2ストロークマガジン
「2ストロークマガジン」
半年に一回発売されるこの雑誌、昔から発売を楽しみにしていました。
そんなマニア延髄の雑誌社から取材の申し込みを頂きました。
まさか自分が雑誌に取材されるなんて思ってもみなかったので、物凄く光栄な事なのですが、同時に緊張と不安がよぎります・・・
編集長じきじきに取材に来てくださり、聞けば、自らH2を駆り、テイストオブ筑波などのレースに参戦する凄い方です。
そんな編集長が私のKHに「後で試乗する」と言われたので、どの様な評価を頂くのか凄く心配です・・・
同行されたカメラマンのH様、どこかでお会いした様な・・・・?と記憶を辿っていくと、何年か前にたまたま立ち寄った地元の後輩が営む暴〇族専門店、失礼!(街道レーサー?と呼ぶらしい)V&Aトータルサービスのブタ目?マークⅡの撮影の時にお会いした事を思い出しました。
この後輩、大昔から車高短ひとすじの超硬派な男です。
そんな彼の迷言?「車高の低さは知能の低さ・・・」
なるほど、妙に説得力のある言葉に思わずうなずいてしまいました(笑)
話が脱線しましたが、撮影の為すぐ近くの港まで移動するも、撮影が始まった途端に雨が・・・
そんな悪天候の中、一生懸命私のKHを撮影してくれています。
本降りになりだして、試乗は中止かな?・・・と思っていましたが、さすがは生粋のマッハ乗りの編集長、どしゃ降りの中、ものともせず甲高いエキゾーストノートを奏でながら煙の向こうに消えていきました。
そして、どしゃ降りの中すべての撮影が終わった頃、雨が止むというオチまでつきました(涙)
店に戻り、お互い仕事を忘れて?トリプル談義(汗)
私がTOTを走る編集長様のH2の事を質問攻めで、どちらが取材しているのか解らない程に(笑)
でも本当は峠道で試乗してもらいたかったのですが、あいにくの天気と相まって私のKHの本当においしい所は見てもらえたかどうか・・・
今回の撮影が、次回発売の11月号に掲載されるかどうか微妙な時期らしく、不安と楽しみが入り混じって気が気でありません。
皆様、ぜひ11月中旬~下旬??には書店で「2ストロークマガジン」のご購入よろしくお願い致します。
どれ位の大きさで掲載されるかはお楽しみですが、無論、家宝とさせて頂きます。
「鮫ブル」こと610ブル-バード2000GTーX
友人の後輩が凄い車に乗って来店。
ナント!「サメブル」こと610ブルーバードです。
サメブルを真近で見るなんて何年ぶりでしょう・・・
チンスポ&三分割りにスターシャークと、ボク達世代にはたまりません!マニア延髄のロンサムカーボーイのコンポなんて涙物です。
当時はあまり好きになれなかった610も今見ると、本当に理屈抜きでカッコいい!!
ただ、昨今の旧車の高沸には閉口します、購入価格を聞いて、ため息しか出ませんでした・・・
でも悲しいかな、本当に程度のええ車両はマニア間で取り引きされ、中古車屋さんに出回る代物は、購入後に恐ろしい程、費用が掛かる物が多いのも事実です。
でも、Zや箱スカなどに比べ、一時はゴミ扱いされた610ブルが、現在まで生き残ってくれたと考えれば妥当な金額なのかもしれません・・・
クォーターパネルに誇らしげに輝く「GTX」のエンブレムが燻し銀のシブさを醸し出しています・・・
男が男らしかった時代・・・女の子よりもシブい車に乗る先輩に憧れた・・・
ソレックスの生ガスの匂いと永チャンのBGM、そして夜の駅前ロータリー、何処の街でも繰りひろげられた光景。
携帯もポケベルもなかったけど、ロータリーにさえ行けば誰かに会える・・・車を転がしてるだけで死ぬほど楽しかった。本当に古き良きいい時代だったな・・・(涙)
しかしこの当時の車って斜め45度から見ると、なんてセクシーなんやろうね・・・
ソレ、タコ、デュアルの三種の神器で武装されたストレートシックスL型エンジンは、官能的なサウンドを奏でています。
廻りの空気を揺らす鼓動、この独特の雰囲気は、「マフラーだけ」変えた現在のガキ車では絶対に出えへん・・・
私も、KHに30年以上乗っていますが、19歳の時に買ったS30Zも、現在は「不動産」ですが、ガレージに大切に?しまっています・・・
