パンクロック、ハードロック、高速ロック 兵庫県加古川市のガレージ トライシクルのブログです

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パンクロック、ハードロック、高速ロック

80年代初頭、ピストルズやKISSなどのパンクロックやハードロックに熱狂した小僧も今や初老と呼ばれる御年に・・・

ほんでもって、80年代の2スト乗りなら、誰しも?一度は経験した事がある?かな?「高速ロック」これはある意味ハードコアより凄まじい・・・
そう、高速ロックとは広辞苑によらなくとも「高速道路でエンジンが焼き付き、後輪がロックする事」です(汗)

 

 

80年代、特に原付に至っては、ほぼ2サイクルエンジンが占めており、まだまだ250cc以下では2サイクルエンジン搭載のオートバイの方が多かったんです。
今や原付でさえ水冷4サイクルFIが当たり前の現在のエンジンでは考えられない事なんですが、2サイクルエンジンは4ストに比べ、潤滑という点においては構造上不利です・・・それ故、高回転、高負荷が続くと焼き付きやすく、高速道路などを走行中、エンジンが焼き付きにより、リアタイヤがロックしてまう事だってあるんです・・・
想像するだけでも恐ろしいのに、ナント私は二回も高速ロックを経験しました。
高速で後輪がロックする瞬間、一体何が起こったのかさえ全く解りません!いきなりリアタイヤが凄まじいスキール音を発し、オイルではない、タイヤから白煙が上がり、強烈な匂いの後、例えようのない恐怖が襲ってきます。

なんとか二回とも日ごろの行いが良いのか、転倒する事もなく事なきを得ましたが、時間が経てば経つ程、恐ろしくなります・・・
もし高速で転倒して、後続車に轢かれていたら・・・ミンチになっていたかも・・・(汗)

 

 

これはその時の、ロックしたエンジンの粉々に砕け散ったクラッチハウジングです。
今、改めて思うと、クラッチハウジングが砕けてくれたおかげでタイヤが再び転がり、転倒せずに済んだのかもしれません・・・
まだ10代だった私に焼き付きとかの概念はなく「クラッチをすぐ切る」なんて芸当など、できる訳がありません。

 

 

こうやって、正常なハウジングと比較すると、衝撃の大きさが蘇ってきます・・・
もちろん、砕け散った破片はクラッチハウジング内に・・・

 

 

このピストンもその時のエンジンの物です。
完全にシリンダーと一体化し、溶接状態で抱き着いていました。
ピストンピンもこの通り・・・・恐ろしいですね・・・
たまたま大事に至らず、エンジンもクラッチハウジングが砕けた分、力が逃げてくれ、クランクまでは大丈夫だったのですが、砕けた破片の影響を考えると、結局クランクまでバラさないといけないハメに・・・

 

 

その何年か後、再び高速ロックにみまわれましたが、慣れとは恐ろしい物です・・・
長い間、同じ単車に乗っていると、なんとなくですが「そろそろヤバい・・・」とか、根拠はありませんが、「今日はなんとなく力がないなぁ・・・」とか、アクセルがいつもより開け気味の時、なんとなく薄く感じるとか、前触れが解るようになるんです!
だから二回目の時は心の準備ができていたのか、思わず反射的にクラッチを握っていました。
それ以来、高速道路を飛ばす時、クラッチレバーに自然と指が掛ってしまうようになりました。
マッハやKHに限らず、特に最近のバイクから旧車に乗り換えた方などは、理解に苦しむと思いますが、2ストとはそんなものかもしれません・・・
水冷メッキシリンダー&オイルポンプが電子制御のNSRであっても焼き付く時は焼付きます・・・だから高速道路では常にクラッチに指をかけておいて下さい、予測ができているかいないかで、大きく生存率が変わるのも事実ですから・・・

次回は、その恐ろしい「高速ロック」を起こさない、いえ「起こしにくく」する為のお話をしたいと思います、功うご期待!

 

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