兵庫県加古川市のガレージ トライシクルのブログです Tag Archive | KH250修理

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旧車だから・・・

「ナニの角度・・・」

歳を取るとナニの角度が気になります・・・
前立腺の調子が悪いとナニの角度も・・・(涙)
同級生との会話も、若い頃は「お前、マフラー何パイ?」とか「カム何度」とかゆうてた数値の会話が、
「血圧は何度?」とか「血糖値いくつ?」と言う数値にすっかり変わってしまった今日この頃ですが、
皆さん、自分のナニの「倒れ角」について考えた事ってありますか?
ナニの角度といってもナニの話ではなく、愛車の「倒れ角」の事です(笑)

私の場合、永く同じ単車に乗っている事もあり、ナニと一緒で、昔に比べなんとなく倒れ角?がキツくなった気が・・・

 

 

最近、何故か「単車が小さくなった」と感じる今日この頃ですが、車体の倒れ角が昔に比べ、確実にキツくなっています。
KHを買った16歳当時、レーサーレプリカブームの真っ只中にあって、すでに旧車となっていたKHの「傾き」は、なんとなくカッコイイとさえ感じていましたし(笑)レプリカが立っているだけなんやと、ホン最近まで思い込んでいたんです(マジで)。

でも、よくよく考えるとそんな訳はありません・・・
平らな所ならいいのですが、チョッとでも傾斜がある所に駐車しようとすると、グラッといきかねません・・・
真剣にロングタイプのサイドスタンドを造ろうかと考えていた矢先、まさかと思いスタンドを外してビックリ!

 

 

こらアカンがな・・・

開いた口が塞がらない・・・イヤイヤ開いた口が広がってしまってるなんて小話にもなりません・・・
もちろんスタンドの長さがどうとか言う以前の問題です(涙)
ナント「年々大きくなるオーナー」の質量に耐え切れず、金属が疲労を起こしてしまったようです。
しかし、いくら40年以上経つとはいえ、そんなヤワな素材?にも問題がありますが、先ずは長年のストレスをプレスを使って矯正していきます。

 

 

戻しすぎるとスタンドの動きが渋くなってしまうので、フレームと同じ厚さのプレートを治具代わりにし、慎重に修正します。
ガタが大きく、車体が大きく傾いていただけやったんですネ・・・

 

 

比べる為、同じ場所で再度修正前の画像を置くと、

 

 

差が解り易い様に、どちらの画像も床の模様が水平になるように撮影しました。
改めて比べて見ると傾きの差は歴然です・・・
まるで10代の頃のような勃ちっぷりに、思わず「女房ゴキゲンでね~」って関西限定CMの1コマが思い浮かびました(笑)

「旧車だから・・・と思い込んでいませんか?」

正直、何度もブログで発してきた言葉が自分に突き刺さります(汗)
お恥ずかしい話、この件については、私も本気で「こんなもんや!」と思い込んでいました・・・
実際、僅かな傾きの差なんですが、長い間、駐車時に結構気を使っていたのがアホみたいに安定感がまるで違います!

皆様も今一度、大切な愛車を「グラッ」とさせる前に点検してみてはいかがでしょうか?

当店オリジナルKH250 400用 クロームメッキスポークを組む。その2

KH250 400用 当店オリジナルクロームメッキスポーク組み換え作業です。

ブラストを終え、磨いたハブにインナー側からスポークを組み込んでいきます。
人によって組み方はそれぞれですが、随分昔に高校生の頃、西明石の川重の下請け工場でアルバイトをしていた時、
パートのオバちゃんが、テキパキとスポークをハブに組んで、振れ取りまでやっていたのが印象的でした。
当店は私が開業するまで、この辺りでは老舗の自転車屋さんでした。
店舗のオーナーは昔からの旧車仲間でしたので、私にミッチリと振れ取りを叩きこんでくれました。
最近ではスポーク車両はオフ車位しかないので、振れ取りができる単車屋さんも激減しています・・・

