KH400 520チェーンコンバートキット
最近忙しすぎて新たなパーツ開発に時間が取れません・・・
そんな中、かねてから構想中というか、すでに私のKH400には5年以上前から装着している530から520チェーンへコンバートするキットについてのお話です。
今や100馬力クラスのスーパーマシンですら520チェーンを標準採用していますので今更、安全性がどうとかいうレベルではないのは火を見るより明らかです。
当時のチェーンは素材も悪かったとはいえ、たった38馬力しかないKH400に、純正は530サイズという、リッターバイククラスであろうチェーンが採用されているんです・・・
手前が520奥が530サイズのチェーンです。
こうやって並べると物凄い差ですね・・・
スプロケットの厚みの差も歴然です。
これだけ厚みに差がある530と520ですが、昔に比べ格段に性能が向上した最近のチェーン、流石に530チェーンではオーバークォリティーどころか、フリクションロスが大き過ぎます・・・
実際520にサイズダウンして車体を押すだけで、フリクションの違いを体感できる位ですから!
なまじっかエンジンのパワーアップに無心するより、非力なミドルクラスではこちらの方が効果テキメンです。
要はエンジンをチューンする前に「お前がやせた方がよっぽど効果があるやんけ!」って話ですね(爆)
では何故、未だ市販化に踏み切れないのかというと、フロントスプロケットの取付け方法に一抹の不安がありました。
もし、スプロケットナットが緩んだら大事故になる可能性があります・・・
私のKHには他車のスプロケを流用しているので、元々のクローワッシャーが使えず、ネジロック剤+Uナットという特殊な緩み止め機能のあるナットで固定しています。
でもこれで実際5年以上乗っているので、プライベーターレベルならまず問題ありません、が命に係わる部分だけにもう少し安全性の担保が必要かな・・・と思い発売には至りませんでした。
フロントスプロケットに関し、固定方法や寸法の帳尻合わせなどなど、試行錯誤しました。
画像にあるようにアウトプットシャフトのスプラインに合うようなスペーサを造ってチェーンラインを合わせたりしましたが、やはり素材の問題や強度の問題からして、一体の方が安全の担保はしやすいので却下。
スプロケットナットの緩み止め対策として思い浮かんだのが、上の画像の大阪が誇る「絶対緩まないナット!」ハードロック工業様のロックナットです。
取り寄せてみて驚きましたが、なるほどこれなら緩まんな!と感心するも、厚みがありすぎでダブルナット部がかかりません・・・
ヘビーすぎる大きさは、ハードロックといゆうより、ヘビーメタルナットって感じです(涙)
ヘビメタがダメなら、ハードコア・・・いえいえ、ほんでもって白羽の矢が立ったのが、富士精密様の「Uナット」です。
スプリング状の鉄板をかしめてあり、万が一緩んでも脱落し難い構造です。
ただ、緩み難いのは嬉しいのですが、一度締め付けると、外すのがかなり困難です・・・
で結局、純正同様クローワッシャー+Uナットで安全を担保することができそうです。
Uナットはトルク管理が重要ですので、必ず整備士資格のある方に締め付けトルクを確認してもらって下さい。
そして今一度、安全確認の為、自分のKHでテスト中です。
KH400の530程ではありませんが、KH250も純正525サイズのチェーンではオーバークォリティーです。 KH250用として、525→520コンバートキットも併せて発売する予定です。
特注スプロケの入荷にも少し時間がかかりそうですが、近日中に発売予定です。下手なエンジンチューンよりも効果が期待できそうな520コンバートキット、乞うご期待あれ。
KH400 KH250 350SS用 ボルトオンPWK28キャブキットご予約開始。
入荷のお知らせ。
大変長らくお待たせ致しました。ようやくボルトオンPWKキャブレターキットが少量ですが、入荷予定です。
つきましては各排気量数台ずつですが、先行予約を受け付け致します。
ご予約希望の方はお問合せ欄より氏名、住所、連絡先、車種、オプションの有無もれなく記入の上お知らせ下さい。
すでに前々から数台ずつご予約頂いております関係上、売れ切れの場合はご容赦下さい。
KH400にボルトオンで装着できるケイヒンPWK28 キャブキットです。
KH400並びに350SS用としておおまかなセッティング済みですので、
煩わしいニードルの選定は必要ありません。
取り付けに必要な、専用マニ、ガスケット、インシュレーター、専用ケーブルがセットになっており、装着したその日から走行可能です。オプションで、エアーファンネル&パワーフィルターキットも発売中です。