トリプルとL型が三度の飯より大好きなんです・・・
だから、この610、よ~く冷静に観察すると、色々問題が有りそうで放っておけません・・・
旧車は初めての、この610オーナーは「旧車だから・・・」と思い込んでいた様ですが、まだまだ本調子には程遠い様ですね・・・
これからボチボチと当店で、現在の改良された部品などを取り入れながら、本来の性能を取り戻して行きたいと思っています。
オーナー様にも、修理の様子をブログにUPする事を快諾して頂いたので、みなさん、乞うご期待あれ。
MZ12 ソアラ3000GTリミテッド 復活への道のり
このMZ12が現役選手だった頃、私はトヨペットで整備士をしていました。
エンジンルームの中には懐かしい直6エンジンの6MGーEUが鎮座しています。
現在では考えられない程のバルブの挟み角を持った古典的な2バルブDOHCですが、
このエンジンを見ると、厳しかった丁稚時代を思い出します(涙)
昔の整備士はパワハラなんて当たり前で、よく工具が飛んできたりしたっけ・・・
何も教えてくれないので、見て盗むしかありません、だから覚えた事は忘れないんでしょうね・・・
10年以上、倉庫で眠っていた3000GTリミテッド、やはりバッテリーを繋いだだけでは素直に目覚めてくれません・・・
キレイなストレートシックスの音ではなく、「ブボボッボ・・・」と何本かの気筒が死んだ音が。
圧縮を測ると、幸いにも6気筒すべて12㎏とエンジン本体のコンデションはすこぶるいいようです。
プラグコードかディスキャップの不良かな?と色々考えます。カムハウジングからのオイル漏れが激しく、下回りはベトベト・・・
カムシールを点検しようとしてカバーを外すとフロントカバーからもオイル漏れが・・・
当時はお決まりのオイルプレッシャーSWとディスビOリングからも結構漏れています(涙)
若い頃、5MG系のヘッドガスケット交換などをよくやりましたが、いかんせん20年以上経っています、なにか外す度に「あ~確かこんなんやった!こんなんやった!」と薄れかけた記憶を辿りながらの作業になります(笑)
結局、プラグ&プラグコード単体で点検するも異常なし、
となると後は燃料系しかありません、どうも5番が死んでいて、5気筒になっているようです。
インジェクターを全て外し単体点検すると、5番のインジェクターの導通が無限大になっています。
インジェクターを交換し、オイル漏れの修理の為、3階建てになったエンジンの2階より上、カムホルダーをばらしていきます。
この当時では画期的なメタルガスケットなんですが、一度修理したのか、ナント!ガスケットが逆に組まれていました(驚)
そりゃオイルも漏れるハズです・・・
2000ccの1G-Gモデルと違い、ラッシュアジャスターというタペットクリアランスを油圧で自動調整する機構がついているんですがオイルメンテが悪いと、このラッシュアジャスターがイカれる事が多かったですね・・・
端面を入念に脱脂して組み付けます。トヨタマユよろしくハゲハゲになってしまったチリメン塗装を剥がし、再塗装します。オーナー様の意向で、縮緬塗装は致しません。
う~ん・・・見違える様にキレイになりました!縮緬塗装よりもコッチの方がカッコいいですよね。
スロットル周りを清掃し、ISCVもチェックします。プラグは当時流行った「白金プラグ」が付いていました。
最新のデンソーイリジウムパワーに交換します。サクションパイプを組み付け完成です。
化石のようなフラップ式のエアフロが付いているので、漏れがないように入念に組み付けます。
あれだけグズっていたエンジンもキレイな6発の音色を奏でています・・・シルキーなストレートシックスが蘇りました。そして、心配していたオイル漏れも完全に止まっています。
と、ここまで順調に行ったと思ったのも束の間、今度は急にデジパネの速度計が動かなくなるではありませんか(涙)当時、よくトリップメーターが動かなくなる症状はありましたが、今回はどうもスピードセンサーのようです。
ミッション側のパルスセンサーをバラすと、中から腐食しまくったグリスが強烈な異臭を発します!
