KH用 強化フロントスプリング 試作品
KH250 400用 強化フロントスプリングの試作品が工場から届きました。
以前の試作品は固すぎてしっくりきませんでしたので、今回のバージョンはレートを少し落とし、素材も変更してみました。
レートもそうでなんですが、「いいものを造りたい」という思いから、コストを度外視して材質も変更してみました。
以前のバージョンのSWP-B鋼でも当時ものとは比べ物にならない程、材質は進化していますが、どうせならとヘタリにより強い高級素材SWP-V鋼に変更してみました。
そして制作担当者様にそこまで必要ないのでは?と言われましたが「ショットピーニング」という最終仕上げ処理も今回追加しました。
今回も、坊ヤン専門車のKHに強化スプリングなんて造っても「棚の肥やしにしかならない」って事も十分承知しています・・・だからもう半分ヤケクソなんかもしれません(涙)
もともとKHのノーマルフロントブレーキは死ぬほど効かないので、純正キャリパーなら、強化スプリングなんていらないかもしれません・・・
でもキャリパーを高性能な物に交換すると、恐ろしい程のノーズダイブに驚きます・・・フルブレーキングなど掛けようものなら、フルボトムしてしまいそうです。
ただ、なんでも強化すりゃええちゅうもんでもありません。
もともと34Φと、ちょっと昔の原付くらいの華奢なフォークに、強力な制動力のキャリパーと「逃げ」のないスプリングでは、下手するとフォークが曲がりかねません・・・ダンパーとも相性もしかり。
それに何より私はレースとかに使う訳ではなく、あくまでストリートを気持ちよく走りたいだけなんです・・・
もともと、ブレーキシステムを発売したのも現在の道路事情にあって「気持ちよく安心してストリートを走りたい」という事から始まったんです。
上がKH純正品、下が今回の試作スプリングです。明らかに巻き数も太さも変わっています。
純正には結構長いスペーサーが入っているので、スペーサーを取っ払ったバージョンも以前試作しましたが、納得いく物にはなりませんでした・・・
今回、まだ実車に装着する勇気が湧きません・・・またアカンかったら・・・ワシだけがええと思っとるだけちゃうのやろか・・・売れんやろな・・・
色んな事が頭をよぎります。
次回のブログで、量産決定!とご報告できれば良いのですが・・・
でもここまできたら、納得いくまでメイク&トライしてみます。だって自分が欲しいパーツなんですから。
トリプル全車共通 強化キックスプリング
カワサキトリプルシリーズ全車種共通SWP-B鋼 強化キックリターンスプリング。
かねてから純正部品が欠品状態だったトリプル全車種共通のキックリターンスプリング純正部品番号92081-021相当を再制作いたしました。
前回製作したロット分は俗に言うピアノ線、SWP-A鋼にて製作していましたが、より負担の大きいH2などへの使用も考慮し、今回のロット分から、ヘタリにより強いSWP-B鋼にて製作しております。
恐らく何十年も使い込まれた純正スプリングから交換すればSWP-A鋼でも十分ですが、そうコストに差がでないようにメーカー様にも御協力頂きました。さらにフォークスプリングに採用予定のSWP-V鋼も考えましたが、2~3mm以下の線形のスプリングなら、せん断応力においてもSWP-B鋼の方が適切なようです。
10年程前、ほとんど自分のKHの為に生産したリターンスプリング、KHなどのミドルだけでなく、H1やH2マッハも共通部品だった為、速攻で完売御礼!その後、長らく欠品状態だった当店のリターンスプリングですが、すでに他のショップ様やヤフオク出品者様が同じようなリターンスプリングを製作してくれている為、再生産をためらいました・・・
しかし「腰下」という心臓部に奢る部品なので、バネ乗数や線形を変更せず、純正に忠実かつ、ヘタリ難い強化品をどうしても作ってみたかったんです・・・
純正よりバネ乗数を上げた強化品も考えましたが、現在のスプリング用の素材は、当時より格段に良くなっていますし、私のKHで10年間実際のテストを行っており、SWP-A鋼でも十分な耐久力を証明できているので、ほとんど自己満足の領域かもしれません(笑)
もちろん、今回の製品も某大手メーカー様に納入実績のある国内工場にて企画、生産しておりますので、安心して愛車の心臓部にご使用頂けます。
マッハ全車共通 SWP-B鋼 強化キックリターンスプリング 税込み価格 5180円(税抜き4800円)
KH400 250用 強化フォークスプリング
単車乗りにとって最高な季節がやってきました。
GWも終盤になりましたが皆様如何お過ごしでしょうか?
当店も家族サービスの為、勝手ながら5,6日はお休みさせて頂きます。
ブレーキを換えるまで、ワインディングロードなんて無縁だったKHですが、ブレーキが効くだけで、コーナーがこんなに楽しい単車だっただなんて改めて驚いています。
ただ、純正の恐ろしい程に効かないブレーキならそう不満はないのですが、ブレーキキットを組み込むと、フロントサスペンションのノーズダイブが激しく、パニックブレーキなど掛けようものならフルボトムしてしまいます。
ノーズダイブが激しいと、せっかくの制動力も逃げてしまいますし、やはりワインディングロードでは、柔らかすぎるスプリングが気になりだします・・・
それ故、強化サスペンションスプリングを製作する事になったんですが、以前、試作品をバネ屋さんで製作するも、
固すぎてシックリいきません・・・再度レートと材質を変更してお願いしていた試作スプリングが、出来上がってきました。
さっそく自分のKHに組み込み、試乗しましたが、今回も「・・・???」です(涙)
KHのスプリングは、最近ではめっきり見る事が少なくなった「等ピッチスプリング」です。
最近の車両はスプリングの巻き方が途中で変わる「不等ピッチスプリング」を採用した車両が殆どです。
不等ピッチにする事で、初期は柔らかく、フルボトム付近では固くなるバリアブルレート、いわゆるプログレッシブな特性にする事ができます。
ただ、等ピッチにもメリットがあり、左右合計のスプリングレートを割って考える事もできるので、初期のレート設定がしやすくなります。
なのに左右のバネ定数を変えたりしても何故かシックリこないんです・・・
純正の無駄に長いスペーサーを取り払い、ロングスプリング仕様も試しましたが、あまり良い結果とはなりません。
ここまできたら、今更ここで妥協する訳にもいきません・・・
スプリングレートは個人の好みで大きく変わりますし、使用する状況でもレートは大きく変わります。
私はKHでレースをする訳ではありません。あくまでワインディングやストリートでの使用を前提とし、そこで気持ちよく走れるようにしたいだけなんです・・・
それ故、ただ固いだけの強化スプリングにはしたくありませんし、長期使用にも耐えられる耐久性も欲しい・・・
再度、担当者様に無理を承知で試作品のお願いを。
スプリングに最適な素材のSWP鋼ですが、そのなかのランクでよりヘタリに強いSWP-Ⅴ鋼にショットピーニングを施して万全を期します。
後は、実際の走行で納得できるかどうかだけです・・・
また試作品にコストが・・・
結局、ここまで拘っても、ミドルクラスでスプリングにまで考えてくれるユーザーが一体どれ位いるんやろ・・・
またしても不良在庫で「棚の肥やし」にしかならんねんやろな・・・って考えながら、
「あっ、それでお願いしま~す!」って軽~く発注してしまう自分が怖い・・・
だって、誰もKHのパーツ作ってくれへんねんもん!(爆)