500SS KH400 トリプル専用 特殊ヘッドナット制作しました。
スタッドボルトに次いで、マッハ用、特殊ヘッドナットを制作しました
H2やS1(750SS、KH250)には採用されず、 H1とS3(500SS、KH400)などに採用された特殊なナットです。
500SSとKH400は共通部品ですので、どちらの車種でも使用OKです。
エンジンをレストアする過程で避けて通れないのがこのナットです。
せっかくシリンダーやヘッドをガラスビーズなどでブラストしてキレイにしても、
マッハシリーズではこのヘッドナットが結構目立つ為、コレが汚いとナットが浮いてしまいます。当店でも、純正の特殊ナットを再鍍金して再使用していました。
再鍍金の仕上がりを決めるのは入念な下地処理に尽きます・・・
サンドブラストで下地を整え、ユニクロメッキをかけるんですが、
やはり何度も再使用してくると、表面がザラついてしまい、メッキの仕上がりを悪くします。
それに純正の特殊ナットは柔らかく、ネジ山が緩くなった物も多く見受けられます。
いくらスタッドボルトをクロモリなどの強化品に替えても、ナットも同時に替えないと意味がありません・・・
この特殊なナットの制作には相当手間が掛かりました・・・
もちろん純正ナットは随分前に製廃になっているので、どうせ造るなら少しでもいい物をと思いSS鋼より強度のあるS45C材で製作します。
まず、大き目のS45C材のボルトのネジ山を全て削ってから、ボルトの中心に穴を開け、その穴にネジを切り、さらにボルトの頭を17mmに落とすという二度手間、三度手間を掛け製造します。
強度的には、シリンダースタッドと同じSCM鋼が理想ですが、SCM鋼とユニクロメッキの相性がよくないんです。
このナットは外からよく見えるので、どうしても純正の雰囲気を崩したくありませんでした。
だから「ユニクロ色」に拘りたかったんです。
ただ、ユニクロメッキはコストは安いのですが、耐候性がイマイチです。
どちらのメッキ処理にしようか迷ったのですが、見た目が殆ど純正のユニクロメッキとほぼ変わらず、若干でも耐候性のある三価クロメート処理を施す事で、耐候性と見た目を両立しました。
強化スタッドと組み合わせる事により、より強靭にトルク管理する事が可能です。
今後、展開しようと思っているハイコンプ仕様などにも対応できます。
何でもかんでも強化すればいいと言う物でもありませんが、エンジンを開けたなら、
スタッドとナットは精神衛生上、新品に交換しておきたいですよね。
KH250 クロームメッキスポークとHリム装着例
当店オリジナルKH250 400用クロームメッキスポーク エクセルHリム装着例
かねてより要望の多かった、クロームメッキスポークを実際にKH250に組み込んだ画像をUPさせて頂きました。
このKH250は私個人の車両ですが、当店メッキスポークとアルムHリムを組み合わせています。
個人的には、Hリムはあまり好きではなかったのですが、光沢をエクセルHリムの光沢アルマイトの輝きに合わせた甲斐もあり、ノーマルのユニクロメッキ+クロメートニップルよりも、リムとの一体感があり、結果オーライかな?(笑)
アルミリムは見た目ももちろんですが、何より鉄より断然軽いんです!
これは純正リムとアルミUリムとの重量比較ですが、同じ1.85-18でもこれだけ重量差があります、単体で約40%もの軽量化になります。バネ下重量の差は、思った以上に操安性の差となります。
現在、新品の鉄リムはフロントが手に入りません・・・
DID製などの汎用18インチ40穴のリムで組もうとすれば、組めない事はないのですが、元々ドラムブレーキ用のリムですので、ディスクブレーキのKH系などで組むとスポークの倒れ角がキツくなりスポークに無理な力が掛かる為、危険です。
純正の鉄リムに比べ高価で、それなりの納期が掛かるEXCELリムですが、KH専用設計ですので、安心して乗って頂けると思います。
もちろん、スポーク張替えサービスも行っております。
ハブを送って頂ければ、ブラスト後、無給油ベアリングに打ち換え、振れ取りを行い、お返し致します。(バフ仕上げは別途料金)
足元が決まると、愛車が見違えるように見栄えがアップします!
