「コンゴウノススメ」 その2
当店オリジナル50:1混合専用オイルを実際に使用したお客様より、「オイルを変えただけで体感できるほど加速が良くなった」「プラグがカブらなくなった」「始動性が格段に良くなった」「煙で服が汚れにくくなった」「エキパイ取り付け部からタレるオイルが少なくなった」等々、お喜びの声が多数届いており、本当に嬉しく思います。
ただ、純粋に混合での使用が良い事は解っていても、「めんどくさそう・・・」とか、「純正のオイルポンプの処理はどうすれば??」などの質問も多いですね。
実際、分離給油で使用されていても、大切な愛車を想うあまり、分離給油+混合ガソリンとの併用で使用されている方が多いのも事実です。
しかし、純正のオイルポンプは混合比が、20:1~25:1位になるように設計されているので、併用して使うと、どうしてもオイルの混合比が濃くなりすぎてしまいます・・・純正のオイルポンプは取っ払ってしまうのが一番ですが、どうしてもオイルポンプと併用する場合は、極力オイルポンプ調整ワイヤーで絞りぎみにしたほうが良いようです。
ただし、純正のオイルポンプを付けたまま、分離給油のタンクを空にしての混合使用はお控え下さい。
エンジンオイルでオイルポンプのプランジャーの潤滑も行っています、オイルの空打ちはポンプにとっても良い事がないのです。
また、純正のオイルポンプを取っ払うと、元々オイルポンプがあった所からギアオイルが溢れます。
その為、純正のオイルポンプを外し、オイルが漏れてこなくする為のメクラ蓋をレーザーカッターにて製作しました。
このオイルポンプの台座はいびつな菱形をしていて、レーザーカッターでキレイな菱形に切ると、何となく違和感があります・・・
なかなか納得のいく形にはなりませんでしたが、微妙に左右非対称にする事で、そこそこに治まるようになりました。
その為、カバーには裏表があります。逆に組んでも間にガスケットがあるので、オイル漏れの心配はありませんが、拘った部分なので、正しく組み付けて下さいね(笑)
もちろん、ポンプから出ているデリバリーパイプも不要ですが、外したそのままでは、KHの構造上、クランクケースの密閉ができなくなり、一次圧縮にも影響する為、クランクケースに刺さっているバンジョーとボルトの代わりに入れる、ボルトと銅ワッシャーもセットにしています。また、ぱっと見、純正のバンジョーボルトに見た目が近くなる様、クロームメッキボルト&銅ワッシャー仕様としています。
尚、ボルトオンで混合仕様に変更できるよう、純正のオイルポンプガスケットもセットしました。
一台分 消費税込み6264円(税抜き5800円)です。
混合タンクについて、すでに車載用のブリキタンクはご存知だと思いますが、自宅ガレージなどでも簡単に混合ガスが作れる混合用ポリタンクも発売予定です。この手の混合タンクは、お近くのホームセンターでも手に入りますが、よく市販されているガソリンとオイルを別口から入れ、タンクをひっくり返さない混ぜるタイプに比べ、ひっくり返さず、簡単に混合ガソリンが作れる様になっています。
「鮫ブル」こと610ブル-バード2000GTーX
友人の後輩が凄い車に乗って来店。
ナント!「サメブル」こと610ブルーバードです。
サメブルを真近で見るなんて何年ぶりでしょう・・・
チンスポ&三分割りにスターシャークと、ボク達世代にはたまりません!マニア延髄のロンサムカーボーイのコンポなんて涙物です。
当時はあまり好きになれなかった610も今見ると、本当に理屈抜きでカッコいい!!
