兵庫県加古川市のガレージ トライシクルのブログです Archive | 店舗ブログ

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番外編。GW、6輪オフ車釣りング。

お陰様で、ここ最近ず~っと超忙しく、ほとんど休み無しで作業していた為、GWは山にこもって心身共にリフレッシュ!
旧車乗りの方、特にウチのお客様にはあまり興味がない内容かもしれませんが、実は私、KHと同じ位オフ車も大好きなんです。
今回、トランポにもう一台の愛車、スーパーシェルパを積んで、渓流釣り&キャンプ&ゲロ道アタックという一粒で三度オイシイ4輪+2輪=6輪釣リング(6ツー)をご紹介したいと思います。

 

 

いわゆるこの6ツーなんですが、コレを一度でも経験すると、もう自走なんて・・・
バイク乗りの方なら解って頂けると思いますが、いくらハーレーだろうが、リッターバイクであろうが、快適さだけで考えると軽トラですら絶対かないません。バイクと違い、渋滞の心配もありそうですが、渋滞しそうな街中とはマッタク逆方向へいくので、渋滞の心配など皆無です。
軽トラとて、快適な空調はもちろん、疲れの最大の原因、風圧なんて皆無!!それにあの三角木馬よろしく鬼のようにケツの痛いOFF車のシートに比べれば軽トラですら天国です。

 

 

今回は旧車屋だけに?今やもう見る事もめっきり減った100系ハイエースで行きましたが、普段は実家のハイゼットにルーフキャリアを付けて6ツーしています。
この時は二人で岐阜まで6ツーした画像で、ルーフにも荷物満載、オッサン二人がひしめき合って乗車していますが、それでもバイクで自走よりはるかに楽チンなんて一般のバイクに乗らない方には理解不能でしょうね。

 

 

コレが今回の主役、これまた不人気車の殿堂カワサキ スーパーシェルパ。
コイツとも今年でもう20年の付き合いになりますが、飽きるどころか、ますます惚れこんでいます。
最初、本当はこのクラスの王者、セロー225WEが欲しかったのですが、カワサキキチの私にはコレしか選択の余地はありませんでした(涙)
昔は、この「トレッキングバイク」の見た目がどうしても受け入れられなかったのですが、一度乗ったらこんなオモロイ乗り物はありません!オフ車の割りに車高が低く、どちらかと言うとトライアル車に近い性格です。
その車高の低さからくる足つき性の良さは、二輪二足と言う言葉を生みだし、両足で地面を漕ぎながら悪路を走破できます。
足つき性がよければ、どんな道にも躊躇なく入っていけます、そう子供の頃、色んな道に自転車で入っていったあの感覚・・・童心に帰って探検ごっこが可能なんです。

 

 

この車両も例に漏れず、BEETボアアップキット、ハイカム、FCR35と、もはや別物のパワーですが、それでいて極低速性能はそのままどころか、逆に乗り易いのが素晴らしい・・・

 

 

今回は、昔よく行ってた鳥取県の某源流へ、林道を奥へ奥へと進めます。
2駆の私のハイエースではスタックしてしまう箇所もありましたが、必需品の牽引ロープで乗り切ります。

 

 

途中、今晩のご馳走、タラの芽を採ります。このタラの芽の天婦羅は絶品です。
従兄弟の自作タラの芽獲り器が大活躍!廃物利用ですが秀逸です(笑)

 

 

現地に着いたら、これまた今晩のご馳走の狩りに源流へと入ります。
車止めから先、もっと奥へと進入できるアドバンテージはトレッキングバイクの特権かもしれません。
人スレしていない上、今回は雨後という最高のコンディションにも恵まれ、入れ食い状態です。

 

 

着水と同時に獰猛な岩魚が飛び出してきました。
源流独特の天然物岩魚の美しい魚体に、しばし見とれてしまいます・・・

 

 

尺越えをGET!素晴らしい魚体です。
自分達が食べる分だけキープし、あとはリリース。

 

 

寝床を営設します、もちろんキャンプ場のような水道やWCなんてございません!たまにキャンプ場で発電機などを持ち込む輩も見受けますが、不自由を楽しむのがキャンプ、それならコテージかホテルで寝ろ!と思うのは私だけでしょうか?
まぁ、子供さんや女性の事を考えるとキャンプ場は仕方がないと思いますが、旧車を楽しまれる皆さんは、せめて、LEDランタンだけはご遠慮願いたいですね!LEDは確かに便利ですが、あの冷たい青白い光は、どんな時でもエンジン一発で始動するフューエルインジェクション車のようで・・・ガソリンランタンの温かい光とシュコ~という燃焼音は旧車乗りなら虜になる事間違いありません(笑)

