兵庫県加古川市のガレージ トライシクルのブログです【ガレージ トライシクル】

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KH400の持病  エンジンが温まると火が飛ばなくなる

KH400の持病

カワサキトリプルシリーズはポイントレスの黎明期とあって、いろんな点火方式があります。

最初期H1のディストリビュータ方式CDIに始まり、H1Bでポイント点火に戻り、H1DでまたCDI点火になり、またすぐH1Eでブラシ式CDIに変更されています。
末っ子250シリーズのみ、コストの関係か?初期SSから最終KHまでポイント点火でした。

そんなバリエーション豊富な点火方式ですが、当時の輸出先の事情により(主に整備に無頓着な北米向け)無理に未完成な無接点方式が採用されたようです・・・

その為、フラマグ式CDIを採用したKH400は殆どの確率で点火用マグネットコイルの不具合により、「エンジンが温まると火が飛ばなくなる」と言う持病が発生します。
この症状は「400」のみ起こる症状ですが、かくいう私も30年程前、詳しい原因など解らず、「温まるとローターカバーにウーロン茶をかけて冷やす」という荒業を駆使し、ごまかしながら乗っていた記憶が(笑)

この点火用コイルはもちろん、とうの昔に製造廃止となっていますが、コイルを巻きなおす事により再生する事が可能です。
一度、きちんとやり直せば、信頼性も上がり、あの煩わしい三個もあるポイントギャップの調整から解放される無接点CDIの恩恵をあます事なく受ける事ができます。
400シリーズにお乗りの方、悲しいかな間違いなく「持病」は発生します・・・
ポイント点火には煩わしいメンテはありますが、調子を崩しても「必ずオウチに帰って来れる」というメリットがあります。
CDIは「ブラックBOX」です、どこかでエンジンがいきなり死亡し、愛車をその場に放置して帰る事なんて考えたくもありません・・・
それなりにコストはかかりますが、持病が発生する前にちゃんと予防をしましょう。

次回は、またまたトリプルシリーズの持病、「ギア抜け」についてお話したいと思います。

3月になると、当店では、なぜか車の入庫が多くなります。


車検で入庫したライフですが、入念にチェックした甲斐か?マスターシリンダーからのブレーキオイルの漏れを発見。


ブレーキを構成する重要な部品なのですが、外してよく観察すると、ブレーキ倍力装置のサビ具合から判断すれば、ずいぶん前から漏れていた可能性が・・・

整備点検記録簿を見る限りこの車両は、前回某ディーラーにて車検したはずなのですが、本当に危ないところでした・・・
まさに昨今の車検価格の崩壊による悪しき一例かもしれません。
ディーラー整備士なんて、時間に追われ、効率のみ求めてられて、廻りを洞察する余裕なんてある訳がありません・・・
挙句の果てには、6本あるプラグが「3本だけメーカーが違う」という暴挙まで・・・これは明らかに6本交換するのが面倒くさかったのでしょう。

しかし、マスターシリンダーのインナーキット交換なんて何年ぶりでしょう・・・
昭和の頃の車は、2~3年もすれば、マスターからブレーキフルードが漏れるのは当たり前の事で、まだ見習いだった私は兄弟子達に怒鳴られながら作業したイヤな思い出が蘇ります(笑)

しっかし、なんでホンダ車ってタイミングベルトを交換するだけにここまでバラさんとアカンねん!

整備性の悪さは結局高額な工賃となって消費者に帰って・・・
イヤイヤ、価格競争の煽りで工賃に転嫁できる訳もなく、泣くのは場末の工場だけって話やね・・・(涙)

レガシーB4

先日、USS名古屋で購入したレガシーB4。
希少なGT-Bの5速M/T。13年も経っていますが、走行距離は3万9千Kmしか走っていない程度の良い車両です。

車検も通し、納車に向けて入念に整備します。
スバル伝統の水平対向エンジンは、整備士泣かせのエンジンです。
消耗品を徹底的に交換するんですが、水平対向ゆえ、いかんせん手がはいりません・・・クラッチフルードを交換するにも、インタークーラーまで外さないといけない始末。
やっと完成と思った矢先にマルチインフォメーションディスプレイとやらがいきなり壊れました(涙)