ただ、昨今の旧車の高沸には閉口します、購入価格を聞いて、ため息しか出ませんでした・・・
でも悲しいかな、本当に程度のええ車両はマニア間で取り引きされ、中古車屋さんに出回る代物は、購入後に恐ろしい程、費用が掛かる物が多いのも事実です。
でも、Zや箱スカなどに比べ、一時はゴミ扱いされた610ブルが、現在まで生き残ってくれたと考えれば妥当な金額なのかもしれません・・・
クォーターパネルに誇らしげに輝く「GTX」のエンブレムが燻し銀のシブさを醸し出しています・・・
男が男らしかった時代・・・女の子よりもシブい車に乗る先輩に憧れた・・・
ソレックスの生ガスの匂いと永チャンのBGM、そして夜の駅前ロータリー、何処の街でも繰りひろげられた光景。
携帯もポケベルもなかったけど、ロータリーにさえ行けば誰かに会える・・・車を転がしてるだけで死ぬほど楽しかった。本当に古き良きいい時代だったな・・・(涙)
しかしこの当時の車って斜め45度から見ると、なんてセクシーなんやろうね・・・
ソレ、タコ、デュアルの三種の神器で武装されたストレートシックスL型エンジンは、官能的なサウンドを奏でています。
廻りの空気を揺らす鼓動、この独特の雰囲気は、「マフラーだけ」変えた現在のガキ車では絶対に出えへん・・・
私も、KHに30年以上乗っていますが、19歳の時に買ったS30Zも、現在は「不動産」ですが、ガレージに大切に?しまっています・・・
トリプルとL型が三度の飯より大好きなんです・・・
だから、この610、よ~く冷静に観察すると、色々問題が有りそうで放っておけません・・・
旧車は初めての、この610オーナーは「旧車だから・・・」と思い込んでいた様ですが、まだまだ本調子には程遠い様ですね・・・
これからボチボチと当店で、現在の改良された部品などを取り入れながら、本来の性能を取り戻して行きたいと思っています。
オーナー様にも、修理の様子をブログにUPする事を快諾して頂いたので、みなさん、乞うご期待あれ。
新春 KH用ブレーキキット キャンペーンのお知らせ。
新春キャンペーン第一弾
新春とはいえ、まだまだオートバイ乘りにとっては厳しい寒さが続きますが、皆さま如何お過ごしでしょうか?
この寒い間に、キッチリ愛車のメンテナンスをぜひ行ってあげて下さい。
さて、かねてから当店より発売しておりますブレーキキットですが、「安全性が飛躍的に上がるのは十分解っているけど、手持ちが・・・」というお声が多かったので、この機会にぜひ現行車並みの安全性を手に入れて頂きたく、期間、個数限定で、分割金利手数料無料キャンペーンを行います。
尚、キャリパーの在庫と、マシンニング加工の都合上、初回5セットのみ限定、分割回数は12回までとさせて頂きます。
また、割賦利用については、信販会社の審査がございます、場合によってはご利用頂けない場合もありますのでご注意下さいませ。
例) KH用ブレンボラグビーボルトオンブレーキキットを12回払い。
初回9160円 2回目以降8200円X11回(送料別)
また、お求め易くなった、ブレーキホース無しキットも発売致します。
すでに、メッシュホースなどに交換済みのお客様や、安価な社外ホースで組んで頂いても制動力は、ほぼ変わりませんので、この機会にぜひブレンボの制動力を手に入れて下さい!