 

 

キャンプの醍醐味、焚き火を囲んでの宴です。TVも携帯もない夜、これぞプライスレス!
気の置けない仲間と、とっておきの日本酒で乾杯!この至福のひと時が私をキャンプへと駆り立てます。

 

 

行きがけの駄賃代わりに頂いたタラの芽は天婦羅に。
最近ではスーパーでも手に入るようになった山菜ですが、山菜こそ鮮度が重要です。
とうてい同じものとは思えない美味しさです。

 

 

岩魚の塩焼き&骨酒。
焚き火の煙で適度に燻された塩焼は絶品。意外に岩魚はアマゴよりあまりクセがなく美味しいんですよ。

 

 

飯ごうで炊くご飯もまた格別です。コツはお米をといでから直ぐに火にけるのではなく、
少し漬け込んでから炊くと、ふっくら美味しいご飯が炊き上がります。

 

 

二日目は第3の目的「ゲロ道アタック」です。
ここはそうでもありませんが、ガレガレの獣道を二輪二足で突き進みます。

 

 

倒木や丸太超えなど、時には、茂みの中に突入する事も。
今回も私が大転倒をしてしまい、あわや大怪我をするところでした(汗)

 

 

ハンドガードがないと、クラッチレバーは枝にひっかかったり、いきなりブレーキがかかったりして危険ですので、必需品ですね。
これも低車高のトレッキング車ゆえ、なせる芸です。

 

 

ガレ道は本当に自分が単車に乗れていない事を痛感します・・・
基本であるはずのバランス感覚・・・オフ車に乗って、単車に乗せられていたんだなと改めて思います。

 

 

沢渡りは気持ちいいですね・・・マイナスイオンに癒されます。
日頃、街中で煙幕を撒き散らして走っている事に、危うく反省してしまう所でした(笑)

 

 

走る事、小1時間、ガレ道最終地点に到着しました。
標高が高いので、気温は結構低いはずですが、頂上に着く頃にはすでに汗だくになっていました。
最終地点に着いて、思わず「ワシら、ええ歳こいて、一体何しとんねん!」と言うと、思わず二人共大笑いしてしまいました。
ホント、ここまで走っても何の意味もありませんが、ガレ道を走破した達成感と、心地よい疲労が、妙な笑いを誘発したんだと思います。
おそらく登山家よろしく「そこに道があるから」走ってしまうんでしょうね(笑)

今回、番外編で、旧車にマッタク関係ないネタでしたが、二輪のおもしろさにジャンルなんてありません。
大のオッサン二人、本当に一日遊びまくることができるのが二輪の楽しさです。
オフ車に興味の無い方にこそ見て頂き、少しでもオフ車の楽しさを知って頂ければ幸いです。

特に、スマホで最後まで閲覧頂いた方、本当にお疲れ様でした(笑)

商標権や製造物責任・・・

「商標権」「製造物責任」
単車屋を開業してからよく耳にする言葉ですが、いろんな意味で大変です・・・

 

 

これはKHシリーズのサイドカバーエンブレムなんですが、これを見てどれが純正か解るアナタは相当な病気・・・いえマニアですね(笑)

一番上のKH400が純正で、その下4個はホット&クールさんの製品、最下段はドレミコレクションさんの物です。
真ん中の右側はホット&クール製に私が文字に白いペイントを施し、純正っぽく仕上げてみました。
おそらくどれも例の「商標権」の問題で、あえてわずか?でも純正は違うように作られているんです・・・
そういった色々なしがらみがある中、こういったリプロパーツを作って頂けるショップ様には足を向けて寝れません。

メーカーさんも商標権がどうだとかケツの穴のこまい事言うなら、純正部品をどげんかしろ!と言いたい所ですが、 最近メーカさんもやっと重い腰をあげ、Z1のヘッドASSYとか発売してくれました。しかしマイナーなKHなんて、欠品だらけで、まともに走らすことすら困難です・・・

https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20190301_1.html

とはいえ、川重に努める友人から聞いたのですが。ヘッド再販までの道のりはかなり険しい道のりだったそうです。
当時、そんな言葉すらなかったPL法(製造物責任)や、そのヘッドを誰が何処で組んで、もし万が一何かあったら誰の責任なのか・・・
やれ当時物だ、オリジナルがどうだと、まるで病気のようなオタッキー共には、本当に閉口します・・・それに何かあるとすぐ誰かのせいにしたくなる昨今にあって、あえてヘッドの再販に踏み切ったカワサキには敬意を表したいですね!