納期は約二週間程掛かりますので、真夏や真冬のあまり乗らない時期とかがオススメですね。
KH250 SS350 KH400用 クロモリシリンダースタッドボルト
旧車乗りにとって、サビとは宿敵であり、サビ対策は永遠のテーマだったりします。
それ故、どうしても「ステンレス至上主義」に陥り易くなります。
かくいう私も例に漏れずステンレス至上主義者でした。
L型エンジンにハマりまくった20代、ステン等長タコ足を買う為に血眼になってバイトしてた事もあったな(笑)
「SUS304ミガキ」という素材の響きがサビと戦う旧車乗りには耳障りよく聞こえたんでしょうね・・・
だからまだサラリーマンだった10年程前、欠品のKH400のエンジンスタッドを、電蝕(アルミとステンレスでは電気的な腐食が起こる)のデメリットよりも、特殊な形状でサビ易いマッハ系のスタッドボルトには、迷わずサビに強いSUS304で製作しました。
今、現在も私のKH400の心臓部にはこのSUS304のスタッドボルトが入っています・・・
が、いろいろ解ってくると、ステンレスが旧車にとって必ずしも「最適」な訳ではないようです。
ステンは硬くサビに強いのですが、「脆い」のです。
脆いという事は、すなわち「折れ」や「欠け」になり易いという事になります、だから船舶関係のボルトにはステンレスは使わないんです、ステンボルトは折れやすい上に後の始末が悪いんです。
以前、スポークを製作する時、試作品をステンレスで作ったんですが、乗り心地が悪い上、やはり何本かのスポークが「折れる」という結果に・・・だから量産はできず、スチールにユニクロよりも数倍対候性のあるクロームメッキを施す事で発売に至りました。
そんな訳で、この度、満を持してミドルマッハ用クロモリ製シリンダースタッドボルトを発売します。
一概にクロムモリブデン鋼といっても様々ですが、2サイクルにはオーバークォリティーかと思える位、丈夫で粘りもあるSCM435に調質(焼き入れ、焼き戻し)を施しております。
当初、仕上げに純正同様ユニクロメッキをする予定でしたが、SCM435鋼とユニクロメッキは相性が悪く、素材のまま、もしくは黒染めで発売予定でしたが、パーカーライジング処理を施す事によりステンとまではいかなくても、飛躍的に対候性を持たす事ができました。
左から純正、ステンレス、クロモリです。
恐らく純正はS45C?いやもしかして安価なSS鋼かもしれませんね。
う~ん・・・しかし、ステンの鈍い光が妙にカッコええと思うのは私だけでしょうか(笑)
上段がKH250 SS350用で、下段がKH400用です。
それぞれ、上が純正、下がクロモリスタッドです。
こやって実際にケースに仮組みすると、怪しく黒光りするナニを見て思わずニヤリ。
こうゆうアイテムって見えないオシャレ・・・下着に拘るマダムみたいなもん?ですかね(笑)
とりあえず初回ロッド、KH250、SS350用とKH400用それぞれ限定30台分、製作致しました。
特殊な形状のヘッドボルトももうすぐ出来上がってきます。
最終検品が終わり次第、価格等お知らせ致します。
MZ12 ソアラ3000GTリミテッド 復活への道のり
このMZ12が現役選手だった頃、私はトヨペットで整備士をしていました。
エンジンルームの中には懐かしい直6エンジンの6MGーEUが鎮座しています。