もちろん、新春ブレーキキットキャンペーンにも対応しておりますので、お気軽にご利用下さいませ。
KH用 ブレンボラグビーキャリパーキット ホース無し 税込み78,840円(税抜き73,000円)
尚、ホースなしキットは、純正のホース&ブレーキパイプのままではご使用頂けません。
現在、社外ホースに変更されている方も、キャリパー側の取り付け部をバンジョータイプに変更し、P1.0のバンジョーボルトとクラッシュワッシャーをご用意下さい。
ヨーロッパ車に純正採用されたブレンボラグビーキャリパー、ダストシールも装備し、鳴きも他の2696キャリパーなどに比べても少ないです。
なにより、パットの選択肢が広がります、流行りのシンタードメタル系のパットに変更すれば、真綿で締め上げたような効き味を手に入れる事だって不可能ではありません。
ブレーキが効くようになれば、比較的バンク角の稼げるミドルトリプルの楽しさが倍増します。
何より、イザという時の安心感は何物にも代え難いですから・・・
400SS トラブルシュート
400SS続き その2
ミドルマッハの400SSの点火装置はKH400などのフラマグCDIとは異なり、バッテリー点火、いわゆるポイント点火とよばれる原動機黎明期からある、最も古典的な点火方式です。
ポイント点火は、調整こそ必要ですが、構成部品は単純ですので、修理は意外と簡単?です。
カワサキトリプルシリーズはこのポイント点火と、無接点CDIの二種類があります。
この頃はCDIシステムの黎明期とあって、下手すると毎年システムが変更されたりした事もありました。
初期型KA500SSは当時では最新鋭のCDIでしたが、車のようにコイルが一個で、ディストリビューターを介して各気筒に二次電流を分配していました。デスビがあるので、ローターとチップでかなりロスが出るし、リーク問題等もあり、H1Bでは古典的なポイント点火に戻ってしまいました。
H1Dになり、またまたCDIになったと思えば、H1EやFでそのCDIシステムが変更になり互換性もありません。
これだけの点火バリエーションがある機種も珍しいのですが、おそらくコストの問題と、輸出モデルにおいて、細かい調整が好まれない北米モデルにはメンテフリーのCDIシステムが採用され、コストも安く、信頼性の高いポイント点火は、主に国内向け車両に採用されたのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、この400SSはポイント点火と言いました。
ポイント点火は煩わしいポイントギャップの調整があるので、世間ではあまり歓迎されていませんが、CDI点火のような点火ユニット、いわゆる「ブラックBOX」がありません。
CDIやフルトラはメンテナンスフリーですが、ブラックボックスがあるので、ユニットがパンクすればもうどうしようもありませんが、ポイント式はエンジンが不調になったとしても、取りあえず走る事が可能です。
今回は、ポイントもコンデンサーも交換されたそうですが、エンジンは不調のままです。
エンジン本体やキャブも点検するも、異常は見受けられませんでした・・・
単純な物ほど奥が深い・・・
この言葉が頭をよぎります。
五感を研ぎ澄まして再度各部を点検します。時には匂いを嗅いたり、手で感触を確かめたりと旧車の修理にはやはり「勘」も必要です。
すると、ポイントの開閉運動に違和感を感じました。なぜかポイントが閉じている時間より、開いている時間の方が長いという、今まで経験したことのない動きをしてます。
ここで、ドエルアングルテスターの登場です。ドエルアングルテスターなんて、もはや修理現場では死語となった計測機器です。
プロの方でも、整備士の講習会とかでしか使ったことの方も多いと思います。平成に入ってからは軽貨物でさえフルトラ化の波が押し寄せ、よほど古い整備工場でしか持っていない化石のような機器かもしれません・・・
ドエル角とはポイントは閉じている角度の事で、ポイント点火車にとっては重要な角度です。
ドエル角とポイントギャップは密接関係なので、詳しい話はここでは割愛し、誤解を恐れずに言えば、ポイントギャップが合っていれば、だいたいのドエルアングルは問題ないはずです。
今回、このSSも、ポイントギャップは入念に合わせたハズなのに、ドエルアングルが基準値になりません・・・
もしかしてポイントカムかも・・・
お客様の当初の問診で、「納車されて少しの間は調子が良かった」の言葉に惑わされたのかもしれません。
上記の画像でも解るように、外からパッと見では、内部まで見えませんし、外観上は異常も見受けられません。しかし、こんなドエル角になるにはポイントカムが「ハート型?」にならないと不可能です。
再度、ポイントヨークをバラし、ポイントカムを外してじっくり観察すると、ビックリ仰天!
画像では解りにくいのですが、ヒールとの摺動面が著しく虫喰い状に偏磨耗しており、あきらかに段差ができてしまっているではありませんか!