尚、チョークケーブルはダルダルになりますが、ノーマルがなんとか使えます。
ただ、霧化特性はノーマルとは比較になりませんので装着頂いた多くのお客者より「別物のバイクになった!」と嬉しいインプも多数頂いております。
(注)受注生産となりますので、納期がかなりかかります。詳しくはお電話にてお問合せ下さいませ。
350SS用ケイヒンPWK28キャブキット 154000円 (税込み169400円)
KH400用ケイヒンPWK28キャブキット 145000円 (税込み159500円)
KH250用ケイヒンPWK28キャブキット 154000円 (税込み169400円)
PWK28用 エアーファンネルキット 13500円 (税込み14850円)
PWK28用 パワーフィルターキット 10910円 (税込み12000円)
* お陰様で今回ロット分も多数ご予約を頂いており、あと残りわずかです。
次回生産の予定は来年1月頃の予定です。
KH400 KH250 350SS用 ボルトオンPWK28キャブキットのご注文はこちら
350SS用 PWKキャブキット
350SSユーザー様、お待たせ致しました。 やっと納得のいくセッティングが完了致しました。
350も下から上まで一気に吹け上がるようになり、元々エキサイティングなサンハンですが、霧化特性が著しく改善する事により、中低速も乗りやすくなり、より魅力的なマシンへと変貌します。
完全に近いセッティングとなると、現車を持ち込んで頂き、実際に走ってみないと不可能ですが、ボルトオンキットですので、ポン付けでも、ほぼ走れるようにセットしておかないといけません、市販のPWKキャブのままでは、まともに走ることもままなりませんから・・・
ただ、もともと懐の深いPWK28ですので、セッティング次第では50ccスクータでも装着実績があるので、単室83ccの250でもなんとかなりそうです、なので今後はKH250用も発売予定です。250ユーザーの方、今しばらくお待ち下さい!
セッティングの要はこのジェットニードルの選定に尽きます。
メインジェットだけや、ニードルの段数調整だけなら原付小僧でもできます。
やはりプロとの差は中低速の乗り易さなんでしようね・・・
パーシャル域からいきなり全開とか、あえて高いギアでの無理な加速とか、本当にいろいろデーターを取りながら煮詰めていきます。
KH400と350SSの排気量差はたった50cc、ましてや単室だと16ccしか変わりませんが、点火方式やポートタイミングも違います。KH400であれだけ調子よかったセッティングでも350SSだと中速でゴボついてまともに走る事が困難です。KH400と400SSでさえポートタイミングも同じなのに点火方式の違いだけでもセッティングは大きく変わります。
このように何本ものニードルの中からベストを探ります。
ストレート径、テーパー角、切り上がりなどなど、最終的にはスロットルボディーのカッタウェイまでと。
それらを組み合わせ、本当に何千通りともいえる気の遠くなるような組み合わせの中から「だいたい」の所を探っていきます。機械式のキャブである以上、フューエルインジェクションのような柔軟な対応は不可能です。
吸入空気量を元にアクセル開度や回転数に応じ、CPUで演算し、それに加え気圧や気温の補正+点火時期制御までしてくれるEFI。だから最近のエンジンは高出力なのに高燃費という相反するミラクルをやってのけるんですね。
ただ、長いキャブの歴史の中で、最終進化版といえるFCRやPWKに関しては、EFIであってもその性能になかなか追いつけなかった程、霧化特性は素晴らしく、元々のキャブの霧化がよくない旧車程、キャブを交換するだけで恐ろしく豹変するのも事実です。
パワーはもちろん、始動に関しては、キック一発でいとも簡単にエンジンは目覚めるようになります。
キャブセッティングにはいろんなSSTを使い、極力視える化する事で早くそこにたどり着くことができます。
ダイノジェットなどはその頂点でしょうが、2サイクルの場合、排気温度も低く、空燃比計も意味がないのでつらいですね。
やはり最終的には乗ってみての自分の感覚が頼りになってきますが、2ストは4ストに比べ、混合気での冷却が重要となりますので、やはり少し安全マージンを取ってしまいがちです。
それに無接点CDIのKH400に比べ、SS系ではポイントの調整など点火セッティングが大きく影響しますし、個体差も出やすいので初期セットにもすごく迷います。
そしてキャブセッティングに絶対に必要不可欠なスペシャルツール!それは「老眼鏡」。
これとLEDライトがないと、あの鬼のように小さく刻まれた文字を読むことなんて絶対不可能です!