と、ボヤいて?ばかりいるのもなんなので、KHのサイドカバーエンブレムについて少し。

 

 

これは私のKHにもついている初期型KH250A5のエンブレムです。
250の文字とKHの文字が同じ大きさです。
私のKHは通称ヒゲラインと呼ばれるB3なので、本当はKHの文字が小さいエンブレムなはずですが、
レストアにかかった90年代当初でもすでに後期型の純正エンブレムは製造廃止になっていて、何故か前期物だけが結構最近まで出たんですね・・・
もちろん、部品を取った時にそれが前期とか後期だとか考えもせず、サイドカバーに取り付けました(笑)

 

 

これが後期、いえ正確には中期のエンブレム。個人的にはこれが一番好きですね。

 

 

そして最終型になると、サイドカバーには250という排気量を示すステッカーのみとなり、車名はシートにプリントされる仕様となりました。
今でこそ人気の最終B6ですが、その頃にはすでにあのZ400FXどころか、他メーカーの4発も発売されていて、当時、明石の川重に努めていた叔父が言っていましたが、FXはフル生産体制だったのに対しKHは、ほんのタマに生産日があり、ラインもベルトコンベアではなく手押しの台車で、ほぼ手造り状態だったそうです。それ故、現存台数が極端に少ないそうですが、今思っても、最終82年に、わざわざKHを新車で買おうと思った輩は、かなりの変態ですよね(笑)

 

 

スイングアームピボットについて。

KHシリーズのスイングアームピボットですが、シャフトはブッシュによって支持されています。
KHが発売されていた70年代後半から80年代にかけて、バイクの近代化が著しく進みました。
かのZシリーズもD1あたりからスイングアームの支持はベアリング化され、地味な改良ではありますが、 面接触から線接触に変わるので操安性への影響は少なくありません。
コストのあまりかけられないミドルクラスのKHでは最終型までブッシングのままでした(涙)

 

 

ただ、車種によっては現代でもあえてベアリング化はせず、ブッシングのままの車種もあります。
たとえばセローなどのオフ車の一部では、泥噛みなどを考慮し、耐久性重視で現在でもブッシングを採用しています。
ブッシングの車両であっても。きちんと定期的にピボットを清掃&グリスアップしていれば、ベアリング支持の車両に対し、そう遜色あるものではありません。

が、しかしである、長い間、陽の目を見る事のなかったKHシリーズなど、ほとんどの車両が何十年もグリスアップなどのメンテをされず、グリスが砂を呼び、その後何年もかけて硬化し、もはや潤滑どころか逆に抵抗になっている車両が殆どです。

 

 

これでもまだ程度は本当にいい方で、ブッシュが摩耗していたり、割れている車両も多数みうけられます。
外装やカスタムパーツにふんだんにお金をかける方は多くても、このような見えない箇所にきちんとコストをかける方は稀です、イヤ、恐らくこんな状態になっている事すら知らずに「旧車なんて曲がらない・・・」って思い込んでいる方が大半なんでしょうね・・・

 

 

コレなんて完全に割れています・・・ブッシュもガタが大きく、そのまま使うのは危険です。
もちろん気持ちよく新品に交換!と言いたいですが、もちろん?純正部品など出るはずもありません・・・
程度のいい中古を探すとなっても、ほとんどまともな物なんてありません。
となると、やはり造るしかありません。幸いこのブッシュ純正品番33033-009はH1系やZ650ザッパーと共通部品です。
KHのお客様だけで造っても、悲しいかな数は捌けません・・・でもマッハやKZ650Bとかにも使えるならなんとかなるかもと、それでも少量ですが33033-009相当のブッシュを制作してみました。

 

 

S45Cの削り出しです。やはり新品は美しいですね・・・
当初、摺動性を考慮し砲金で製作予定でしたが、ベアリング化を考慮し45Cで製作しました。

 

 

上が今回キット化予定のニードルベアリングとステンレス製のスリーブです。
完全フローティング化とはいきませんが、シャフトがベアリングに直接支持されるので、 下のノーマルブッシュに比べ、摺動抵抗は比較になりません。
ベアリング化する事で現行車との差がどれほど埋まるかは不明ですが、自己満足度は高いはずです(笑)

 

 

現在、自分のKHには5年間ほど前から使用していますが、リアサス交換との相乗効果で、ノーマルとはコーナーでのケツの安定性は比較になりません。近日中に分解して内部の状態を確認する予定です。
純正のダストシールをそのまま使用するので、砂や泥の侵入はどの程度なのか不安ですが、結果がよければこの春に市販化の予定です。

