KH250 SS350 KH400用 クロモリシリンダースタッドボルト
旧車乗りにとって、サビとは宿敵であり、サビ対策は永遠のテーマだったりします。
それ故、どうしても「ステンレス至上主義」に陥り易くなります。
かくいう私も例に漏れずステンレス至上主義者でした。
L型エンジンにハマりまくった20代、ステン等長タコ足を買う為に血眼になってバイトしてた事もあったな(笑)
「SUS304ミガキ」という素材の響きがサビと戦う旧車乗りには耳障りよく聞こえたんでしょうね・・・
だからまだサラリーマンだった10年程前、欠品のKH400のエンジンスタッドを、電蝕(アルミとステンレスでは電気的な腐食が起こる)のデメリットよりも、特殊な形状でサビ易いマッハ系のスタッドボルトには、迷わずサビに強いSUS304で製作しました。
今、現在も私のKH400の心臓部にはこのSUS304のスタッドボルトが入っています・・・
が、いろいろ解ってくると、ステンレスが旧車にとって必ずしも「最適」な訳ではないようです。
ステンは硬くサビに強いのですが、「脆い」のです。
脆いという事は、すなわち「折れ」や「欠け」になり易いという事になります、だから船舶関係のボルトにはステンレスは使わないんです、ステンボルトは折れやすい上に後の始末が悪いんです。
以前、スポークを製作する時、試作品をステンレスで作ったんですが、乗り心地が悪い上、やはり何本かのスポークが「折れる」という結果に・・・だから量産はできず、スチールにユニクロよりも数倍対候性のあるクロームメッキを施す事で発売に至りました。
そんな訳で、この度、満を持してミドルマッハ用クロモリ製シリンダースタッドボルトを発売します。
一概にクロムモリブデン鋼といっても様々ですが、2サイクルにはオーバークォリティーかと思える位、丈夫で粘りもあるSCM435に調質(焼き入れ、焼き戻し)を施しております。
当初、仕上げに純正同様ユニクロメッキをする予定でしたが、SCM435鋼とユニクロメッキは相性が悪く、素材のまま、もしくは黒染めで発売予定でしたが、パーカーライジング処理を施す事によりステンとまではいかなくても、飛躍的に対候性を持たす事ができました。
左から純正、ステンレス、クロモリです。
恐らく純正はS45C?いやもしかして安価なSS鋼かもしれませんね。
う~ん・・・しかし、ステンの鈍い光が妙にカッコええと思うのは私だけでしょうか(笑)
上段がKH250 SS350用で、下段がKH400用です。
それぞれ、上が純正、下がクロモリスタッドです。
こやって実際にケースに仮組みすると、怪しく黒光りするナニを見て思わずニヤリ。
こうゆうアイテムって見えないオシャレ・・・下着に拘るマダムみたいなもん?ですかね(笑)
とりあえず初回ロッド、KH250、SS350用とKH400用それぞれ限定30台分、製作致しました。
特殊な形状のヘッドボルトももうすぐ出来上がってきます。
最終検品が終わり次第、価格等お知らせ致します。