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スイングアームピボットについて。

KHシリーズのスイングアームピボットですが、シャフトはブッシュによって支持されています。
KHが発売されていた70年代後半から80年代にかけて、バイクの近代化が著しく進みました。
かのZシリーズもD1あたりからスイングアームの支持はベアリング化され、地味な改良ではありますが、 面接触から線接触に変わるので操安性への影響は少なくありません。
コストのあまりかけられないミドルクラスのKHでは最終型までブッシングのままでした(涙)

 

 

ただ、車種によっては現代でもあえてベアリング化はせず、ブッシングのままの車種もあります。
たとえばセローなどのオフ車の一部では、泥噛みなどを考慮し、耐久性重視で現在でもブッシングを採用しています。
ブッシングの車両であっても。きちんと定期的にピボットを清掃&グリスアップしていれば、ベアリング支持の車両に対し、そう遜色あるものではありません。

が、しかしである、長い間、陽の目を見る事のなかったKHシリーズなど、ほとんどの車両が何十年もグリスアップなどのメンテをされず、グリスが砂を呼び、その後何年もかけて硬化し、もはや潤滑どころか逆に抵抗になっている車両が殆どです。

 

 

これでもまだ程度は本当にいい方で、ブッシュが摩耗していたり、割れている車両も多数みうけられます。
外装やカスタムパーツにふんだんにお金をかける方は多くても、このような見えない箇所にきちんとコストをかける方は稀です、イヤ、恐らくこんな状態になっている事すら知らずに「旧車なんて曲がらない・・・」って思い込んでいる方が大半なんでしょうね・・・

 

 

コレなんて完全に割れています・・・ブッシュもガタが大きく、そのまま使うのは危険です。
もちろん気持ちよく新品に交換!と言いたいですが、もちろん?純正部品など出るはずもありません・・・
程度のいい中古を探すとなっても、ほとんどまともな物なんてありません。
となると、やはり造るしかありません。幸いこのブッシュ純正品番33033-009はH1系やZ650ザッパーと共通部品です。
KHのお客様だけで造っても、悲しいかな数は捌けません・・・でもマッハやKZ650Bとかにも使えるならなんとかなるかもと、それでも少量ですが33033-009相当のブッシュを制作してみました。

 

 

S45Cの削り出しです。やはり新品は美しいですね・・・
当初、摺動性を考慮し砲金で製作予定でしたが、ベアリング化を考慮し45Cで製作しました。

 

 

上が今回キット化予定のニードルベアリングとステンレス製のスリーブです。
完全フローティング化とはいきませんが、シャフトがベアリングに直接支持されるので、 下のノーマルブッシュに比べ、摺動抵抗は比較になりません。
ベアリング化する事で現行車との差がどれほど埋まるかは不明ですが、自己満足度は高いはずです(笑)

 

 

現在、自分のKHには5年間ほど前から使用していますが、リアサス交換との相乗効果で、ノーマルとはコーナーでのケツの安定性は比較になりません。近日中に分解して内部の状態を確認する予定です。
純正のダストシールをそのまま使用するので、砂や泥の侵入はどの程度なのか不安ですが、結果がよければこの春に市販化の予定です。

 

 

 

 

 

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