これでは、ポイントが正常な動きをする訳がなく、ポイントやコンデンサーを交換しても調子が出なかった理由が合点します。
「コイツやったんや・・・」
不調の原因さえ特定できればコッチのもんです。ただ、悲しいかなこいつも、もちろんメーカー在庫なんてある訳がありません・・・
こうなれば、中古部品を探すしかないのですが、中古を使うと、間違いなく同じ事がおこります。
今回はおそらくポイントカムの潤滑をしているフェルトのメンテナンス不良が原因ですが、
私もまさかベーグライトでできたポイントヒールと、鉄製のポイントカムが喧嘩して、鉄が負けるなんて想像もしていませんでした。
何年も前にポイントカムに「気休め」でWPC加工を施した事を思い出し、倉庫を家捜しする事しばし、カムを見て昔の記憶が蘇りました。何年か前、このWPC加工済みポイントカムを15000円でヤフオクに出品しましたが、高すぎたのか、まったくノーコール(涙)。WPC加工代も決して安くはなかったので、安売りするくらいなら・・・と自身で保管していました。
こんなパーツに高価な加工を施しても、市場では受け入れられない・・・と少しガッカリしていたのですが、やはりこんな部品こそWPC加工の恩恵を受けるんだと今回確信でき、嬉しく思えました。オーナーにもこの事を報告し、WPC加工済みポイントカムへの交換を快諾して頂きました。
キック一発でトリプルは目覚め、キレイな三重奏を奏でています。
旧車には高価絶大の3sqで製作したエンジンアースも追加し、試乗しました。ポイント車らしい、
中低速のトルクが太くて非常に乗り易く、結果として速いマッハになりました。
取りに来て頂いたオーナー様にも試乗して頂き、「怖いくらいの加速だった!」と言う最高の褒め言葉を頂きました。
今回、やはり「ヤフオク」という一見、便利で安そうな購入をされ、結果的に高くついたかもしれません・・・
ミドルマッハはどうしても旧舎会?系のお兄さんなどに人気で「音だけ」と揶揄される事が多いですが、キチンと整備すれば非力と言われるKH400であっても、そこは腐っても2サイクル400cc、遅いハズがありません。
今回、見た目などは、マッタク変わらない本当に地味な依頼内容でしたが、唯一違うのは以前とは比較にならない「信頼性」です。
私も、20年程前、遠方のミーティングなどに参加する時、テールカウルの中は工具で満載はもちろん、下手すると、当時の彼女(現在の嫁さん)に「車でついてきてもらう」という事が当たり前でした(笑)
しかし、よ~く考えて頂きたい、マッハやKHが新車で売られていた当時、テールカウルに工具を満載して、車で後ろについてきてもらわないとツーリングは不可能だったでしょうか?「旧車だから」の一言で、片付けてはいないでしょうか?
フルオリジナルだ、当時物だとかを自慢する輩を否定はしませんが、完全な「整備」を施し、現在のパーツを流用する事で、ロングツーリングはもちろん、通勤にだって使う事は不可能ではありません。
思い入れ、憧れてやっとの思いで購入した旧車だからこそ、最低限、動力性能くらいは「当時物」にしてあげて欲しい・・・
KH250 クロームメッキスポークとHリム装着例
当店オリジナルKH250 400用クロームメッキスポーク エクセルHリム装着例
かねてより要望の多かった、クロームメッキスポークを実際にKH250に組み込んだ画像をUPさせて頂きました。
このKH250は私個人の車両ですが、当店メッキスポークとアルムHリムを組み合わせています。
個人的には、Hリムはあまり好きではなかったのですが、光沢をエクセルHリムの光沢アルマイトの輝きに合わせた甲斐もあり、ノーマルのユニクロメッキ+クロメートニップルよりも、リムとの一体感があり、結果オーライかな?(笑)
アルミリムは見た目ももちろんですが、何より鉄より断然軽いんです!