スポークの先端でリムにキズを入れない様に注意しながらリムと合体していきます。
この段階になると、なんとなく「車輪」ぽくなってきます。

これはリアなので、アウターとインナーを交互に組んでいきます。
リアはスポークが短く、倒れ角もキツイので、入念に養生して組み込みます。
特に高価なエキセルHリムは光沢アルマイトが掛かっているので鉄リムの数倍気を使います。

組みあがったフロントホイール。
当時物より防水、防汚性能が格段に良くなる無給油シールベアリングを組み込み、振れ取りへ。

磨き上げたハブと新品リムと当店オリジナルのクロームメッキスポークが眩しいですね(笑)
足元が美しいと、全体がしまって見えグレードアップした気分になれます。

当店オリジナルKH250 400用 クロームメッキスポークを組む。

当店で販売しているクロームメッキスポークのサンプルを作る為、
ハブのブラストとスポーク組の様子をUPします。

先ず、ある意味一番大変なハブのブラストと磨き作業です。
何十年も外す事すらなかったハブはこの通りです。

 

ベアリングを取り外し、一度アルミナで粗削りした後、再度ガラスビーズでブラストするとこの通り。
見違えるようにキレイになりましたが、これ位ならさほど苦になりません・・・

 

 

ここまでの作業はおおむね機械化されていますのでそれ程の手間ではありませんが、
ここからの作業は時間と神経をすり減らす「手仕上げ」となります。
根気のいる作業に心が折れそうになります・・・
そんな時、夏休みで暇をもて余していた強力な助っ人達?が現れました(汗)

 

 

結局、余計に気を使って大変でしたが(笑)こんな寡黙でつまらない作業でも、みんなで楽しくガヤガヤやると心が折れずに済みます。
鏡面仕上げとまではいかなくとも、「粗仕上げ」位にはなったかな?

 

 

この後、顔が映る位になるまでバフを使って磨き込みます。

 

 

マッハ KHトリプルシリーズ シリンダーフィン再生

マッハシリーズをバラしたことのある方なら解ると思いますが、
固着したシリンダーをケースから抜こうとしても、なかなか抜けてくれません。
抜けないと、どうしても叩きたくなるのが人情ですが、ここはグッとこらえて絶対叩いてはいけません!
なぜなら、トリプルシリーズのシリンダーはいとも簡単に割れてくれます(涙)

もし、貴方がふいにシリンダーを割ってしまったとしても、「破片」は必ず保管しておいて下さい。
何故なら、「TIG溶接」という神業で、復元できるかもしれないからなんです。
TIG 溶接(アルゴン溶接)といっても、オートバイの場合、熱歪みを考慮しながら行わないといけなかったり、棒の素材や電流など、熟練を要します。
そして、割れた破片があれば、なお修復が容易になります。最悪、全く破片がなくとも、「肉盛り」にて形成もできますが、やはりコストがかさみます。

性能的には問題ないとしても、空冷エンジンのフィン欠けは見てていい物ではありません。
それなりのコストと時間はかかりますが、このように、ほとんど修復した跡が解らない位に修復も可能ですので、
くれぐれも、破片を捨てず、残しておいて下さいね。

 

コレは、破片をなくしたお客様の修正の様子です。
まずは、割れた部分を溶接し易いようにカットし、同じような素材のアルミ片を同じ角度にカットし合わせます。

 

そして、点付けをして位置決めををします。

その後、歪ませない様に細心の注意を払いながら本付けします。
いかに熱を逃がすかも大切ですね。

ス穴が出ない様に電流を調節し、この後、入念にリューターで研磨して形成していきます。

組み込んでしまえば、修正したかどうかは、全くと言っていいほど解らなくなりました。
やはり割れのないシリンダーはええもんですね。

KHのスイングアーム

KHのスイングアームは画像のように、旧式の砲金ブッシュで支持されています。
動きがいい訳がありません・・・

Z系でも初期のRSはブッシング支持ですが、A4かD1辺りからニードルベアリング支持に改良されています。
もちろん今頃のオートバイは、ほぼニードルベアリングで支持されています。
要はシャフトを「面」で支えるか「線」で支えるかの違いなのですが、今更ここだけベアリング化したからといって、劇的に路面追従性が上がる訳ではないでしょうが、ビ〇ーパンツよろしく「下着のオシャレ」感覚で造ってみたら、自分でもビックリするほど旋回性能が上がっているじゃ~あ~りませんか。
おそらく、一緒に交換したリアサスのおかげかもしれませんが、明らかに「サスが動く」んです!