現在では考えられない程のバルブの挟み角を持った古典的な2バルブDOHCですが、
このエンジンを見ると、厳しかった丁稚時代を思い出します(涙)
昔の整備士はパワハラなんて当たり前で、よく工具が飛んできたりしたっけ・・・
何も教えてくれないので、見て盗むしかありません、だから覚えた事は忘れないんでしょうね・・・
10年以上、倉庫で眠っていた3000GTリミテッド、やはりバッテリーを繋いだだけでは素直に目覚めてくれません・・・
キレイなストレートシックスの音ではなく、「ブボボッボ・・・」と何本かの気筒が死んだ音が。
圧縮を測ると、幸いにも6気筒すべて12㎏とエンジン本体のコンデションはすこぶるいいようです。
プラグコードかディスキャップの不良かな?と色々考えます。カムハウジングからのオイル漏れが激しく、下回りはベトベト・・・
カムシールを点検しようとしてカバーを外すとフロントカバーからもオイル漏れが・・・
当時はお決まりのオイルプレッシャーSWとディスビOリングからも結構漏れています(涙)
若い頃、5MG系のヘッドガスケット交換などをよくやりましたが、いかんせん20年以上経っています、なにか外す度に「あ~確かこんなんやった!こんなんやった!」と薄れかけた記憶を辿りながらの作業になります(笑)
結局、プラグ&プラグコード単体で点検するも異常なし、
となると後は燃料系しかありません、どうも5番が死んでいて、5気筒になっているようです。
インジェクターを全て外し単体点検すると、5番のインジェクターの導通が無限大になっています。
インジェクターを交換し、オイル漏れの修理の為、3階建てになったエンジンの2階より上、カムホルダーをばらしていきます。
この当時では画期的なメタルガスケットなんですが、一度修理したのか、ナント!ガスケットが逆に組まれていました(驚)
そりゃオイルも漏れるハズです・・・
2000ccの1G-Gモデルと違い、ラッシュアジャスターというタペットクリアランスを油圧で自動調整する機構がついているんですがオイルメンテが悪いと、このラッシュアジャスターがイカれる事が多かったですね・・・
端面を入念に脱脂して組み付けます。トヨタマユよろしくハゲハゲになってしまったチリメン塗装を剥がし、再塗装します。オーナー様の意向で、縮緬塗装は致しません。
う~ん・・・見違える様にキレイになりました!縮緬塗装よりもコッチの方がカッコいいですよね。
スロットル周りを清掃し、ISCVもチェックします。プラグは当時流行った「白金プラグ」が付いていました。
最新のデンソーイリジウムパワーに交換します。サクションパイプを組み付け完成です。
化石のようなフラップ式のエアフロが付いているので、漏れがないように入念に組み付けます。
あれだけグズっていたエンジンもキレイな6発の音色を奏でています・・・シルキーなストレートシックスが蘇りました。そして、心配していたオイル漏れも完全に止まっています。
と、ここまで順調に行ったと思ったのも束の間、今度は急にデジパネの速度計が動かなくなるではありませんか(涙)当時、よくトリップメーターが動かなくなる症状はありましたが、今回はどうもスピードセンサーのようです。
ミッション側のパルスセンサーをバラすと、中から腐食しまくったグリスが強烈な異臭を発します!
