兵庫県加古川市のガレージ トライシクルのブログです Tag Archive | ソレックス

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KH250 400用 PWK28 社外キャブ装着 キット試作

 

KHやSSに限らず、古い単車では、いくら頑張って調整しても、キャブセッティングがなかなか出ないという方は多いと思います。

 

 

でもよ~く考えてみて下さい、そりゃ新車から40年以上経っていますから、逆に調子良い車両の方がおかしいくらいかもしれません。
今でこそ、キャブレターOHキットや、リプレイスメントのニードルジェットまで簡単に手に入るようになり、キャブレターのOHも随分やり易くなりましたが、経験上、新品キャブに勝るものはありません・・・

随分と昔、車の話になりますが、必死にソレックスのオーバーホールをするも、バタフライシャフトの曲がりだけはどうする事もできず、だましだまし乗っていたんですが、当時はまだソレックスの新品が手に入ったので、安月給を工面し、思い切って新品のキャブを購入しました。これが面白い程効果があり、あれだけ悩んでいた同調や、アイドルスクリューの調整が、いとも簡単にできてしまうんです!もちろんOH品もきちんとアイドルアジャストスクリューとかも新品にしていたんですが、スクリューをチョっとだけ廻しただけではエンジンはリニアに反応してくれません・・・それが、新品キャブならおもしろい位にスクリューに敏感に反応してくれます。
コレを経験してからというもの、もう中古のキャブなんて考えられなくなってしまいました・・・やはりジェット類だけ新品になっても、ボデーとかは???なんでしょうね(涙)

 

 

ただ、僕らが現役の頃ならともかく、現在では新品キャブなど、間違っても手に入りません・・・新品どころか、まるでゴミのような程度の中古キャブですら、車種を問わず高騰し続けてるのが現状です。

それなら、いっそのことノーマルキャブを取っ払って、現行の高性能キャブに換装した方が、信頼できないオリジナルキャブを使い続けるよりも多数のメリットがあります。
オリジナル至高主義の方には理解不可能とは思いますが、アフターパーツの問題でも、補修部品の入手も楽くですし、何より霧化特性が全く違いますので、始動性や、乗り易さは比較になりません。

それ故、現行モトクロッサーなどに採用されているケイヒンPWKキャブレターをKHにつけてみたいと前々から構想していました。
三日月型スロットルのPWKキャブならフラットバルブほどセッティングはシビアではないし、VMキャブより遥かに霧化特性もよく、なにより価格もリーズナブルです。
唯一の欠点といえば、ボディー全体が大柄なので、トリプル系に装着しようとするとボディーがクランクケースと干渉しそうな点です。

もちろんトリプル用のインテークマニーホールドなんてある訳もなく、ワンオフ製作となります・・・
とりあえずのプロトタイプですので、ノーマルのマニをブッタ切り、新たに製作したインシュレーター用の差込みをTIGで溶接します。
なるべく油面が斜めにならないよう、ギリギリの寸法を探します。

 

 

 

ここにきてPWKキャブの大きさが・・・TMキャブならもう少し楽なのですが。
でも、やはり28φという口径も魅力ですし、フラットバルブよりも低速域での扱い易さも魅力です。
何度もメイク&トライを繰り返し、「ココや!」という位置を探ります。

溶接をすると、どうしても歪みやバリがでるので、再度旋盤で修正します。

 

 

なんとか試作品の寸法出しがギリギリのクリアランスで完了しました。
この角度なら、油面もなんとかなりそうです。

 

 

本当は、パワーフィルター仕様にはしたくなかったのですが、今のところスペースの問題で仕方なくそうなっています。
よくノーマルキャブをパワーフィルター仕様にしている方をみかけますが、百害あって一利なしです。
レースでコンマ一秒を争っているなら、絶対的な吸入空気量はパワーフィルターの方が良いかもしれません、しかしストリートでの使用なら、寒暖の差や湿度などの変化をカバーしてくれるエアークリーナーBOXは重要です。
なので、「解ってない人」的に?見られたくなかったので、極力パワーフィルターが見えないように工夫しました。

 

次回は実装テストと量産化に向けての記事をUPする予定です。

「鮫ブル」こと610ブル-バード2000GTーX

友人の後輩が凄い車に乗って来店。
ナント!「サメブル」こと610ブルーバードです。
サメブルを真近で見るなんて何年ぶりでしょう・・・

チンスポ&三分割りにスターシャークと、ボク達世代にはたまりません!マニア延髄のロンサムカーボーイのコンポなんて涙物です。
当時はあまり好きになれなかった610も今見ると、本当に理屈抜きでカッコいい!!
ただ、昨今の旧車の高沸には閉口します、購入価格を聞いて、ため息しか出ませんでした・・・
でも悲しいかな、本当に程度のええ車両はマニア間で取り引きされ、中古車屋さんに出回る代物は、購入後に恐ろしい程、費用が掛かる物が多いのも事実です。

でも、Zや箱スカなどに比べ、一時はゴミ扱いされた610ブルが、現在まで生き残ってくれたと考えれば妥当な金額なのかもしれません・・・

クォーターパネルに誇らしげに輝く「GTX」のエンブレムが燻し銀のシブさを醸し出しています・・・

男が男らしかった時代・・・女の子よりもシブい車に乗る先輩に憧れた・・・
ソレックスの生ガスの匂いと永チャンのBGM、そして夜の駅前ロータリー、何処の街でも繰りひろげられた光景。
携帯もポケベルもなかったけど、ロータリーにさえ行けば誰かに会える・・・車を転がしてるだけで死ぬほど楽しかった。本当に古き良きいい時代だったな・・・(涙)

しかしこの当時の車って斜め45度から見ると、なんてセクシーなんやろうね・・・
ソレ、タコ、デュアルの三種の神器で武装されたストレートシックスL型エンジンは、官能的なサウンドを奏でています。
廻りの空気を揺らす鼓動、この独特の雰囲気は、「マフラーだけ」変えた現在のガキ車では絶対に出えへん・・・

私も、KHに30年以上乗っていますが、19歳の時に買ったS30Zも、現在は「不動産」ですが、ガレージに大切に?しまっています・・・
トリプルとL型が三度の飯より大好きなんです・・・
だから、この610、よ~く冷静に観察すると、色々問題が有りそうで放っておけません・・・
旧車は初めての、この610オーナーは「旧車だから・・・」と思い込んでいた様ですが、まだまだ本調子には程遠い様ですね・・・
これからボチボチと当店で、現在の改良された部品などを取り入れながら、本来の性能を取り戻して行きたいと思っています。
オーナー様にも、修理の様子をブログにUPする事を快諾して頂いたので、みなさん、乞うご期待あれ。

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