親父の形見だったハズキルーペがこれほど役に立つとは想像だにしていませんでした。
あ・・・どなたか私の目とナニを新品に交換してくれるショップ様をご紹介下さいませ(爆)
尚、今回S2シリンダー&BEETバラチャンでセッティングを行っておりますが、先にも述べたように、KH400に比べ、点火の関係で個体差が大きくなります。必ずスロー及び、メインジェット等の細かなセッティングを各自で行って下さい。
また、取付けにおいて、どのモデルも純正のエアークリーナーBOXを取り外して頂く必要がございます。
また、チョークワイヤはなんとか使えるかな?と言うレベルです。まぁ、チョークワイヤに関しては、ダルダルになりますが、 手元で3個ともなんとか操作できますし、霧化特性が著しく改善されるので、始動時の一瞬のみしか使わなくなりますので、まず問題ないかと思われます。
別途、オプションとしてパワーフィルターセット並びにエアーファンネルキットもございますので、併せてご検討下さいませ。
また、今回、専用スロットルケーブルがステンレスワイヤーに変更となり、若干ですが前回分より値上げとなっております、何卒ご理解の程よろしくお願い致します。
350SS用ケイヒンPWK28キャブキット 130000円 (税込み140400円)
KH400用ケイヒンPWK28キャブキット 120000円 (税込み129600円)
PWK28用 エアーファンネルキット 10500円(税込み11340円)
PWK28用 パワーフィルターキット 9000円 (税込み9720円)
*現在、欠品中です。
番外編。GW、6輪オフ車釣りング。
お陰様で、ここ最近ず~っと超忙しく、ほとんど休み無しで作業していた為、GWは山にこもって心身共にリフレッシュ!
旧車乗りの方、特にウチのお客様にはあまり興味がない内容かもしれませんが、実は私、KHと同じ位オフ車も大好きなんです。
今回、トランポにもう一台の愛車、スーパーシェルパを積んで、渓流釣り&キャンプ&ゲロ道アタックという一粒で三度オイシイ4輪+2輪=6輪釣リング(6ツー)をご紹介したいと思います。
いわゆるこの6ツーなんですが、コレを一度でも経験すると、もう自走なんて・・・
バイク乗りの方なら解って頂けると思いますが、いくらハーレーだろうが、リッターバイクであろうが、快適さだけで考えると軽トラですら絶対かないません。バイクと違い、渋滞の心配もありそうですが、渋滞しそうな街中とはマッタク逆方向へいくので、渋滞の心配など皆無です。
軽トラとて、快適な空調はもちろん、疲れの最大の原因、風圧なんて皆無!!それにあの三角木馬よろしく鬼のようにケツの痛いOFF車のシートに比べれば軽トラですら天国です。
今回は旧車屋だけに?今やもう見る事もめっきり減った100系ハイエースで行きましたが、普段は実家のハイゼットにルーフキャリアを付けて6ツーしています。
この時は二人で岐阜まで6ツーした画像で、ルーフにも荷物満載、オッサン二人がひしめき合って乗車していますが、それでもバイクで自走よりはるかに楽チンなんて一般のバイクに乗らない方には理解不能でしょうね。
コレが今回の主役、これまた不人気車の殿堂カワサキ スーパーシェルパ。
コイツとも今年でもう20年の付き合いになりますが、飽きるどころか、ますます惚れこんでいます。
最初、本当はこのクラスの王者、セロー225WEが欲しかったのですが、カワサキキチの私にはコレしか選択の余地はありませんでした(涙)
昔は、この「トレッキングバイク」の見た目がどうしても受け入れられなかったのですが、一度乗ったらこんなオモロイ乗り物はありません!オフ車の割りに車高が低く、どちらかと言うとトライアル車に近い性格です。
その車高の低さからくる足つき性の良さは、二輪二足と言う言葉を生みだし、両足で地面を漕ぎながら悪路を走破できます。
足つき性がよければ、どんな道にも躊躇なく入っていけます、そう子供の頃、色んな道に自転車で入っていったあの感覚・・・童心に帰って探検ごっこが可能なんです。
この車両も例に漏れず、BEETボアアップキット、ハイカム、FCR35と、もはや別物のパワーですが、それでいて極低速性能はそのままどころか、逆に乗り易いのが素晴らしい・・・
今回は、昔よく行ってた鳥取県の某源流へ、林道を奥へ奥へと進めます。