エズきながらなんとか腐ったグリスを洗い流し、分解、清掃し組み付けます。
流石の私もパルスセンサーの修理は不可能です・・・とうにメーカ製廃部品ですので、あくまで気休めでしかありません・・・
スピード信号はECTやTEMSに影響するのはもちろん、速度が解らないと車検にすら通りません・・・
メーカーさん、こんな重要保安部品位は作って欲しいですね・・・なんせこの手の電子部品はおいそれとリプロできませんから。
それでもなんとか新規車検にも合格し、晴れてナンバープレートも交付されました。久々の4輪の修理でしたが、オーナー様の喜ぶ顔が見れてよかったです。
「三輪車」という名の当店ですが(笑)四輪の旧車の修理でお困りの方も、一度当店へお気軽ご相談下さいませ。
元祖ハイソカー?MZ12 ソアラ 3000 GTリミテッド
バブルの少し前、80年台後半から流行りだしたハイソカーブーム、「ハイソサエティーカー」の略語らしいですが昭和56年、当時小学生だった私でさえ鮮明に覚えている初代ソアラ(MZ10)のデビューはそれはもう世間を相当騒がせました。
当時、今では考えられない話ですが、多少ブサイクな男であっても、ソアラに乗ってるだけ女の子にモテるという魔法のような車だったんです。
この時代の内装は正に昭和時代の「応接間」
特にこの「サンリッター」モデルの6MG搭載MZ12には、ナント世界初のエレクトロマルチビジョンという、車にテレビがついた事で話題になりましたね。
私は西部警察よろしく大のニッサンファンで、トヨタ車はあまり好きではありませんでしたが、ソアラだけは別格でしたね。
リアワイパーにBOX型スピーカー、今や死語の世界の「TEMS」のステッカー・・・
当時はVⅠ、VⅡ、VR、VX、エクストラにGTリミテッドまで異常な程、多数のグレードが存在した為、 エンブレムチューンなんて言葉が生まれたのもこの時代からかな?
しかし、本物のEMV装着車は、左右のクウォーターパネルから生える?二本のアンテナで、すぐに解りました。
そして、流行りに流行った「ろぉ」ナンバー、いわゆる字光式ナンバープレートがあったであろう「あんどん」が泣かせます(笑)
この時代の車のリアガラスには、まだ、「無鉛」のスッテカーが張られていました。
40歳以下の方なら、このステッカーの意味は解らないでしょうね(笑)
ハジメちゃんよろしく、どこの街の駅前ロータリーでも、必ず見つける事のできた一世を風靡したソアラですが、30年超え選手となり、めっきり姿を見なくなりました・・・
このMZ12 3000GTリミテッドは、一年足らずでMZ20系へとフルモデルチェンジした為、元々生産台数も少なく希少なモデルです。
この希少なソアラはある農家の倉庫で20年余り眠っていた、いわゆる「不動産」ってやつでしたが、
トライシクルで再び日の目を見る為、入念に整備し、新規車検を受け、再びネオンの輝くロータリー・・・やない(笑)公道へと復活させます!
KH250 400用 強化ブレーキキット。
カワサキトリプルシリーズにお乗りの方なら、誰もが経験したことがあると思いますが、
「車は急に止まれない」よろしく「トリプルも急に止まれない」・・・(笑)
田舎道で脇から軽トラのおじいちゃんでも割り込んでこようものなら冷や汗モノです。
冗談抜きで自転車のように「足」を出して止まりたくもなります(涙)
KA(500SSの初期型)などはツーリーディングドラムというシステムのブレーキなんですが、これは 意外にサーボ効果もあり、調整さえちゃんとやれば、街乗りなら逆にKHとかのディスクより扱い易かったりします。それにKAは歴史的価値もあるので、ボクもおそらくドラムのまま乗り続けるでしょう・・・
なにせ、この頃はディスクブレーキの黎明期で、雨なんぞ降ろう物なら制動距離は凄まじく、また、マッハに限らず、この時期の旧車全般のディスクブレーキはは半端なく効きません(涙)
じゃあブレーキを強化すればいいだけの話なんですが、これが非常に奥が深いんです・・・
ただ単に制動力のみを上げたいのなら、最近のキャリパーをサポートをこしらえて取りつければいい話なんですが、旧車の場合、ルックスも大切です。
ルックスに最重点を置くと、フォークアウターと左キャリパーを加工したダブルディスクに尽きます・・・。