 

 

 

 

 

中古車の整備。腰下&ミッション

当店では、KHオリジナルパーツを販売しておりますが、
一般整備や中古車の販売も行っております。

今回は、当店で中古車を買って頂いた方の整備記録です。

 

最近、忙し過ぎて、なかなかブログをUPできないので、経過報告を兼ねてUPさせて頂きます。
香川県のK様のKH腰下組み立て作業です。

 

 

油まみれだったクランクケースをサンドブラストで汚れを落とし、入念に洗浄します。
オイルラインなどは綿棒とパーツクリーナーで入念に洗浄し、ブラストの砂を徹底的に除去します。

 

 

ケーススタッドなどには、必ずダイスを通してネジ山をさらい、きちんとトルク管理ができるようにします。
特にトリプルシリーズ全般に、キックストッパーボルトのネジ山が痛みやすかったり、シフトシャフトに段ができ、ケースの穴から抜けなくなる事が多いので、この段階で修正しておきます。

 

 

KHの泣き所、セカンドの抜けなんですが、やはりこの車両もドッグが摩耗しています・・・
この程度なら再使用したとしてもしばらくは問題なくいけると思いますが、ストックの良品と交換します。

当店のKHは他店様に比べても決して安くはありません・・・
そんな決して安くない中古車を、まだまだ駆け出しの当店で購入して頂いたお客様に、こんなギアで組む訳にいきません・・・
それほど潤沢にギアをストックしている訳ではないのですが、購入の際、ほとんどのお客様が、「ブログを見てるので、信用しています」と言ってくれます。
他にも有名なショップ様はあるなかで当店のKHを選んで頂いています、だからここは譲れないのです・・・

 

 

ストックのミッションと見比べ、ええとこ取りをします。
この車両はアメリカからの帰国子女なので、日本に比べ、圧倒的にゴーストップの少ないアメリカ、下手するとトップに入れっぱなしで何キロもってのが当たり前なので、国内物に比べ比較的ドックの摩耗などはマシです。
国内物のドックはズルズルになっている事が多いですね。

 

 

程度の良いセカンドギアと組み換えます。

 

 

ワッシャーも計測し、限度を超えている、越えていないにかかわらず交換します。

 

 

このスナップリングが曲者で、若いころは、よく「グニャ」っと曲げてしまいました(汗)
ここは慣れに加え、道具が物を言います。ハサミ物の逸品、クニペックスで決まりです。

この車両も例にもれず開いたままのリングが再使用されていました。
まだ純正部品がで出るのになんででしょうね・・・

 

 

このアウトプットシャフトのベアリング、交換されてないケースが本当に多いんです・・・
4速ギアを抜くのが面倒なのかなぁ?このベアリングだけゴロゴロになっていました。

 

 

キックギアもずっと同じとこばかりに掛かるので、180度組み替えておきます。
ヘタりきったリターンスプリングは問答無用で当店オリジナル強化スプリングに交換します。

 

 

このシフターフォークのリターンスプリングもまだ純正新品が出ますので、必ず交換しましょう。

 

 

う~ん・・・閉めてしまうのが惜しくなる腰下ですね(笑)
クランクとミッションをやると、本当にエンジンが静かになります。
組み立てクランクの長所なんですが、チョット位ベアリングにガタがあってもフツーに動いてしまうんです、
でもやはりベアリング関係が新しくなると「異音」が出ないので、気持ちいいですね!

K様に限らず、当店での作業を首を長くして待って頂いているお客には、本当に心苦しいのですが、
どうしても部品が揃わないとかで、気を使わせてしまいがちです。
自己満足ばっかり浸っていてはいけないと思いますが、納期を守りつつ、できる限り納得のいく作業を心がけていく所存です。

「ブログをみて信用している」と言って頂いた言葉に恥じないようがんばります。

 

お待たせ致しました!KH400用PWKキャブの発売決定。

最近はお陰様で超忙しく、なかなかブログのUPができません・・・
そしてやっと初期ロット分のキャブ本体が当店へ入荷してきました。

 

 

PWKキャブの製造元であるKEIHIN様では、キャブの製造は年に何回かのスケジュールしかないらしく、次回の生産は半年先くらいになるそうです。インジェクション全盛の中、工程の割にたいした売り上げにもならないキャブなんて、メーカー様もあんまし作る気には・・・
初回ロット分もお蔭様で先行予約を頂いた分で、ほぼ完売状態となっています。
その為、慌てて追加発注するも、追加分は4月中旬になると言われてしまいました(涙)
まあまだ造ってくれるだけマシと思わねば・・・
それに精密機械であるキャブだけに、海外生産になって精度が落ちる位なら、多少時間は掛かっても「MADE IN JAPAN」であって欲しいですもんね。