これは純正リムとアルミUリムとの重量比較ですが、同じ1.85-18でもこれだけ重量差があります、単体で約40%もの軽量化になります。バネ下重量の差は、思った以上に操安性の差となります。
現在、新品の鉄リムはフロントが手に入りません・・・
DID製などの汎用18インチ40穴のリムで組もうとすれば、組めない事はないのですが、元々ドラムブレーキ用のリムですので、ディスクブレーキのKH系などで組むとスポークの倒れ角がキツくなりスポークに無理な力が掛かる為、危険です。
純正の鉄リムに比べ高価で、それなりの納期が掛かるEXCELリムですが、KH専用設計ですので、安心して乗って頂けると思います。
もちろん、スポーク張替えサービスも行っております。
ハブを送って頂ければ、ブラスト後、無給油ベアリングに打ち換え、振れ取りを行い、お返し致します。(バフ仕上げは別途料金)
足元が決まると、愛車が見違えるように見栄えがアップします!
納期は約二週間程掛かりますので、真夏や真冬のあまり乗らない時期とかがオススメですね。
KH250 SS350 KH400用 クロモリシリンダースタッドボルト
旧車乗りにとって、サビとは宿敵であり、サビ対策は永遠のテーマだったりします。
それ故、どうしても「ステンレス至上主義」に陥り易くなります。
かくいう私も例に漏れずステンレス至上主義者でした。
L型エンジンにハマりまくった20代、ステン等長タコ足を買う為に血眼になってバイトしてた事もあったな(笑)
「SUS304ミガキ」という素材の響きがサビと戦う旧車乗りには耳障りよく聞こえたんでしょうね・・・
だからまだサラリーマンだった10年程前、欠品のKH400のエンジンスタッドを、電蝕(アルミとステンレスでは電気的な腐食が起こる)のデメリットよりも、特殊な形状でサビ易いマッハ系のスタッドボルトには、迷わずサビに強いSUS304で製作しました。
今、現在も私のKH400の心臓部にはこのSUS304のスタッドボルトが入っています・・・
が、いろいろ解ってくると、ステンレスが旧車にとって必ずしも「最適」な訳ではないようです。
ステンは硬くサビに強いのですが、「脆い」のです。
脆いという事は、すなわち「折れ」や「欠け」になり易いという事になります、だから船舶関係のボルトにはステンレスは使わないんです、ステンボルトは折れやすい上に後の始末が悪いんです。
以前、スポークを製作する時、試作品をステンレスで作ったんですが、乗り心地が悪い上、やはり何本かのスポークが「折れる」という結果に・・・だから量産はできず、スチールにユニクロよりも数倍対候性のあるクロームメッキを施す事で発売に至りました。
そんな訳で、この度、満を持してミドルマッハ用クロモリ製シリンダースタッドボルトを発売します。
一概にクロムモリブデン鋼といっても様々ですが、2サイクルにはオーバークォリティーかと思える位、丈夫で粘りもあるSCM435に調質(焼き入れ、焼き戻し)を施しております。
当初、仕上げに純正同様ユニクロメッキをする予定でしたが、SCM435鋼とユニクロメッキは相性が悪く、素材のまま、もしくは黒染めで発売予定でしたが、パーカーライジング処理を施す事によりステンとまではいかなくても、飛躍的に対候性を持たす事ができました。
左から純正、ステンレス、クロモリです。
恐らく純正はS45C?いやもしかして安価なSS鋼かもしれませんね。
う~ん・・・しかし、ステンの鈍い光が妙にカッコええと思うのは私だけでしょうか(笑)
上段がKH250 SS350用で、下段がKH400用です。
それぞれ、上が純正、下がクロモリスタッドです。
こやって実際にケースに仮組みすると、怪しく黒光りするナニを見て思わずニヤリ。
こうゆうアイテムって見えないオシャレ・・・下着に拘るマダムみたいなもん?ですかね(笑)