純正キャリパーでダブルディスクにするには左フォークアウターにフェンダーブラケットを溶接するんですが、溶接を上手くしないと熱でボトムケースが歪み、フォークの動きが悪くなったり、なによりダブルのディスク板により、フロント廻りがかなり重くなってしまいます。
ダブルディスクは相当のコストが掛かる割りには制動力は?で「シングルよりはよく効く」感じです。
そうなるとルックスと効きのバランスがええのがローキッドの2696シリーズになるんですが、
これがもう難題だらけ・・・
Z系にでも干渉するのに、なおフォーク径の細いミドルマッハでは、幅の広い対抗ピストンキャリパーなど、いとも簡単にスポークと干渉してしまいます・・・
ディスク板にスペーサーをかまし、ローターをオフセットしようにも、今度はフォークとディスクが干渉してしまいます・・・
本気でリア用の小さなキャリパーにしょうかと思った事もありますが、制動力が飛躍的に上がらないなら意味がありません・・・
八方塞がりで、どう解決するか迷っていましたが、この頃はまだ責任の無いプライベーターだったので、それなら「キャリパー削ってもたらええねん!」という禁断の結果に(笑)
なるべく安全マージンを確保したいのですが、削りすぎると今度はキャリパーの安全マージンが無くなるというジレンマに・・・ベストな角度になるように、何度も治具を調整して切削完了。
さあ、試運転です。走行中に、もしスポークがたわみ、キャリパーに噛みこんだら・・・想像するだけでキン〇マが縮みあがります・・・
本気でビビリながら前後ブレーキを一気に握ると!!!!!
今まで経験したことのない、いきなり、後ろから髪の毛を引っ張られるような「ガツン!」とした衝撃が走ります。
もうヘルメットの中の顔はニヤケまくってるのが、他人にも解る位に喜びが込み上げてきました。
なにせマイナー車ゆえ、キャリパーサポートの設定など皆無であり、強化パットですらないKHシリーズでしたので感無量です。
一番肝心な「安全性&耐久試験」については。自分自身が人柱になり、3年間、街乗りから峠道までキッチリ走り込み、意外に?大丈夫だったという貴重なデーターも得る事ができました(笑)
十分な試験データーを元に、近日、KH250、400用のブレーキキットを発売予定です。
もちろん、ルックスや性能だけでなく、強度や耐久性にまで拘わりました。
今まで、「KHは急に止まれない」で本当に悩んでいたオーナー様、乞うご期待下さい。
当店オリジナル KH250 400用 クロームメッキスポーク組み付け
当店で使用しているスポークの振れ取り台は相当の年季物です。
私がこの店を開業するまで、この場所はこの辺りでは老舗の自転車屋さんでした。
その歴史ある作業台をオーナー様より譲り受けました。
当初、バイク用の振れ取り台を使っていたのですが、いかんせんコスト重視なのか、ボディーやガイドの剛性が足りず、振れを見るアームがすぐ動いて非情に使いにくい!
自転車用のこれは鋳物のアームで、かなり重いですが剛性はものすごく高いんです。
シャフト径がかなり違うので、バイク用に加工したところ、物凄く使いやすいSSTに変貌しました。
作業台に仮組みしたスポークホイールをセットして触れ取り作業にかかります。
最初、グネグネ曲がっていたホイルもスポークにテンションを掛けていき、まず縦触れを取った後、ダイヤルゲージを見ながら横触れも取っていきます。
時間をかけ、入念に振れを取っていきます。
最後はスポークを叩いて音を聞き、テンションを確認します。
https://garagetricycle.com/blog/wp-admin/post.php?post=295&action=edit
う~ん・・・まだまだ納得が・・・(笑)
とってもマニアックなお話・・・ SSとKHのハブの違い。
スポークの振れ取りをUPしようとしてたのですが、ここでとってもオタク・・・いえいえマニアックなお話。
ミドルクラスのトリプルは結構長い間生産されました。その途中で、車名もSSからKHへと変わっていったのですが、その間に細かな変更が多数あったその一部がリアハブです。
これはSS350のリアハブです。
気の遠くなるようなバフ掛けを施され眩しい位に輝いています。
こちらは後期に当たるKHシリーズのリアハブです。
違いが解った貴方はすでにオタ・・・いえいえかなりマニアな貴方です(笑)
何が違うのか??