急遽、スバルの友人に聞くと、「あっそれ、レガシー全部なるで~まぁ持病みたいなもんやな ♪ 」と軽~く言ってくれます。
トドメは「メーカ対策部品みたいやから、部品代12000円くらいで済むで~」

オイオイ、なんで対策部品が一万超えんねん・・・(汗)

こうなると、またもや変に闘志が湧いてきます。
絶対「修理」してやる!!

どうせ、失敗しても元やし、とっととバラします!
この手の電子部品の不具合は、ほとんどが基盤のハンダ割れによる通電不良です。流石にどの部分の不良なのかは、老眼で近場がほとんど見えなくなったアラフィフの視力では判定不可能(涙)なので、可能な限り接点をハンダしまくりました。

いつものドキドキの瞬間・・・
キーを廻して、思わずガッツポーズ!
真っ黒だったディスプレイが再び光を取り戻しました。

足回りのオーバーホール作業

地味な作業・・・

最近、当店では、よく足回りのオーバーホール作業を承ります。
フロントフォークOHに始まり、スイングアームピボットのグリスアップやステムシャフトのグリスアップなどなど・・・

 

この様な地味な作業は、ショップ側に限らず、お客様側としても、カスタムの様な華やかさもなく、見た目も殆ど変わらない割りに、それなりの工賃もかかる為、双方がやりたがりません・・・

 

 

かく言う私も、同じ地道な作業ならキャブセッティングなどの方が好きなんですが、ヤレた車両であればある程、コレをやると本当に見違えるように「足が動く」様になるので、引き渡し時にお客様が「全然違う!」と喜んでくれる事が唯一の励みです。

 

オートバイに乗る方の平均年齢がどんどん上がってきた事は、少し寂しくもありますが、地味な「整備」にキチンとお金をかけて頂けるライダーが増えた事は、オートバイが、熟成された趣味になってきたからかもしれませんね。

このような作業を、当店に依頼して頂ける事を誇りに思いながら、今一度、襟を正して作業していこうと思う今日この頃です。

スーパーカー世代羨望の眼差しストラトス!

本日のトライシクル。

凄い車!
スーパーカー世代羨望の眼差しストラトス!
友人が経営するバイカーズカフェ「Herose」からご来店頂きました。

音フェチ?な私は、奥の1.3フルチューンミニのハイカム&ウェーバーが奏でる官能的なエキゾーストノートに酔いしれていました(笑)

最終エボリューションエンジン搭載の1998年ローライダー

ずいぶん前にサルベージしてきた最終エボリューションエンジン搭載の1998年ローライダー。

今となっては極端に登録台数の少ない正規ディーラー物のエボローライダーを「放置プレイ」するなんて・・・

しかし、ソレは想像を絶する程の長い道のりでした・・・
「走る」「曲がる」「止まる」+「なんとか観れる様にする」には相当の労力と時間を要しました。

嫁や息子まで?駆り出して「サビトリ」&「研磨」の連続です(涙)
サスペンション関係からブレーキ関係まで、徹底的に整備し、
キャブレターを全バラ清掃、完全ドライ状態になったエンジンをいたわりながら、再始動。

セル一発で、10年以上も主人を失ったエボローライダーは、再び心地よい「三拍子」を奏でだしました。

2センチの拘り。

現在、トライシクルにて再生中の98年式ローライダー、
この車両は、いわゆる「エボ」と言われるエンジンを積んだ最終モデルです。
この貴重な最終モデルを15年以上、ほぼ産業廃棄物状態にまで「放置プレイ」された車両を、まずは「普通に走れる事」を目標に足回りから再生していきます。

