予備プラグケースについて想う。
皆さんもご存じかと思いますが、カワサキトリプルS1~H2まですべてのシリーズに、シート下に「予備プラグケース」なるものが装備されています。
最近の若いバイク乗りの方なら、この予備プラグケースを見て、逆に新鮮に感じるらしいのですが(汗)
それだけプラグが良く被る事をメーカーも認めていた証拠で、本当はいいものではありません・・・
このトリプルシリーズ、エンジンの始動に少しコツがいります。
左スイッチ下部に装着されたチョークレバーを押しながらキックするんですが、その微妙なチョークの引き加減(押し加減)を間違うとプラグが被って、死ぬ程キックを蹴ってもエンジンは二度とかかってくれません。
だからメーカーさんは予備のプラグBOXをご親切に「標準装備」してくれたのかもしれません。
私も長いKH生活の中で、何度か、友人が「一回KH乗らして!」って言われた時、あえて始動のコツは伝えず、まともにエンジンがかからないのを心の中で笑っていた事もありました。
「慣れ」とは恐ろしいもので、コツさえつかめばキック一発でエンジンを掛けれるようになり、それは何か特別な優越感に浸り、トリプル乗りとして一人前になった気になったもんです。
か、しかし、その「被り」について少し見方を変えてみると、おもしろい事に気づきます。
これは、オリジナルの分離給油で始動直後に取り外したプラグです。
やはりチョークレバーにより、混合気が濃すぎて被っています。
これは同じ車両で、オイルポンプを取り外し、混合にして始動した直後のプラグです。
同じ車両なので圧縮等、条件は同じですので、プラグが違うとはいえ一目瞭然です。
あれほど調子悪かった展示車のKH250ですが、50:1の混合仕様にする事で見違えるように元気になりました。
実際、私のKH400もキャブがPWKに変わっているとはいえ、ここ何年も混合にしてから一度もプラグなんて外した事がありません。
だから予備プラグケースなんてのは必要ない位いです。
今まで、チョークレバーの引き方が悪いと思い込んでいた冷間時のエンジン始動ですが、ただ単にチョークの引き過ぎだけではなく、始動時の混合比にも問題があったようです。
ただでさえノーマルは20:1という当時の濃すぎる混合比で、オイルポンプのアイドル時の吐出量にも問題があったのかもしれません。
また、混合仕様にすると始動時にプラグが被り難くくなりますし、2サイクルの宿命であるエキマニから未燃焼オイルがタレるというのも、全くなくなるという訳にはいきませんが、劇的に少なくできます。
当店の混合専用オイルを使って頂いた神奈川県のRgarage様と高知県のKH乗りさんのブログです。
どちらも調子が良くなったみたいで本当に嬉しく思います。