とりあえず初回ロッド、KH250、SS350用とKH400用それぞれ限定30台分、製作致しました。
特殊な形状のヘッドボルトももうすぐ出来上がってきます。
最終検品が終わり次第、価格等お知らせ致します。
MZ12 ソアラ3000GTリミテッド 復活への道のり
このMZ12が現役選手だった頃、私はトヨペットで整備士をしていました。
エンジンルームの中には懐かしい直6エンジンの6MGーEUが鎮座しています。
現在では考えられない程のバルブの挟み角を持った古典的な2バルブDOHCですが、
このエンジンを見ると、厳しかった丁稚時代を思い出します(涙)
昔の整備士はパワハラなんて当たり前で、よく工具が飛んできたりしたっけ・・・
何も教えてくれないので、見て盗むしかありません、だから覚えた事は忘れないんでしょうね・・・
10年以上、倉庫で眠っていた3000GTリミテッド、やはりバッテリーを繋いだだけでは素直に目覚めてくれません・・・
キレイなストレートシックスの音ではなく、「ブボボッボ・・・」と何本かの気筒が死んだ音が。
圧縮を測ると、幸いにも6気筒すべて12㎏とエンジン本体のコンデションはすこぶるいいようです。
プラグコードかディスキャップの不良かな?と色々考えます。カムハウジングからのオイル漏れが激しく、下回りはベトベト・・・
カムシールを点検しようとしてカバーを外すとフロントカバーからもオイル漏れが・・・
当時はお決まりのオイルプレッシャーSWとディスビOリングからも結構漏れています(涙)
若い頃、5MG系のヘッドガスケット交換などをよくやりましたが、いかんせん20年以上経っています、なにか外す度に「あ~確かこんなんやった!こんなんやった!」と薄れかけた記憶を辿りながらの作業になります(笑)
結局、プラグ&プラグコード単体で点検するも異常なし、
となると後は燃料系しかありません、どうも5番が死んでいて、5気筒になっているようです。
インジェクターを全て外し単体点検すると、5番のインジェクターの導通が無限大になっています。
インジェクターを交換し、オイル漏れの修理の為、3階建てになったエンジンの2階より上、カムホルダーをばらしていきます。
この当時では画期的なメタルガスケットなんですが、一度修理したのか、ナント!ガスケットが逆に組まれていました(驚)
そりゃオイルも漏れるハズです・・・
2000ccの1G-Gモデルと違い、ラッシュアジャスターというタペットクリアランスを油圧で自動調整する機構がついているんですがオイルメンテが悪いと、このラッシュアジャスターがイカれる事が多かったですね・・・
端面を入念に脱脂して組み付けます。トヨタマユよろしくハゲハゲになってしまったチリメン塗装を剥がし、再塗装します。オーナー様の意向で、縮緬塗装は致しません。
う~ん・・・見違える様にキレイになりました!縮緬塗装よりもコッチの方がカッコいいですよね。
スロットル周りを清掃し、ISCVもチェックします。プラグは当時流行った「白金プラグ」が付いていました。
最新のデンソーイリジウムパワーに交換します。サクションパイプを組み付け完成です。
化石のようなフラップ式のエアフロが付いているので、漏れがないように入念に組み付けます。
あれだけグズっていたエンジンもキレイな6発の音色を奏でています・・・シルキーなストレートシックスが蘇りました。そして、心配していたオイル漏れも完全に止まっています。
と、ここまで順調に行ったと思ったのも束の間、今度は急にデジパネの速度計が動かなくなるではありませんか(涙)当時、よくトリップメーターが動かなくなる症状はありましたが、今回はどうもスピードセンサーのようです。
ミッション側のパルスセンサーをバラすと、中から腐食しまくったグリスが強烈な異臭を発します!