 

 

そのままのPWKキャブではKHに装着はできないので、機械加工に出す準備をします。

 

 

純正のチョークが使えるようにオプションのワイヤープランジャーをセットしています。
これはオプションのパワーフィルター仕様です。スペースの関係上、フィルターを中央に寄せています。
この絶妙な寸法を決めるのに相当時間を要しました・・・
見た目も、あのいかにもって感じのフィルターが見えず、一見ノーマルに見えるのも魅力です。

 

 

これみよがしなルックスをアピールしたい方や、往年のソレックスよろしくレーシーな吸気音を楽しみたい方は、やはりエアーファンネル仕様に限ります。

 

尚、今回分はKH400用のみとなります、350SSにもクランクケース並びにシリンダー単体ではマッチングは取れていますので寸法的にはまず問題ないと思われますが、当方に350SSの現車がございませんし、ジェットニードルの設定ができておりませんので350SSに装着の場合は自己責任にて装着お願い致します。

KH400については、純正のエアークリーナーBOXを取り外して頂く必要がございます。

基本セッティングについては、パワーフィルター仕様+ルーニーチャンバーでの設定となっております。

KH400専用と言いましても、「だいたいは走れます」と言う程度です、必ず、スロー及び、メインジェット等の細かなセッティングを各自行って下さい。

オプションのパワーフィルターセット並びにエアーファンネルキットも発売予定です。
発売は2月上旬の予定です。詳しくは後日、店舗ブログにてご紹介させて頂く予定です。

 

KH400用ケイヒンPWK28キャブキット

価格 118000円(税込み129800円)*残りわずかです。

 

PWKキャブ用オプション        パワーフィルターキット   価格10500円(税込み11550円)

PWKキャブ用オプション  エアーファンネルキット   価格10500円(税込み11550円)

 

納期並びに詳しい事は、当HPのお問合せ欄もしくは、お電話にてお問合せ下さいませ。

 

WEBショップ開設しました。

大変お待たせ致しました。

長い間ご不便をおかけしておりました通信販売ですが、WEBショップを立ち上げて頂きました。
HPともリンクしておりますのでお気軽にご利用頂ければ幸いです。

 

 

HPより「オリジナルパーツ」の所に入って頂き、気に入ったパーツがあれば、そこをクリックして頂きますと商品ページに飛びます。

 

 

「注文はこちら」をクリックして頂くと、カート画面に変わります。

 

 

後は画面に従って情報を入れて頂ければ完了です!

 

 

尚、年内は決済が銀行振り込み、もしくは代引きのみとなっておりますが、年明けそうそうカード決済も可能になる予定です。
当店HPもしくはWEBショップでご購入のお客様は送料全国一律864円となり、2万円以上お買い上げで送料無料とさせて頂きます。
代引き手数料も金額に関係なく一律324円となっております。

2018年もあと僅かです・・・今年は私にとって本当に激動の一年でした。
多数の方に本当にお世話になりました。来年度も変わらぬご愛好どうぞよろしくお願い致します。

皆様 良いお年を!

 

予備プラグケースについて想う。

 

皆さんもご存じかと思いますが、カワサキトリプルS1~H2まですべてのシリーズに、シート下に「予備プラグケース」なるものが装備されています。

最近の若いバイク乗りの方なら、この予備プラグケースを見て、逆に新鮮に感じるらしいのですが(汗)
それだけプラグが良く被る事をメーカーも認めていた証拠で、本当はいいものではありません・・・

 

 

このトリプルシリーズ、エンジンの始動に少しコツがいります。
左スイッチ下部に装着されたチョークレバーを押しながらキックするんですが、その微妙なチョークの引き加減(押し加減)を間違うとプラグが被って、死ぬ程キックを蹴ってもエンジンは二度とかかってくれません。
だからメーカーさんは予備のプラグBOXをご親切に「標準装備」してくれたのかもしれません。

私も長いKH生活の中で、何度か、友人が「一回KH乗らして!」って言われた時、あえて始動のコツは伝えず、まともにエンジンがかからないのを心の中で笑っていた事もありました。
「慣れ」とは恐ろしいもので、コツさえつかめばキック一発でエンジンを掛けれるようになり、それは何か特別な優越感に浸り、トリプル乗りとして一人前になった気になったもんです。