2駆の私のハイエースではスタックしてしまう箇所もありましたが、必需品の牽引ロープで乗り切ります。
途中、今晩のご馳走、タラの芽を採ります。このタラの芽の天婦羅は絶品です。
従兄弟の自作タラの芽獲り器が大活躍!廃物利用ですが秀逸です(笑)
現地に着いたら、これまた今晩のご馳走の狩りに源流へと入ります。
車止めから先、もっと奥へと進入できるアドバンテージはトレッキングバイクの特権かもしれません。
人スレしていない上、今回は雨後という最高のコンディションにも恵まれ、入れ食い状態です。
着水と同時に獰猛な岩魚が飛び出してきました。
源流独特の天然物岩魚の美しい魚体に、しばし見とれてしまいます・・・
尺越えをGET!素晴らしい魚体です。
自分達が食べる分だけキープし、あとはリリース。
寝床を営設します、もちろんキャンプ場のような水道やWCなんてございません!たまにキャンプ場で発電機などを持ち込む輩も見受けますが、不自由を楽しむのがキャンプ、それならコテージかホテルで寝ろ!と思うのは私だけでしょうか?
まぁ、子供さんや女性の事を考えるとキャンプ場は仕方がないと思いますが、旧車を楽しまれる皆さんは、せめて、LEDランタンだけはご遠慮願いたいですね!LEDは確かに便利ですが、あの冷たい青白い光は、どんな時でもエンジン一発で始動するフューエルインジェクション車のようで・・・ガソリンランタンの温かい光とシュコ~という燃焼音は旧車乗りなら虜になる事間違いありません(笑)
キャンプの醍醐味、焚き火を囲んでの宴です。TVも携帯もない夜、これぞプライスレス!
気の置けない仲間と、とっておきの日本酒で乾杯!この至福のひと時が私をキャンプへと駆り立てます。
行きがけの駄賃代わりに頂いたタラの芽は天婦羅に。
最近ではスーパーでも手に入るようになった山菜ですが、山菜こそ鮮度が重要です。
とうてい同じものとは思えない美味しさです。
岩魚の塩焼き&骨酒。
焚き火の煙で適度に燻された塩焼は絶品。意外に岩魚はアマゴよりあまりクセがなく美味しいんですよ。
飯ごうで炊くご飯もまた格別です。コツはお米をといでから直ぐに火にけるのではなく、
少し漬け込んでから炊くと、ふっくら美味しいご飯が炊き上がります。
二日目は第3の目的「ゲロ道アタック」です。
ここはそうでもありませんが、ガレガレの獣道を二輪二足で突き進みます。
倒木や丸太超えなど、時には、茂みの中に突入する事も。
今回も私が大転倒をしてしまい、あわや大怪我をするところでした(汗)
ハンドガードがないと、クラッチレバーは枝にひっかかったり、いきなりブレーキがかかったりして危険ですので、必需品ですね。
これも低車高のトレッキング車ゆえ、なせる芸です。
ガレ道は本当に自分が単車に乗れていない事を痛感します・・・
基本であるはずのバランス感覚・・・オフ車に乗って、単車に乗せられていたんだなと改めて思います。
沢渡りは気持ちいいですね・・・マイナスイオンに癒されます。
日頃、街中で煙幕を撒き散らして走っている事に、危うく反省してしまう所でした(笑)
走る事、小1時間、ガレ道最終地点に到着しました。
標高が高いので、気温は結構低いはずですが、頂上に着く頃にはすでに汗だくになっていました。
最終地点に着いて、思わず「ワシら、ええ歳こいて、一体何しとんねん!」と言うと、思わず二人共大笑いしてしまいました。
ホント、ここまで走っても何の意味もありませんが、ガレ道を走破した達成感と、心地よい疲労が、妙な笑いを誘発したんだと思います。
おそらく登山家よろしく「そこに道があるから」走ってしまうんでしょうね(笑)
今回、番外編で、旧車にマッタク関係ないネタでしたが、二輪のおもしろさにジャンルなんてありません。
大のオッサン二人、本当に一日遊びまくることができるのが二輪の楽しさです。
オフ車に興味の無い方にこそ見て頂き、少しでもオフ車の楽しさを知って頂ければ幸いです。
特に、スマホで最後まで閲覧頂いた方、本当にお疲れ様でした(笑)
商標権や製造物責任・・・
「商標権」「製造物責任」
単車屋を開業してからよく耳にする言葉ですが、いろんな意味で大変です・・・
これはKHシリーズのサイドカバーエンブレムなんですが、これを見てどれが純正か解るアナタは相当な病気・・・いえマニアですね(笑)
一番上のKH400が純正で、その下4個はホット&クールさんの製品、最下段はドレミコレクションさんの物です。
