兵庫県加古川市のガレージ トライシクルのブログです Archive | 10月

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GPz400FⅡ その4

GPz400F その4

 

フレームが修正&パウダーコーティングから帰ってきたので、足回りを修理していきます。
KHなどに比べればGPzは新車のような錯覚を覚えますが、すでに30年以上経った十分旧車といれる年齢です。
80年代以降の車両はそれ以前のに比べ、構成部品などの耐久性は飛躍的に向上していますが、やはりベアリング類などは新品に交換すると気持ちよく乗れますので、問答無用で交換します。

 

 

ステムベアリングはこの年代になるとニードルテーパーベアリングになっていますので、耐久性は昔のボールタイプと比較になりませんが、やはりグリスの硬化などありますので、新品と交換します。

 

 

昔はベアリングのグリス詰めは丁稚(新人)の仕事と決まっいましたが、最近では便利なSSTが簡単に手に入ります。
こうゆう工具を最初に考え付く人って本当に尊敬します!

 

 

新品のレースをネックに打ち込み、アンダーブラケットにはプレスを使って新品のベアリングを圧入します。

 

 

ブレーキディスク取り付け部にはネジロック材のカスが残っているので、タップでさらえておきます。

 

 

 

リアサスのリンク回りもバラしてグリスアップします。
リンク回りはグリスで手が汚れ、まーまーめんどくさい割に見た目も全く変わらない地味~な作業なんですね(涙)
でもここをバラしてグリスアップするだけで、見違えるように動きがよくなります。
400はコストダウンなのかニードルベアリングではなくブッシングだったのでなおさらですね。

 

 

新品のホイルベアリングを入れますが、せっかくなら無給油のシールベアリングを入れます。

 

 

リム回りもキレイ磨いておきます。
使用前

 

使用後。

 

いや~メンドくさい地道な作業です・・・(涙)
でもいくら見た目は気にしないとはいえ、足元は大切ですからね。

 

 

フロントフォークもOHしてリアサスもババナショックさんでOHしてもらい、リンク回りもリフレッシュ!
ここまでやれば「新車」の乗り味に近づくかな?って自己満足に酔いしれています(笑)
乗り味だけは「当時物」を味わってもらいたいとトライシクルでは常に考えています。
調子の悪い旧車に乗って、「旧車だからこんなもん」って評価される車両が本当に多く、
そんな車両が可哀そうでありませんから・・・

 

 

 

欠品だったシフタースプリングを制作しました。

 

純正部品の欠品の多さに悩まされるKHですが、こと心臓部の欠品には本当に悩まされます・・・
断腸の思いで開けた心臓部には、できる限り新品の部品で組みたいものです。
ただでさえ2速ギアのギア抜けに悩まされるトリプルですが、この小さなスプリングはシフタードラムを固定するレバーの位置を保持する重要な役割を担っています。そんな大切な部品を40年以上伸び縮みを繰り返し疲労したバネを再使用するのはいかがなものでしょうか?

 

 

そんな思いから以前、製造廃止部品のリターンスプリング(純正品番92081-1118に相当)を自分用に少量制作し、当店でエンジンをOHして頂くお客様のみに使用していましたが、ストックしていた在庫を使い切ったのをきっかけにこの度、量産する事になりました。

 

 

新たに一から図面を起こし直し、材質も現在のSWP鋼を使って製作しています。
一度開けたら、なかなか開ける事のない腰下の使用だからこそ、キックリターンスプリングと同様オーバークォリティーかなと思える素材を厳選し、信頼のおける国内工場で生産しています。

本当に大切な愛車だからこそトライシクルは、こういった見えない部品に拘っていきたいと思っています。

シフタードラムスプリング   1200円(税込み価格1320円)

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