兵庫県加古川市のガレージ トライシクルのブログです Archive | 7月

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マッハ KHトリプルシリーズ シリンダーフィン再生

マッハシリーズをバラしたことのある方なら解ると思いますが、
固着したシリンダーをケースから抜こうとしても、なかなか抜けてくれません。
抜けないと、どうしても叩きたくなるのが人情ですが、ここはグッとこらえて絶対叩いてはいけません!
なぜなら、トリプルシリーズのシリンダーはいとも簡単に割れてくれます(涙)

もし、貴方がふいにシリンダーを割ってしまったとしても、「破片」は必ず保管しておいて下さい。
何故なら、「TIG溶接」という神業で、復元できるかもしれないからなんです。
TIG 溶接(アルゴン溶接)といっても、オートバイの場合、熱歪みを考慮しながら行わないといけなかったり、棒の素材や電流など、熟練を要します。
そして、割れた破片があれば、なお修復が容易になります。最悪、全く破片がなくとも、「肉盛り」にて形成もできますが、やはりコストがかさみます。

性能的には問題ないとしても、空冷エンジンのフィン欠けは見てていい物ではありません。
それなりのコストと時間はかかりますが、このように、ほとんど修復した跡が解らない位に修復も可能ですので、
くれぐれも、破片を捨てず、残しておいて下さいね。

 

コレは、破片をなくしたお客様の修正の様子です。
まずは、割れた部分を溶接し易いようにカットし、同じような素材のアルミ片を同じ角度にカットし合わせます。

 

そして、点付けをして位置決めををします。

その後、歪ませない様に細心の注意を払いながら本付けします。
いかに熱を逃がすかも大切ですね。

ス穴が出ない様に電流を調節し、この後、入念にリューターで研磨して形成していきます。

組み込んでしまえば、修正したかどうかは、全くと言っていいほど解らなくなりました。
やはり割れのないシリンダーはええもんですね。

スピードショップイトウ オリジナルゼファー750用FCR35φキャブキット

ゼファー750用FCRキットは今更珍しいものでもありませんが、世間一般で見るFCRは何故か見た目がシックリきません・・・

それは無駄にデカいチェーンテンショナーのせいで、どうしてもスピゴット(インマニ)が長くなってしまう為なんです。
これはZR7系エンジンを搭載した後期型ゼファー750なので、テンショナーは小さくなっており、スピゴットを短くしても干渉しません。前期型でも、マニュアルテンショナーに交換すれば、装着可能かと思われます。

 

スピードショップイトウさん(以下SSイトウ)で、ショートスピゴット対応のFCR35を、ゼファー750用にニードルをリセッテイングして販売してくれます。
ズビゴットの長さというのは、エンジン特性に顕著に作用します。一般的にインマニが長くなると低速型になるといわれ、短いと高回転型になるといわれます。
四輪などでは、吸気管長を変化させる機構をもった原動機も存在している位なのですが、口径やファンネルなど、多数の要素があるので一概にはいえません。
それよりもやはりオートバイ、特に「単車」と呼ばれた時代の車両は「見た目」も重要なファクターとなりえます。
このSSイトウFCR35は、ショートスピゴットと、よもすれば少し口径オーバーかなと思われるビッグボディーの35φと言う吸入空気量がもたらすフィールはノーマルのそれとは比較しようの無いほど激変し、高回転での官能的なフィールをもたらしてくれます。

大きけりゃいいって事のないキャブ口径の選定ですが、逆に口径が小さ過ぎてもアクセルの開閉に対し、ギクシャクする場合もあります。
数多くのレースで培われた伊藤晶雄氏によるジェットニードルの選定のおかげで、心配していた中低速のもたつきなど皆無であり、
ことこのマフラー以外フルノーマルのゼファー750に関しては、逆に中低速でのアクセルのツキも程よく穏やかで、非常に乗り易くベストな口径となりました。
ただし、ビッグボディー故、どうして大きなノーマルの燃料コックではボディーと干渉してしまいます。GSXやピンゲルなどの小さめのコックへの換装が必須となります。

 

 

やっぱし、これくらいの吸気管長の方が、リッタークラスよりも高回転が使えるナナハンクラスはベストな選択ですが、何より見た目はバツグンにカッコいいですしね!
これで、こう少し長めのファンネルを装着すればなおカッコよろしですね。

 

 

 

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