真ん中の右側はホット&クール製に私が文字に白いペイントを施し、純正っぽく仕上げてみました。
おそらくどれも例の「商標権」の問題で、あえてわずか?でも純正は違うように作られているんです・・・
そういった色々なしがらみがある中、こういったリプロパーツを作って頂けるショップ様には足を向けて寝れません。
メーカーさんも商標権がどうだとかケツの穴のこまい事言うなら、純正部品をどげんかしろ!と言いたい所ですが、 最近メーカさんもやっと重い腰をあげ、Z1のヘッドASSYとか発売してくれました。しかしマイナーなKHなんて、欠品だらけで、まともに走らすことすら困難です・・・
https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20190301_1.html
とはいえ、川重に努める友人から聞いたのですが。ヘッド再販までの道のりはかなり険しい道のりだったそうです。
当時、そんな言葉すらなかったPL法(製造物責任)や、そのヘッドを誰が何処で組んで、もし万が一何かあったら誰の責任なのか・・・
やれ当時物だ、オリジナルがどうだと、まるで病気のようなオタッキー共には、本当に閉口します・・・それに何かあるとすぐ誰かのせいにしたくなる昨今にあって、あえてヘッドの再販に踏み切ったカワサキには敬意を表したいですね!
と、ボヤいて?ばかりいるのもなんなので、KHのサイドカバーエンブレムについて少し。
これは私のKHにもついている初期型KH250A5のエンブレムです。
250の文字とKHの文字が同じ大きさです。
私のKHは通称ヒゲラインと呼ばれるB3なので、本当はKHの文字が小さいエンブレムなはずですが、
レストアにかかった90年代当初でもすでに後期型の純正エンブレムは製造廃止になっていて、何故か前期物だけが結構最近まで出たんですね・・・
もちろん、部品を取った時にそれが前期とか後期だとか考えもせず、サイドカバーに取り付けました(笑)
これが後期、いえ正確には中期のエンブレム。個人的にはこれが一番好きですね。
そして最終型になると、サイドカバーには250という排気量を示すステッカーのみとなり、車名はシートにプリントされる仕様となりました。
今でこそ人気の最終B6ですが、その頃にはすでにあのZ400FXどころか、他メーカーの4発も発売されていて、当時、明石の川重に努めていた叔父が言っていましたが、FXはフル生産体制だったのに対しKHは、ほんのタマに生産日があり、ラインもベルトコンベアではなく手押しの台車で、ほぼ手造り状態だったそうです。それ故、現存台数が極端に少ないそうですが、今思っても、最終82年に、わざわざKHを新車で買おうと思った輩は、かなりの変態ですよね(笑)
スイングアームピボットについて。
KHシリーズのスイングアームピボットですが、シャフトはブッシュによって支持されています。
KHが発売されていた70年代後半から80年代にかけて、バイクの近代化が著しく進みました。
かのZシリーズもD1あたりからスイングアームの支持はベアリング化され、地味な改良ではありますが、 面接触から線接触に変わるので操安性への影響は少なくありません。
コストのあまりかけられないミドルクラスのKHでは最終型までブッシングのままでした(涙)
ただ、車種によっては現代でもあえてベアリング化はせず、ブッシングのままの車種もあります。
たとえばセローなどのオフ車の一部では、泥噛みなどを考慮し、耐久性重視で現在でもブッシングを採用しています。
ブッシングの車両であっても。きちんと定期的にピボットを清掃&グリスアップしていれば、ベアリング支持の車両に対し、そう遜色あるものではありません。
が、しかしである、長い間、陽の目を見る事のなかったKHシリーズなど、ほとんどの車両が何十年もグリスアップなどのメンテをされず、グリスが砂を呼び、その後何年もかけて硬化し、もはや潤滑どころか逆に抵抗になっている車両が殆どです。
これでもまだ程度は本当にいい方で、ブッシュが摩耗していたり、割れている車両も多数みうけられます。
外装やカスタムパーツにふんだんにお金をかける方は多くても、このような見えない箇所にきちんとコストをかける方は稀です、イヤ、恐らくこんな状態になっている事すら知らずに「旧車なんて曲がらない・・・」って思い込んでいる方が大半なんでしょうね・・・
