マッハ KHトリプルシリーズ シリンダーフィン再生
マッハシリーズをバラしたことのある方なら解ると思いますが、
固着したシリンダーをケースから抜こうとしても、なかなか抜けてくれません。
抜けないと、どうしても叩きたくなるのが人情ですが、ここはグッとこらえて絶対叩いてはいけません!
なぜなら、トリプルシリーズのシリンダーはいとも簡単に割れてくれます(涙)
もし、貴方がふいにシリンダーを割ってしまったとしても、「破片」は必ず保管しておいて下さい。
何故なら、「TIG溶接」という神業で、復元できるかもしれないからなんです。
TIG 溶接(アルゴン溶接)といっても、オートバイの場合、熱歪みを考慮しながら行わないといけなかったり、棒の素材や電流など、熟練を要します。
そして、割れた破片があれば、なお修復が容易になります。最悪、全く破片がなくとも、「肉盛り」にて形成もできますが、やはりコストがかさみます。
性能的には問題ないとしても、空冷エンジンのフィン欠けは見てていい物ではありません。
それなりのコストと時間はかかりますが、このように、ほとんど修復した跡が解らない位に修復も可能ですので、
くれぐれも、破片を捨てず、残しておいて下さいね。
コレは、破片をなくしたお客様の修正の様子です。
まずは、割れた部分を溶接し易いようにカットし、同じような素材のアルミ片を同じ角度にカットし合わせます。
そして、点付けをして位置決めををします。
その後、歪ませない様に細心の注意を払いながら本付けします。
いかに熱を逃がすかも大切ですね。
ス穴が出ない様に電流を調節し、この後、入念にリューターで研磨して形成していきます。
組み込んでしまえば、修正したかどうかは、全くと言っていいほど解らなくなりました。
やはり割れのないシリンダーはええもんですね。