エズきながらなんとか腐ったグリスを洗い流し、分解、清掃し組み付けます。
流石の私もパルスセンサーの修理は不可能です・・・とうにメーカ製廃部品ですので、あくまで気休めでしかありません・・・
スピード信号はECTやTEMSに影響するのはもちろん、速度が解らないと車検にすら通りません・・・
メーカーさん、こんな重要保安部品位は作って欲しいですね・・・なんせこの手の電子部品はおいそれとリプロできませんから。
それでもなんとか新規車検にも合格し、晴れてナンバープレートも交付されました。久々の4輪の修理でしたが、オーナー様の喜ぶ顔が見れてよかったです。
「三輪車」という名の当店ですが(笑)四輪の旧車の修理でお困りの方も、一度当店へお気軽ご相談下さいませ。
KH250 400用 強化ブレーキキット。
カワサキトリプルシリーズにお乗りの方なら、誰もが経験したことがあると思いますが、
「車は急に止まれない」よろしく「トリプルも急に止まれない」・・・(笑)
田舎道で脇から軽トラのおじいちゃんでも割り込んでこようものなら冷や汗モノです。
冗談抜きで自転車のように「足」を出して止まりたくもなります(涙)
KA(500SSの初期型)などはツーリーディングドラムというシステムのブレーキなんですが、これは 意外にサーボ効果もあり、調整さえちゃんとやれば、街乗りなら逆にKHとかのディスクより扱い易かったりします。それにKAは歴史的価値もあるので、ボクもおそらくドラムのまま乗り続けるでしょう・・・
なにせ、この頃はディスクブレーキの黎明期で、雨なんぞ降ろう物なら制動距離は凄まじく、また、マッハに限らず、この時期の旧車全般のディスクブレーキはは半端なく効きません(涙)
じゃあブレーキを強化すればいいだけの話なんですが、これが非常に奥が深いんです・・・
ただ単に制動力のみを上げたいのなら、最近のキャリパーをサポートをこしらえて取りつければいい話なんですが、旧車の場合、ルックスも大切です。
ルックスに最重点を置くと、フォークアウターと左キャリパーを加工したダブルディスクに尽きます・・・。
純正キャリパーでダブルディスクにするには左フォークアウターにフェンダーブラケットを溶接するんですが、溶接を上手くしないと熱でボトムケースが歪み、フォークの動きが悪くなったり、なによりダブルのディスク板により、フロント廻りがかなり重くなってしまいます。
ダブルディスクは相当のコストが掛かる割りには制動力は?で「シングルよりはよく効く」感じです。
そうなるとルックスと効きのバランスがええのがローキッドの2696シリーズになるんですが、
これがもう難題だらけ・・・
Z系にでも干渉するのに、なおフォーク径の細いミドルマッハでは、幅の広い対抗ピストンキャリパーなど、いとも簡単にスポークと干渉してしまいます・・・
ディスク板にスペーサーをかまし、ローターをオフセットしようにも、今度はフォークとディスクが干渉してしまいます・・・
本気でリア用の小さなキャリパーにしょうかと思った事もありますが、制動力が飛躍的に上がらないなら意味がありません・・・
八方塞がりで、どう解決するか迷っていましたが、この頃はまだ責任の無いプライベーターだったので、それなら「キャリパー削ってもたらええねん!」という禁断の結果に(笑)
なるべく安全マージンを確保したいのですが、削りすぎると今度はキャリパーの安全マージンが無くなるというジレンマに・・・ベストな角度になるように、何度も治具を調整して切削完了。
さあ、試運転です。走行中に、もしスポークがたわみ、キャリパーに噛みこんだら・・・想像するだけでキン〇マが縮みあがります・・・
本気でビビリながら前後ブレーキを一気に握ると!!!!!