コレなんて完全に割れています・・・ブッシュもガタが大きく、そのまま使うのは危険です。
もちろん気持ちよく新品に交換!と言いたいですが、もちろん?純正部品など出るはずもありません・・・
程度のいい中古を探すとなっても、ほとんどまともな物なんてありません。
となると、やはり造るしかありません。幸いこのブッシュ純正品番33033-009はH1系やZ650ザッパーと共通部品です。
KHのお客様だけで造っても、悲しいかな数は捌けません・・・でもマッハやKZ650Bとかにも使えるならなんとかなるかもと、それでも少量ですが33033-009相当のブッシュを制作してみました。
S45Cの削り出しです。やはり新品は美しいですね・・・
当初、摺動性を考慮し砲金で製作予定でしたが、ベアリング化を考慮し45Cで製作しました。
上が今回キット化予定のニードルベアリングとステンレス製のスリーブです。
完全フローティング化とはいきませんが、シャフトがベアリングに直接支持されるので、 下のノーマルブッシュに比べ、摺動抵抗は比較になりません。
ベアリング化する事で現行車との差がどれほど埋まるかは不明ですが、自己満足度は高いはずです(笑)
現在、自分のKHには5年間ほど前から使用していますが、リアサス交換との相乗効果で、ノーマルとはコーナーでのケツの安定性は比較になりません。近日中に分解して内部の状態を確認する予定です。
純正のダストシールをそのまま使用するので、砂や泥の侵入はどの程度なのか不安ですが、結果がよければこの春に市販化の予定です。
中古車の整備。腰下&ミッション
当店では、KHオリジナルパーツを販売しておりますが、
一般整備や中古車の販売も行っております。
今回は、当店で中古車を買って頂いた方の整備記録です。
最近、忙し過ぎて、なかなかブログをUPできないので、経過報告を兼ねてUPさせて頂きます。
香川県のK様のKH腰下組み立て作業です。
油まみれだったクランクケースをサンドブラストで汚れを落とし、入念に洗浄します。
オイルラインなどは綿棒とパーツクリーナーで入念に洗浄し、ブラストの砂を徹底的に除去します。
ケーススタッドなどには、必ずダイスを通してネジ山をさらい、きちんとトルク管理ができるようにします。
特にトリプルシリーズ全般に、キックストッパーボルトのネジ山が痛みやすかったり、シフトシャフトに段ができ、ケースの穴から抜けなくなる事が多いので、この段階で修正しておきます。
KHの泣き所、セカンドの抜けなんですが、やはりこの車両もドッグが摩耗しています・・・
この程度なら再使用したとしてもしばらくは問題なくいけると思いますが、ストックの良品と交換します。
当店のKHは他店様に比べても決して安くはありません・・・
そんな決して安くない中古車を、まだまだ駆け出しの当店で購入して頂いたお客様に、こんなギアで組む訳にいきません・・・
それほど潤沢にギアをストックしている訳ではないのですが、購入の際、ほとんどのお客様が、「ブログを見てるので、信用しています」と言ってくれます。
他にも有名なショップ様はあるなかで当店のKHを選んで頂いています、だからここは譲れないのです・・・
ストックのミッションと見比べ、ええとこ取りをします。
この車両はアメリカからの帰国子女なので、日本に比べ、圧倒的にゴーストップの少ないアメリカ、下手するとトップに入れっぱなしで何キロもってのが当たり前なので、国内物に比べ比較的ドックの摩耗などはマシです。
国内物のドックはズルズルになっている事が多いですね。
程度の良いセカンドギアと組み換えます。
ワッシャーも計測し、限度を超えている、越えていないにかかわらず交換します。
このスナップリングが曲者で、若いころは、よく「グニャ」っと曲げてしまいました(汗)
ここは慣れに加え、道具が物を言います。ハサミ物の逸品、クニペックスで決まりです。
この車両も例にもれず開いたままのリングが再使用されていました。
まだ純正部品がで出るのになんででしょうね・・・
このアウトプットシャフトのベアリング、交換されてないケースが本当に多いんです・・・
4速ギアを抜くのが面倒なのかなぁ?このベアリングだけゴロゴロになっていました。
キックギアもずっと同じとこばかりに掛かるので、180度組み替えておきます。
ヘタりきったリターンスプリングは問答無用で当店オリジナル強化スプリングに交換します。