中心にハマるベアリングの径が違うんです。
上のSS系のベアリングの方が大きく、後のKH系の方が小さくなっています。
二つを並べてみるとこの通り。
なぜか後発のKH系の方がベアリング径が小さくなっています。
それと、ベアリングの間に挟まるカラーが大きく違います。
ベアリングの支持方法も大きく異なります。
何故こうゆうふうになったのか定かではありませんが、
下のSS系はベアリングインナーレースにカラーが刺さって頑丈に思えるし、ベアリングは大きい方が荷重に対しては有利なハズです。
では何故ベアリング径が小さくなったのか??
カラーの重さは明らかにKH系の方が軽くできています。この部分はバネ下重量になるので、軽さは重要ですが、もしかしてハブのベアリング受けの肉厚不足などなど・・・
後、考えられるのは生産性の向上、つまりコストダウンかもしれません・・・あくまで私見ですが、後者の可能性の方が高そうですね。
と、まぁどうでもええ事なのですが(笑)
当社でハブ再生される場合、ベアリングとカラーが無くてもカラーの制作は可能ですが、若干料金が変わりますので業務連絡も兼ねてUPさせて頂きました。
ちなみにSSとKHのバブベアリングは違ってもハブASSYは共用可能ですのでご安心下さいませ。
P、S 「SS用とKH用がどちらの方が優れているのか?」
とかのマニアックな質問についてはお答え致しかねます(笑)
当店オリジナルKH250 400用 クロームメッキスポークを組む。その2
KH250 400用 当店オリジナルクロームメッキスポーク組み換え作業です。
ブラストを終え、磨いたハブにインナー側からスポークを組み込んでいきます。
人によって組み方はそれぞれですが、随分昔に高校生の頃、西明石の川重の下請け工場でアルバイトをしていた時、
パートのオバちゃんが、テキパキとスポークをハブに組んで、振れ取りまでやっていたのが印象的でした。
当店は私が開業するまで、この辺りでは老舗の自転車屋さんでした。
店舗のオーナーは昔からの旧車仲間でしたので、私にミッチリと振れ取りを叩きこんでくれました。
最近ではスポーク車両はオフ車位しかないので、振れ取りができる単車屋さんも激減しています・・・
スポークの先端でリムにキズを入れない様に注意しながらリムと合体していきます。
この段階になると、なんとなく「車輪」ぽくなってきます。
これはリアなので、アウターとインナーを交互に組んでいきます。
リアはスポークが短く、倒れ角もキツイので、入念に養生して組み込みます。
特に高価なエキセルHリムは光沢アルマイトが掛かっているので鉄リムの数倍気を使います。
組みあがったフロントホイール。
当時物より防水、防汚性能が格段に良くなる無給油シールベアリングを組み込み、振れ取りへ。
磨き上げたハブと新品リムと当店オリジナルのクロームメッキスポークが眩しいですね(笑)
足元が美しいと、全体がしまって見えグレードアップした気分になれます。
KH250 400用 クロームメッキスポークセット
KH250 400 SS400 S2T用 クロームメッキスポーク&ニップル前後1台分セット、高品質な日本製です。
前後1台分セット 80本 定価30800円(税込み)
製造は大手オートバイメーカにも納入実績のある国内工場にて生産しておりますので、安心してご使用頂けます。
当初、やはりサビの問題から、40系ステンレスにて制作予定でしたが、乗り心地や、「折れ」の問題もあり、 スチールに「クロームメッキ」を施す事で、通常のユニクロ&クロメートメッキ仕上げに比べ、各段の耐久性と、対候性を持たせる事ができました。
クロームメッキも国内工場にて施工致しておりますので、海外製のチープなテカテカな輝きではなく、シットリとした艶に仕上がっております。
尚、どうしてもニップルに純正の様な色付が欲しい方は、クロメートメッキ仕上げのニップル仕様も別途ご用意しております。
お気軽にお問合せ下さいませ。