最終とはいえ、生産からすでに19年も経っており、オリジナルの補給品もだいぶ欠品となってきました。
ハーレーの場合、幸いにも「社外品」というリプレイスメントパーツが多数あり、オリジナルにさえ拘らなければ、戦前のハーレーであっても代替部品には困りません。
しかし、あれだけのリプロパーツがあるのに、マイナーなダイナ、
しかもエボ後期のローライダーのサスのインナーチューブは、「設定なし」なんです(涙)
ところが、2センチ程短いインナーチューブの設定はあり、2センチ位なら間違いなく使用には問題ありませんが、私は許せません!
安価なリプロ製品も決して悪くはありませんが、2センチがどうしても・・・(笑)

そうなるともう、今ある物をなんとか再生して使うしかありません。
決してコストを度外視するわけではありませんが、割高な「再メッキ」に出すことに。

一概に「鍍金」といっても色々あるんです。ネジなんかにするユニクロメッキから金メッキやクロームメッキなどなど・・・
フロントフォークに施工されているメッキは硬質クロームメッキといってかなり硬いメッキを施します。

数日後、再メッキ工場へ送ったインナーチューブが帰ってきました。

それはもう「新品」といっても過言ではない仕上がりに思わずウットリ(笑)

フロントフォークなら、インナーチューブ以外のオイルシールやスライドメタルなどは、他車流用も比較的容易です。
「部品がない!」と修理をあきらめていた方も、「再メッキ」をかける事で、新車の足を蘇らせる事も不可能ではありません。
絶版車に乗るかぎり、「欠品」という壁は避けて通る事はできません・・・
「欠品」でお悩みの方、一度トライシクルへご相談下さい。

そして今後も、トライシクルで再生したり、ワンオフ制作した物なんかもUPしていく予定です。乞うご期待下さいませ。

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

今日はシーズカンパニーの登山さんの所へ新年のご挨拶によったら、
ナント、元カワサキ&モリワキファクトリーライダーだった多田選手がいらっしゃいました。

物凄くフレンドリーな方で、終始緊張ぎみの私に気さくに声をかけて下さったり、当時の濃~い裏話などを聞かせて頂け、本当に夢のような時間でした。
あの黄金の80年代を駆け抜けたカワサキの侍にお会いできた上、
ナント私のKHにまたがってくれて記念撮影。

それはもう家宝にさせて頂きます!
多田さんの現在の愛車がGPz750Rだったのが侍らしく、凄く印象的でした・・・

多田さん、登山さん本当にありがとうございました。

カワサキトリプル KH250 400 マッハ オーバーホール

旧車(特にトリプル系)の各種オーバーホール、まずはご相談ください。

特にマッハ系トリプルは比較的単純な2サイクルエンジンで、よもすれば「草刈り機」のエンジンとそう大きく変わりません。
ただ、やはり「ここだけは」という箇所もあるのも事実です。当店では35年間乗り続けてきた貴重な「経験」と「ノウハウ」を持っています。長年培ってきた秘儀を多様しながら、大切な宝物を未来永劫維持していく為のお手伝いができればと考えます。

カワサキトリプルの弱点である駆動系。ミッションギア、キックシャフトASSY、シフタードラムにWPC加工、必ずと言っていいほど焼けただれるシフトフォークにはWPC+Mos2加工を施し、万全を期します。

修理・レストア

華やかなカスタムなどに比べ、地味な「整備」は、掛けた費用の割りには見た目も変わらず、
お客様、ショップ双方にとってもあまり愉快なものではないかもしれません。
しかし、あえてこの様な地味な作業を施す事により、新車の様な乗り味に戻す事も可能です。
旧車だからこんなもの・・・と思って乗っていらしたお客様の車両に、「ごくあたりまえの整備」を施す事で、こんなに乗り易すかったのか・・・と驚かれるお客様もいらっしゃいます。
どうしても、外観やオリジナル度に目が行きがちです、決してカスタムを否定しているわけではありませんが、 今一度「整備」についてお考え頂ければ、もっと愛車が好きになるとトライシクルは考えます。

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