このシフターフォークのリターンスプリングもまだ純正新品が出ますので、必ず交換しましょう。
う~ん・・・閉めてしまうのが惜しくなる腰下ですね(笑)
クランクとミッションをやると、本当にエンジンが静かになります。
組み立てクランクの長所なんですが、チョット位ベアリングにガタがあってもフツーに動いてしまうんです、
でもやはりベアリング関係が新しくなると「異音」が出ないので、気持ちいいですね!
K様に限らず、当店での作業を首を長くして待って頂いているお客には、本当に心苦しいのですが、
どうしても部品が揃わないとかで、気を使わせてしまいがちです。
自己満足ばっかり浸っていてはいけないと思いますが、納期を守りつつ、できる限り納得のいく作業を心がけていく所存です。
「ブログをみて信用している」と言って頂いた言葉に恥じないようがんばります。
お待たせ致しました!KH400用PWKキャブの発売決定。
最近はお陰様で超忙しく、なかなかブログのUPができません・・・
そしてやっと初期ロット分のキャブ本体が当店へ入荷してきました。
PWKキャブの製造元であるKEIHIN様では、キャブの製造は年に何回かのスケジュールしかないらしく、次回の生産は半年先くらいになるそうです。インジェクション全盛の中、工程の割にたいした売り上げにもならないキャブなんて、メーカー様もあんまし作る気には・・・
初回ロット分もお蔭様で先行予約を頂いた分で、ほぼ完売状態となっています。
その為、慌てて追加発注するも、追加分は4月中旬になると言われてしまいました(涙)
まあまだ造ってくれるだけマシと思わねば・・・
それに精密機械であるキャブだけに、海外生産になって精度が落ちる位なら、多少時間は掛かっても「MADE IN JAPAN」であって欲しいですもんね。
そのままのPWKキャブではKHに装着はできないので、機械加工に出す準備をします。
純正のチョークが使えるようにオプションのワイヤープランジャーをセットしています。
これはオプションのパワーフィルター仕様です。スペースの関係上、フィルターを中央に寄せています。
この絶妙な寸法を決めるのに相当時間を要しました・・・
見た目も、あのいかにもって感じのフィルターが見えず、一見ノーマルに見えるのも魅力です。
これみよがしなルックスをアピールしたい方や、往年のソレックスよろしくレーシーな吸気音を楽しみたい方は、やはりエアーファンネル仕様に限ります。
尚、今回分はKH400用のみとなります、350SSにもクランクケース並びにシリンダー単体ではマッチングは取れていますので寸法的にはまず問題ないと思われますが、当方に350SSの現車がございませんし、ジェットニードルの設定ができておりませんので350SSに装着の場合は自己責任にて装着お願い致します。
KH400については、純正のエアークリーナーBOXを取り外して頂く必要がございます。
基本セッティングについては、パワーフィルター仕様+ルーニーチャンバーでの設定となっております。
KH400専用と言いましても、「だいたいは走れます」と言う程度です、必ず、スロー及び、メインジェット等の細かなセッティングを各自行って下さい。
オプションのパワーフィルターセット並びにエアーファンネルキットも発売予定です。
発売は2月上旬の予定です。詳しくは後日、店舗ブログにてご紹介させて頂く予定です。
KH400用ケイヒンPWK28キャブキット
価格 118000円(税込み129800円)*残りわずかです。
PWKキャブ用オプション パワーフィルターキット 価格10500円(税込み11550円)
PWKキャブ用オプション エアーファンネルキット 価格10500円(税込み11550円)
納期並びに詳しい事は、当HPのお問合せ欄もしくは、お電話にてお問合せ下さいませ。
WEBショップ開設しました。
大変お待たせ致しました。
長い間ご不便をおかけしておりました通信販売ですが、WEBショップを立ち上げて頂きました。
HPともリンクしておりますのでお気軽にご利用頂ければ幸いです。
HPより「オリジナルパーツ」の所に入って頂き、気に入ったパーツがあれば、そこをクリックして頂きますと商品ページに飛びます。
「注文はこちら」をクリックして頂くと、カート画面に変わります。
後は画面に従って情報を入れて頂ければ完了です!
