノーマルキャブに戻すなんて事は考えられません・・・

半円形スロットルを持つPWKキャブは、霧化特性に優れ、パワーの出るフラットバルブと、張り付きにくく扱いやすい円形スロットルのいいとこ取りしたようなキャブです。
そんないいとこだらけのPWKキャブですが、欠点ばボディーがVMキャブなどに比べ若干大きく、ノーマルキャブでカツカツのKHではクランクケースにボディーが干渉してしまいます・・・

 

 

何度も試作品を造ってはまたやり直す・・・市販化となるとシリンダー高さの個体差まで考慮しなければなりません。
傾く油面とケースクリアランスとの取り合い・・・絶妙な位置を探り出して、やっとプロトタイプが出来上がりました。

 

初期セッティングに関して、当初ニードルのセットに苦労しましたが、ノーマルエンジン+チャンバー程度の車両にボルトオンに近い状態で走れるようにセットアップして販売したいと考えております。
涼しくなる頃までには市販化できそうですが、台所事情により、小ロットでの在庫しか無理なので(涙)とりあえずこちらも10台分位で考えております。
価格等はまだ未定ですが、とりあえず先行予約を受け付けております、それなりの数さえ読めれば、価格も抑える事はできるんですがね・・・なので気になる方は早めにご連絡下さいませ。
あくまで仮予約となりますので、お気軽に当店HPのお問合せ欄よりご連絡頂ければ幸いです。

まだまだ、エキサイターコイルのまき直しサービスや、バレル研磨仕上げなどなど、これからもどんどん発売していく予定です。
全国のKH乗りの皆様、私自身も生粋のKH乗りを自負していいます、今後ともガレージトライシクルの応援よろしくお願い致します。

250SSのベース車両S1C が入荷しました。

250SSのレストアベース車が入荷しました。
ベース車なので、程度も何もないですが、割合欠品が少なそうなので思わず触手が。
何よりあの煩わしい二年に一回の車検も250なのでありません。
腐っても2サイクルなので、それなりに走りますし、何よりあの官能的なトリプルサウンドに気楽に乗れちゃう250は魅力です。

しかし、昨今の旧車価格の高騰にはため息がでます・・・
当店でも仕入れ原価の凄まじい高騰に頭を抱えています。
このSSなんてエンジンが焼き付いて、キックが下りません・・・
おそらく何年も放置された感があり、一般の方から見ると「産業廃棄物」以外の何者でもありません。

旧車の世界では、「高いから良いもの」なんて事はないから恐ろしいんです。
本当にいい車両はお店に並ぶ事はまれです。なぜなら本当にいい個体は、マニア間で取引されてしまう事が多いからなんです。
だから中途半端な程度の車両をだましだまし乗るより、このような不動車を全バラしてイチからやり直した方が安心して乗って頂けると思います。

 

旧車に憧れて買ったはいいが、まともに走らせずに売却というパターンは結構多いようですね。
だからこそ当店ではできるだけ安価なベース車を最初に徹底的に修理してから乗ってもらいたいのです。
「旧車だから・・・」なんて言葉で安易に妥協しないでほしいんです。確かにこの当時の車両は現在の車両のように全くメンテナンスフリーとはいきませんが、新車だった当時、そんなに頻繁に故障ばっかりしてた訳ではないハズです。
ただ、修理にも「予算」はありますから、全てと言う訳にはいきません。当店では、やはり「走る」「曲がる」「止まる」「まっすぐ走る」に重点を置きたいと考えています。

 

このキックペダルの角度にピンときた貴方は相当オタ・いえ、マニアな方かもしれません(笑)

今となっては逆に新鮮なフロントツーリディングドラムブレーキ。
SSのみならず、KH250のド初期まで化石のようなドラムブレーキですが、キチンと調整してあげれば意外にKHのディスクよりタッチは良かったりします。それに本格的に走り込みたければ、KHのフロント廻りがボルトオンで流用できますしね。
でもピカピカにバフ掛けすれば絶対ディスクより存在感がありますね。

これはリアハブですが、ブラスト&バフ掛けでこんなに美しく・・・

 

この車両は逆輸入車、いわゆる国内物ではありません。
確かに、国内物の歴史の重みも素晴らしいかもしれませんが、高温多湿な日本と違い、湿度の低い国からの帰国子女達は年数の割りにサビや腐食が少なく、レストアベースには最適です。

タンクやフォークだって殆ど腐食はないんです。

国内物なら、よっぽど保管場所とかに恵まれていないと、シートベースなんて見るも無残な物が多いですが、やはり湿度の関係か、フレーム廻りもサビは比較的少ないです。

タンクの塗装が剥げた所から、元々のブルーの塗装が見え隠れしています。
フレーム番号からしても、この車両は、通称「刀ライン」のS1Cのようです。

 

こんな感じの250SSのベース車ですが、これから仕上げていきますので、気になる方がいらっしゃいましたらお気軽にご連絡下さいませ。

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