「当時物」に拘った、こてこてカスタムも嫌いじゃない私ですが、「見えないオシャレ」も楽しいですよ。

ギア試作品

 

「無いなら造る!」
と豪語したものの、いざホンマに作るとなると大変です・・・

まず、図面を引かないと、現物を持って行って「コレ造って!」ってな訳にはいきません・・・
原始人の私は学生時代に「ドリフター」なるもので製図の授業をイヤイヤ受けた位で、図面など描ける訳ありません。
ましてや、今やCAD??とかいう物でないとNC旋盤やMCで制作する事もできません(涙)
でも、持つべき物はお金・・・いえいえ友達です(笑)
友達が三次元測定機??やらCADで図面を引いてくれました。
図面さえできれば、今やそこらへんの鉄工所でもNC旋盤の無い所を探す方が難しいくらいなので、楽勝や!とタカを括っていました。
ところが!何件聞いても「ブローチがないねんな・・・」
と言う共通のお断りのお返事(涙)

「ブローチってなんやねん!!??」

聞けば、真ん中のスプラインを切る刃物だそうで、コイツを買おう物なら、目ん玉が飛び出す程の額なんだそうです・・・
ただでさえ、量産ではなく一点物の試作品扱いなので、コストが・・・Z系みたく、「いくら掛かってもやってくれ!」っていう太っ腹なお客様など、ミドルクラスでは皆無、ましてや中古エンジンにごっそり乗せ換えがほとんどのKHユーザーに一個数数万円などまず無理です・・・

でも、「どうしても新品のギアで乗ってみたい・・・」
もうそれしか頼るところがありません。
誰も買ってくれんでも、試作品くらいはと言う気持ちと
いつか量産する時が来たら、実走テストもせんとアカンし・・・
自分に無理矢理納得する理由を付け、ワイヤーカッターでスプラインを切り、コスト度外視で試作品として制作する事に。

あとの熱処理をどうするかとか、ホンマに試行錯誤しながら、なんとか試作品が完成しました。

 

 

WPC処理から帰ってきたギアをみてウットリ・・・
ハッと我に返り、変態もついにここまでの領域にきたなと(笑)

早速、私のKHにて実走行テストをしていますが、
まるで現行車のような安心感!思わず目頭が熱くなりました。

KH250 400のギア抜けについて

マッハに限らず、750から250まで全てのトリプルシリーズに言える事ですが、マッハらしい走りをすれば、必ずといっていい程ミッションがダメになります・・・
なんせ一番よく使うセカンドがダメになり、コーナーの出口などでパワーをかけると、いきなりエンジンが「ウォ~ン」となり、恐ろしやら、恥ずかしいやら(涙)
シフトミスによるオーバーレブは、ヘタをすると一番最悪な「焼き付き」と言う致命傷を引き起こす可能性が大です・・・
その原因として、クラッチの切れ不良、シフタードラムの摩耗、シフトシャフトの摩耗、リターンスプリングのへたり、シフトフォークの焼け&摩耗当等色々ありますが、やはり一番の原因はドッグの摩耗による嚙み合わせ不良です。

一番目の画像は、私が30年前、究極の負のスパイラルに陥り、挙句の果てには、シフトペダルを左足で常に保持しておかないと走れなくなってしまった時の(笑)摩耗しきったギアです。

シフターフォークの送り量の問題もありますが、パワーがミッションギアに掛かると噛み合わさったギアの部分(ドッグ部)に戻そうそうとする反力が掛かります。

正常な嚙み合わせ状態のドッグなら、問題ないのですが、摩耗により先が丸くなると、余計に抜け易くなり、負のスパイラルに陥ります。中にはドッグをアンダーカットして、逆テーパを付け抜け対策をされている強者もいらっしゃいますが本来、歯車というのは、外側が硬く、中は粘っこくなるよう熱処理されているので、アンダーカットすると、後処理に問題が残ります。

次回へ続く。

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