尚、年内は決済が銀行振り込み、もしくは代引きのみとなっておりますが、年明けそうそうカード決済も可能になる予定です。
当店HPもしくはWEBショップでご購入のお客様は送料全国一律864円となり、2万円以上お買い上げで送料無料とさせて頂きます。
代引き手数料も金額に関係なく一律324円となっております。
2018年もあと僅かです・・・今年は私にとって本当に激動の一年でした。
多数の方に本当にお世話になりました。来年度も変わらぬご愛好どうぞよろしくお願い致します。
皆様 良いお年を!
予備プラグケースについて想う。
皆さんもご存じかと思いますが、カワサキトリプルS1~H2まですべてのシリーズに、シート下に「予備プラグケース」なるものが装備されています。
最近の若いバイク乗りの方なら、この予備プラグケースを見て、逆に新鮮に感じるらしいのですが(汗)
それだけプラグが良く被る事をメーカーも認めていた証拠で、本当はいいものではありません・・・
このトリプルシリーズ、エンジンの始動に少しコツがいります。
左スイッチ下部に装着されたチョークレバーを押しながらキックするんですが、その微妙なチョークの引き加減(押し加減)を間違うとプラグが被って、死ぬ程キックを蹴ってもエンジンは二度とかかってくれません。
だからメーカーさんは予備のプラグBOXをご親切に「標準装備」してくれたのかもしれません。
私も長いKH生活の中で、何度か、友人が「一回KH乗らして!」って言われた時、あえて始動のコツは伝えず、まともにエンジンがかからないのを心の中で笑っていた事もありました。
「慣れ」とは恐ろしいもので、コツさえつかめばキック一発でエンジンを掛けれるようになり、それは何か特別な優越感に浸り、トリプル乗りとして一人前になった気になったもんです。
か、しかし、その「被り」について少し見方を変えてみると、おもしろい事に気づきます。
これは、オリジナルの分離給油で始動直後に取り外したプラグです。
やはりチョークレバーにより、混合気が濃すぎて被っています。
これは同じ車両で、オイルポンプを取り外し、混合にして始動した直後のプラグです。
同じ車両なので圧縮等、条件は同じですので、プラグが違うとはいえ一目瞭然です。
あれほど調子悪かった展示車のKH250ですが、50:1の混合仕様にする事で見違えるように元気になりました。
実際、私のKH400もキャブがPWKに変わっているとはいえ、ここ何年も混合にしてから一度もプラグなんて外した事がありません。
だから予備プラグケースなんてのは必要ない位いです。
今まで、チョークレバーの引き方が悪いと思い込んでいた冷間時のエンジン始動ですが、ただ単にチョークの引き過ぎだけではなく、始動時の混合比にも問題があったようです。
ただでさえノーマルは20:1という当時の濃すぎる混合比で、オイルポンプのアイドル時の吐出量にも問題があったのかもしれません。
また、混合仕様にすると始動時にプラグが被り難くくなりますし、2サイクルの宿命であるエキマニから未燃焼オイルがタレるというのも、全くなくなるという訳にはいきませんが、劇的に少なくできます。
当店の混合専用オイルを使って頂いた神奈川県のRgarage様と高知県のKH乗りさんのブログです。
どちらも調子が良くなったみたいで本当に嬉しく思います。