か、しかし、その「被り」について少し見方を変えてみると、おもしろい事に気づきます。

 

 

これは、オリジナルの分離給油で始動直後に取り外したプラグです。
やはりチョークレバーにより、混合気が濃すぎて被っています。

 

 

これは同じ車両で、オイルポンプを取り外し、混合にして始動した直後のプラグです。
同じ車両なので圧縮等、条件は同じですので、プラグが違うとはいえ一目瞭然です。
あれほど調子悪かった展示車のKH250ですが、50:1の混合仕様にする事で見違えるように元気になりました。

実際、私のKH400もキャブがPWKに変わっているとはいえ、ここ何年も混合にしてから一度もプラグなんて外した事がありません。
だから予備プラグケースなんてのは必要ない位いです。

今まで、チョークレバーの引き方が悪いと思い込んでいた冷間時のエンジン始動ですが、ただ単にチョークの引き過ぎだけではなく、始動時の混合比にも問題があったようです。
ただでさえノーマルは20:1という当時の濃すぎる混合比で、オイルポンプのアイドル時の吐出量にも問題があったのかもしれません。

 

 

また、混合仕様にすると始動時にプラグが被り難くくなりますし、2サイクルの宿命であるエキマニから未燃焼オイルがタレるというのも、全くなくなるという訳にはいきませんが、劇的に少なくできます。

当店の混合専用オイルを使って頂いた神奈川県のRgarage様と高知県のKH乗りさんのブログです。
どちらも調子が良くなったみたいで本当に嬉しく思います。

 

Rgarage 様ブログ
高知のKH乗りさんブログ

 

 

 

現状把握という事。500SS点検

最近、当店に「一度、自分のバイクの状態を見て欲しい・・・」という依頼を多く頂きます。

この500SSも何年も前に現オーナー様のご友人が購入し、その後放置状態だった車両を購入した為、
一度当店で点検して欲しいとのご依頼でした。

 

 

遠路、四国は香川からご来店頂きました。
早速、基本点検から始めるんですが、その前に、自分の単車が何モデルなのかを知っている方が少ないので、フレーム番号からモデルを検索します。

 

 

H1F-330**ですので、H1E以降エンジンが振動対策でラバーマウント化されたマッハモデル最終型H1-Fですね。
よくKA以降のH1はキバが削がれたとか言う方もいらっしゃいますが、確かに車体ディメジョンの変更やエンジンの小変更で加速感こそ少なくなりましたが、「マッハⅢ」の名は伊達じゃない、キチンと整備されたH1は後期だろうと2ストらしい官能的な吹け上がりを堪能できます。
それにあの不快以外何物でもない振動をうまく軽減してくれていますので、KH400と共に、私はH1後期は大好きです。
しかし、私もH1ーFは所有していますが、見た目は絶対H2やエグリの方がカッコええですよね(笑)

 

 

エンジンもフレ番とほぼ適合のKAE-1030**ですので、ほぼ載せ替えは無しかな?
よくヤフオク等で「載せ替えなし!」と明言されていらっしゃる方を見受けますが、カワサキモータースジャパン(以下KMJ)でも、正式にフレームとエンジンの組み合わせの記録はないそうなので、断言は不可能なんです・・・

 

 

生い立ちが解ったら、本題の点検に入ります。
まずは、個体のコンディションを知る上で絶対に欠かせない圧縮圧力の測定です。
原動機を見る上で「よい圧縮」「よい点火」「よい混合気」は旧車に限らず現行車だって全く同じです。

たまに圧縮比と勘違いされている方がいらっしゃいますが、測定するのはあくまで実際の圧力なんです。
コンプレッションゲージをプラグホールに装着し、アクセル全開でフルキック!!
何回かのキックでメーターが一番振った数値を読みます。
おおむね、各気筒10㎏以上あり、極端な気筒差が無ければOKです。
幸い、この車両も三気筒共、10㎏以上振ってくれたので、「よい圧縮」は合格です。
当店の簡易点検でも一番の要がやはりこの圧縮測定に尽きます・・・
いくらキャブセッティングや点火を強化しようが、圧縮が無い事にはどうしょうもないからなんです。
圧縮のないエンジンの調整程、無駄な物はありませんから。

 

 

続いては「良い点火」ですが、H1系はH1-Bのみを除いて、無接点CDIを採用しているので、
あの煩わしいポイント調整から解放されます。ただし、CDIとうのはいわゆるブラックBOXですので、ポイントの様な、だんだん調子が悪くなる事などなく、いきなり死ぬ事が・・・
0か100ですので、そうゆう意味ではポイント点火は複雑な電装品は必要ないので、悩む所です。
ただ、このH1-FのCDIシステムは初期のKAに比べ、比較的信頼性は高いですね。

