兵庫県加古川市のガレージ トライシクルのブログです Tag Archive | 5MG

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MZ12 ソアラ3000GTリミテッド 復活への道のり

このMZ12が現役選手だった頃、私はトヨペットで整備士をしていました。
エンジンルームの中には懐かしい直6エンジンの6MGーEUが鎮座しています。
現在では考えられない程のバルブの挟み角を持った古典的な2バルブDOHCですが、
このエンジンを見ると、厳しかった丁稚時代を思い出します(涙)
昔の整備士はパワハラなんて当たり前で、よく工具が飛んできたりしたっけ・・・
何も教えてくれないので、見て盗むしかありません、だから覚えた事は忘れないんでしょうね・・・

10年以上、倉庫で眠っていた3000GTリミテッド、やはりバッテリーを繋いだだけでは素直に目覚めてくれません・・・
キレイなストレートシックスの音ではなく、「ブボボッボ・・・」と何本かの気筒が死んだ音が。
圧縮を測ると、幸いにも6気筒すべて12㎏とエンジン本体のコンデションはすこぶるいいようです。
プラグコードかディスキャップの不良かな?と色々考えます。カムハウジングからのオイル漏れが激しく、下回りはベトベト・・・
カムシールを点検しようとしてカバーを外すとフロントカバーからもオイル漏れが・・・
当時はお決まりのオイルプレッシャーSWとディスビOリングからも結構漏れています(涙)
若い頃、5MG系のヘッドガスケット交換などをよくやりましたが、いかんせん20年以上経っています、なにか外す度に「あ~確かこんなんやった!こんなんやった!」と薄れかけた記憶を辿りながらの作業になります(笑)

 

 

結局、プラグ&プラグコード単体で点検するも異常なし、
となると後は燃料系しかありません、どうも5番が死んでいて、5気筒になっているようです。
インジェクターを全て外し単体点検すると、5番のインジェクターの導通が無限大になっています。
インジェクターを交換し、オイル漏れの修理の為、3階建てになったエンジンの2階より上、カムホルダーをばらしていきます。

 

 

この当時では画期的なメタルガスケットなんですが、一度修理したのか、ナント!ガスケットが逆に組まれていました(驚)
そりゃオイルも漏れるハズです・・・
2000ccの1G-Gモデルと違い、ラッシュアジャスターというタペットクリアランスを油圧で自動調整する機構がついているんですがオイルメンテが悪いと、このラッシュアジャスターがイカれる事が多かったですね・・・
端面を入念に脱脂して組み付けます。トヨタマユよろしくハゲハゲになってしまったチリメン塗装を剥がし、再塗装します。オーナー様の意向で、縮緬塗装は致しません。

 

 

う~ん・・・見違える様にキレイになりました!縮緬塗装よりもコッチの方がカッコいいですよね。
スロットル周りを清掃し、ISCVもチェックします。プラグは当時流行った「白金プラグ」が付いていました。
最新のデンソーイリジウムパワーに交換します。サクションパイプを組み付け完成です。
化石のようなフラップ式のエアフロが付いているので、漏れがないように入念に組み付けます。

あれだけグズっていたエンジンもキレイな6発の音色を奏でています・・・シルキーなストレートシックスが蘇りました。そして、心配していたオイル漏れも完全に止まっています。

 

 

と、ここまで順調に行ったと思ったのも束の間、今度は急にデジパネの速度計が動かなくなるではありませんか(涙)当時、よくトリップメーターが動かなくなる症状はありましたが、今回はどうもスピードセンサーのようです。

 

 

ミッション側のパルスセンサーをバラすと、中から腐食しまくったグリスが強烈な異臭を発します!
エズきながらなんとか腐ったグリスを洗い流し、分解、清掃し組み付けます。
流石の私もパルスセンサーの修理は不可能です・・・とうにメーカ製廃部品ですので、あくまで気休めでしかありません・・・
スピード信号はECTやTEMSに影響するのはもちろん、速度が解らないと車検にすら通りません・・・
メーカーさん、こんな重要保安部品位は作って欲しいですね・・・なんせこの手の電子部品はおいそれとリプロできませんから。

それでもなんとか新規車検にも合格し、晴れてナンバープレートも交付されました。久々の4輪の修理でしたが、オーナー様の喜ぶ顔が見れてよかったです。

「三輪車」という名の当店ですが(笑)四輪の旧車の修理でお困りの方も、一度当店へお気軽ご相談下さいませ。

 

元祖ハイソカー?MZ12 ソアラ 3000 GTリミテッド

バブルの少し前、80年台後半から流行りだしたハイソカーブーム、「ハイソサエティーカー」の略語らしいですが昭和56年、当時小学生だった私でさえ鮮明に覚えている初代ソアラ(MZ10)のデビューはそれはもう世間を相当騒がせました。
当時、今では考えられない話ですが、多少ブサイクな男であっても、ソアラに乗ってるだけ女の子にモテるという魔法のような車だったんです。

 

この時代の内装は正に昭和時代の「応接間」
特にこの「サンリッター」モデルの6MG搭載MZ12には、ナント世界初のエレクトロマルチビジョンという、車にテレビがついた事で話題になりましたね。
私は西部警察よろしく大のニッサンファンで、トヨタ車はあまり好きではありませんでしたが、ソアラだけは別格でしたね。

 

 

リアワイパーにBOX型スピーカー、今や死語の世界の「TEMS」のステッカー・・・
当時はVⅠ、VⅡ、VR、VX、エクストラにGTリミテッドまで異常な程、多数のグレードが存在した為、 エンブレムチューンなんて言葉が生まれたのもこの時代からかな?
しかし、本物のEMV装着車は、左右のクウォーターパネルから生える?二本のアンテナで、すぐに解りました。
そして、流行りに流行った「ろぉ」ナンバー、いわゆる字光式ナンバープレートがあったであろう「あんどん」が泣かせます(笑)

 

 

この時代の車のリアガラスには、まだ、「無鉛」のスッテカーが張られていました。
40歳以下の方なら、このステッカーの意味は解らないでしょうね(笑)

 

 

ハジメちゃんよろしく、どこの街の駅前ロータリーでも、必ず見つける事のできた一世を風靡したソアラですが、30年超え選手となり、めっきり姿を見なくなりました・・・
このMZ12 3000GTリミテッドは、一年足らずでMZ20系へとフルモデルチェンジした為、元々生産台数も少なく希少なモデルです。
この希少なソアラはある農家の倉庫で20年余り眠っていた、いわゆる「不動産」ってやつでしたが、
トライシクルで再び日の目を見る為、入念に整備し、新規車検を受け、再びネオンの輝くロータリー・・・やない(笑)公道へと復活させます!

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