今まで経験したことのない、いきなり、後ろから髪の毛を引っ張られるような「ガツン!」とした衝撃が走ります。
もうヘルメットの中の顔はニヤケまくってるのが、他人にも解る位に喜びが込み上げてきました。
なにせマイナー車ゆえ、キャリパーサポートの設定など皆無であり、強化パットですらないKHシリーズでしたので感無量です。
一番肝心な「安全性&耐久試験」については。自分自身が人柱になり、3年間、街乗りから峠道までキッチリ走り込み、意外に?大丈夫だったという貴重なデーターも得る事ができました(笑)
十分な試験データーを元に、近日、KH250、400用のブレーキキットを発売予定です。
もちろん、ルックスや性能だけでなく、強度や耐久性にまで拘わりました。
今まで、「KHは急に止まれない」で本当に悩んでいたオーナー様、乞うご期待下さい。
KH250 400用 クロームメッキスポークセット
KH250 400 SS400 S2T用 クロームメッキスポーク&ニップル前後1台分セット、高品質な日本製です。
前後1台分セット 80本 定価30800円(税込み)
製造は大手オートバイメーカにも納入実績のある国内工場にて生産しておりますので、安心してご使用頂けます。
当初、やはりサビの問題から、40系ステンレスにて制作予定でしたが、乗り心地や、「折れ」の問題もあり、 スチールに「クロームメッキ」を施す事で、通常のユニクロ&クロメートメッキ仕上げに比べ、各段の耐久性と、対候性を持たせる事ができました。
クロームメッキも国内工場にて施工致しておりますので、海外製のチープなテカテカな輝きではなく、シットリとした艶に仕上がっております。
尚、どうしてもニップルに純正の様な色付が欲しい方は、クロメートメッキ仕上げのニップル仕様も別途ご用意しております。
お気軽にお問合せ下さいませ。
GSX400FS インパルス 31年間乗り続けるって事・・・
同級生が31年間乗り続けている旧インパルスが車検の為入庫しました。
思えば遠い昔、「ワシ、インパルス買うわ!」って中学の時から言っていたヤツがホンマにインパルスを買った時の ボクの頭に走ったインパルス(衝撃)は相当なものでした(笑)
何故なら、当時「ヨンヒャク」に乗るって事は、今時の若者がレクサスに乗ってるより凄い事で、それはもう羨望の眼差しで見られたもんです。
2月生まれだった私はこれほど誕生日が遅い事を呪った事は、今現在に至ってもないでしょう!
片や「ヨンヒャク」片や「チャリンコ」ってのは、今で言う「フェラーリ」と「軽トラ」以上の格差でした。
その上、高校生だった私には車検がある「ヨンヒャク」をバイト代だけで維持するのは無理でした。
その為、車検の無い「ニヒャクゴジュウ」しか買えんかったので、いよいよ「ヨンヒャク」に対する羨望は、やがて妬みへと変わっていきました(笑)
その後、何年も月日が流れ、ひょんな事から単車の話になり、お互い口を揃えて出た言葉が
「えっ!お前、まだ持っとったんけ!!」(笑)
当時は18歳になると、単車を降りるか、フルノーマルにして乗るとゆう、田舎の掟のようなものがありましたからお互いビックリ!
私も、車は18歳の時に買った昭和47年式の車を今も所有し続けていますので、「所有し続ける大変さ」は身にしみて感じています。
今でこそ旧車ブームですが、一時はゴミの様に扱われ、車検も毎年受けないといけなかった暗黒の時代にも手放す事なく大切に乗り続けたという事実には敬服します。
二年ごとに懐かしいコイツに再会する時は、私のKHも16歳当時のライムグリーンに戻して一緒に近所を流します。
年々単車が小さくなり(笑)乗り手はすでに「老い」すら感じる歳になってしまいました。
当時、「キャブ何φ?」か「ジェット何番」といった会話は、31年の歳月が「お前、血糖値なんぼ?」とか「血圧は?」とかにすっかり数値の話題を変えてしまいました(爆)
でも当時からあたりまえのようにいてくれるコイツにまたがると、 ギアポジションインジケーターの赤い光が、いとも簡単に私を15歳?に戻してくれます。
そしてまた、あの悔しかった「ヨンヒャク」への妬みがふつふつと蘇ってきました・・・合掌