そして「よい混合気」ですが、最初から一番気になっていたのがこのパワーフィルターってヤツ。
H1に限らず、トリプルはノーマルのエアークリーナーBOXを取っ払っている車両を多く見受けます。
ハッキリ言います!パワーフィルターなんてストリートでは百害あって一利なしです!
このエアクリBOX様のおかげで、寒暖の差や、ひいては湿度までうまくコレがカバーしてくれているんですよね・・・
確かに、レースなどの一定の限られた状況なら、絶対吸入量が多いので有利なんでしょうが、ストリート使用では、雨も降るし、春や秋なら昼と夜の温度差は相当です。だからどんな状況でも常に「良い混合気」を供給するの為、エアークリーナボックスの装着を強くお勧め致しました。

しかし、かくいう私も16歳当時、先輩のヨツワに装着されたあの三種の神器の一つ「ソレックス」の吸気音に強烈に憧れ、エアクリを取っ払うとあのソレックスの音に似たような音になるKHの吸気音に酔いしれた挙句、エンジンを焼き付かせるという醜態を身を持って経験しています。
やはり、帰国子女のマッハにもエアクリが無い個体が多いのは、あの吸気音の誘惑には勝てないアホなマッハ乗りってのは万国共通なのですね(笑)

その2へ続く。

KH用PWKキャブレター発売延期のお詫び。

 

近日発売予定だったKH400用PWK28キャブキットなんですが、当初12月頭には発売できると思っていましたが、肝心のキャブ本体の納期が未定と言われてしまいました・・・

 

 

キャブなんて、納期は1週間もあれば十分だろうと勝手に思い込んでいたのですが(汗)、なるほど一個や二個なら即納なんでしょうが、トリプルだけに一台につき3個も必要です・・・それが10台分とかになると・・・
フューエルインジェクションが全盛の昨今、今更キャブを作っても売り上げはほんの数パーセントにしかならないキャブ・・・しかもメジャーなCRやFCRに比べ、圧倒的に需要の少ない2スト用・・・いや、よくよく考えると、まだ造ってくれるだけマシと思わないけなかったのかもしれません・・・
こんな事ならもっと早く発注すればよかっただけの話なんですが、そこは何分初めての事、やはりこんな事もあるのがオリジナルパーツなのかもしれません・・・

 

 

すでにインマニやインシュレーターなどは、初期ロット分の量産は完了しているだけに、まさかキャブ本体でつまずくなんて思ってもいませんでした(涙)
ブログを見て頂いた沢山の方が「パワーは上がりますか?」「セッティングは難しいですか?」「発売はいつ頃ですか?」「価格はいくら位でしょうか?」等々、多数のお問合せを本当に嬉しく思うと共に、やはりそれだけノーマルキャブに悩まされているトリプル乗りの方がいらっしゃるかと思うと、発売できないジレンマと、自身の段取りの悪さが悔やまれます・・・

 

 

ただ、量産マニの方は、試作を本当に何度もメイク&トライを行ったお陰で、十分納得のいく物となっております。
キャブとの接続はゴム製のインシュレーターを介し、ノーマルキャブの鬼門だったエンジン本体の熱を遮断します。
またインシュとマニの接続はマニの段付き溝にインシュのゴムの出っ張りが嵌まり込み、気密性と一体性を担保しています。

 

 

またマニとシリンダーの接続にも気を使っています。
極力、シリンダーの吸気ポートとマニに段差ができないように刃物を入れ、面取りを行い吸気がスムーズになるように心がけています。

 

 

多数の方に先行予約を頂いており、本当に申し訳なく思っております。
初回ロットは、キャブがすぐに用意できるという前提でしたので、10台分しか用意していません、それもすでに先行予約分でほとんどなくなってしまいそうです。
こんな調子では次回ロットの入荷がいつになるのか心配です・・・

価格については、ボルトオンPWK28キャブキット 118000円(税込み127440円)を予定しております。
尚、パワーフィルターやファンネルキットもオプションにて発売予定です。
詳細はキャブが入荷でき次第発表させて頂く予定です。

最後に、あまりの納期遅れに鑑み、世間では安くて高性能?と噂のPWKキャブのコピー品、台湾製の●K●キャブを使うという選択肢も考えてはみました・・・しかし、いくら納期はかかったとしても、どうしても本当にいい物しか使いたくないんです・・・
ケイヒンのデベロッパー様より年内どころか、1月中もどうか・・・と言われてしまいました。
期待して頂いている方、特に先行予約を頂いているお客様には本当に申し訳ありませんが、どうかご理解頂けますよう心よりお願い申し上げます。

 

KH250ダブルディスク化について

KH250のダブルディスク化の依頼がありました。
元々、KHシリーズには750ccもあるH2の様なWディスクのオプション設定はありません。

 

 

純正キャリパーでダブルディスクにするには左フォークアウターにフェンダーブラケットを溶接するんですが、溶接を上手くしないと熱でボトムケースが歪みフォークの動きが悪くなってしまいます。
過去の経験から、ほとんどの加工アウターチューブは溶接時の熱歪みによりインナーチューブがスムーズに動かなくなります。少し前は他のショップ様が削り出しでアウターチューブを販売していた事もありましたが現在では入手困難です。だから安全上の観点からもこの依頼はお断りするつもりでした・・・
だけど「ノーマルのブレーキは恐ろしい程効かなくて怖い・・・」と言うオーナー様の言葉が突き刺さります・・・

プライベーターからプロに転向し、やはり責任と法規に縛られ「本当の安全」について逆に考えさせられます・・・
ブレーキを強化する事により、本当に沢山の命が守られていたとしてもそれは「当たり前」でありますが、万分の1でも製造上や取付けに不具合があればすべてコチラ側の責任になります・・・
プロである以上、万分の1もあってはならないのは理解できます、ただそれ故、パーツを簡単かつリーズナブルに販売する事は困難になってしまいました・・・
しかし、ノーマルブレーキの「安全性」については、25年以上も怖い思いに悩まされ続けた私が一番知っているつもりです・・・
だからあくまで「自己責任」を承諾して頂き、分解整備に該当しない軽二輪と言う事もあり作業を承諾しました。

 

 

やはりこのフォークも例に漏れず、スプリングを外しフルボトムさせるとインナーチューブが戻ってきません・・・

この画像はその持ち込んだ加工アウターチューブをバラした内部です。溶接の歪みによりインナーチューブがスムーズに動かない為、内部が削れてガリガリ状態です。
現行車のようなスライドメタルを持たない旧車はアウターとインナーのクリアランスが命です。
ゴム砥石とペーパーで傷を修正しますが、ほとんど気休めです・・・
なんとか渋いながらも動くように入念に仕上げ、高レートのスプリング反力を期待して、当店強化フロントスプリングにも一役担ってもらいます。

 

 

 

また、ヤフオク等でダブルディスク化と謳っている物のほとんどはポン付け不可能です・・・
単純にシングルと比較しても、まずマスターシリンダーの容量が足りません・・・シングル用の1/2サイズをそのまま使うとブレーキレバータッチはフニャフニャになって制動どころではありません。

 

 

 

また3WAYジョイントからブレーキスイッチの信号を取っているこの時代のカワサキ車には、Wディスク用の4WAYジョイントも必要です。右側のダストカバーやブレーキパイプ&ホース、それにキャリパーブラケットもそのままではディスクに干渉してしまいます。
これらの部品代と作業にかかるコストは下手すると格安中古車が買えてしまうほどの金額です・・・

 

 

画像のクロモリボルトはディスクアライメント用に仮止めしている物です、強度的にはこのクロモリボルトが最適ですが、最終的には強度区分10.9のスチールボルトでロックワッシャーを介して固定します。右側にもディスクボルトロックワッシャーを忘れず装着して頂きたいですね。
また、この持ち込まれたキットに付属していたキャリパー固定用ボルトは「ステンキャップボルト」でした。
ステンレスは錆なくていいのですが、脆く折れやすい一面もあります。まずこの太さで折れる事はないでしょうが、当店では見た目と強度を兼ね備えたSCM鋼にスズメッキを施したキャップボルトを使用し万全を期します。

 

 

これほどの手間とコストをかけても効きは「シングルよりは効く・・・」程度なんです。
それにダブルのディスク板の重量により、フロント廻りがかなり重くなってしまいます。バネ下重量ってのは操安性はもとより動力性能にも大きく作用します・・・

ルックスに重点を置くと、純正然としたダブルディスクに尽きます・・・
見た目がカッコイイのは私も認めます。が、安易に加工アウターチューブを使うのにはやはり問題がある事を知って頂きたいのです。
今回も思っていたより大変な作業でしたが、試乗を終えたオーナー様の顔で、苦労も報われました。

 

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