エズきながらなんとか腐ったグリスを洗い流し、分解、清掃し組み付けます。
流石の私もパルスセンサーの修理は不可能です・・・とうにメーカ製廃部品ですので、あくまで気休めでしかありません・・・
スピード信号はECTやTEMSに影響するのはもちろん、速度が解らないと車検にすら通りません・・・
メーカーさん、こんな重要保安部品位は作って欲しいですね・・・なんせこの手の電子部品はおいそれとリプロできませんから。
それでもなんとか新規車検にも合格し、晴れてナンバープレートも交付されました。久々の4輪の修理でしたが、オーナー様の喜ぶ顔が見れてよかったです。
「三輪車」という名の当店ですが(笑)四輪の旧車の修理でお困りの方も、一度当店へお気軽ご相談下さいませ。
元祖ハイソカー?MZ12 ソアラ 3000 GTリミテッド
バブルの少し前、80年台後半から流行りだしたハイソカーブーム、「ハイソサエティーカー」の略語らしいですが昭和56年、当時小学生だった私でさえ鮮明に覚えている初代ソアラ(MZ10)のデビューはそれはもう世間を相当騒がせました。
当時、今では考えられない話ですが、多少ブサイクな男であっても、ソアラに乗ってるだけ女の子にモテるという魔法のような車だったんです。
この時代の内装は正に昭和時代の「応接間」
特にこの「サンリッター」モデルの6MG搭載MZ12には、ナント世界初のエレクトロマルチビジョンという、車にテレビがついた事で話題になりましたね。
私は西部警察よろしく大のニッサンファンで、トヨタ車はあまり好きではありませんでしたが、ソアラだけは別格でしたね。
リアワイパーにBOX型スピーカー、今や死語の世界の「TEMS」のステッカー・・・
当時はVⅠ、VⅡ、VR、VX、エクストラにGTリミテッドまで異常な程、多数のグレードが存在した為、 エンブレムチューンなんて言葉が生まれたのもこの時代からかな?
しかし、本物のEMV装着車は、左右のクウォーターパネルから生える?二本のアンテナで、すぐに解りました。
そして、流行りに流行った「ろぉ」ナンバー、いわゆる字光式ナンバープレートがあったであろう「あんどん」が泣かせます(笑)
この時代の車のリアガラスには、まだ、「無鉛」のスッテカーが張られていました。
40歳以下の方なら、このステッカーの意味は解らないでしょうね(笑)
ハジメちゃんよろしく、どこの街の駅前ロータリーでも、必ず見つける事のできた一世を風靡したソアラですが、30年超え選手となり、めっきり姿を見なくなりました・・・
このMZ12 3000GTリミテッドは、一年足らずでMZ20系へとフルモデルチェンジした為、元々生産台数も少なく希少なモデルです。
この希少なソアラはある農家の倉庫で20年余り眠っていた、いわゆる「不動産」ってやつでしたが、
トライシクルで再び日の目を見る為、入念に整備し、新規車検を受け、再びネオンの輝くロータリー・・・やない(笑)公道へと復活させます!
3月になると、当店では、なぜか車の入庫が多くなります。
車検で入庫したライフですが、入念にチェックした甲斐か?マスターシリンダーからのブレーキオイルの漏れを発見。
ブレーキを構成する重要な部品なのですが、外してよく観察すると、ブレーキ倍力装置のサビ具合から判断すれば、ずいぶん前から漏れていた可能性が・・・
整備点検記録簿を見る限りこの車両は、前回某ディーラーにて車検したはずなのですが、本当に危ないところでした・・・
まさに昨今の車検価格の崩壊による悪しき一例かもしれません。
ディーラー整備士なんて、時間に追われ、効率のみ求めてられて、廻りを洞察する余裕なんてある訳がありません・・・
挙句の果てには、6本あるプラグが「3本だけメーカーが違う」という暴挙まで・・・これは明らかに6本交換するのが面倒くさかったのでしょう。
しかし、マスターシリンダーのインナーキット交換なんて何年ぶりでしょう・・・
昭和の頃の車は、2~3年もすれば、マスターからブレーキフルードが漏れるのは当たり前の事で、まだ見習いだった私は兄弟子達に怒鳴られながら作業したイヤな思い出が蘇ります(笑)
しっかし、なんでホンダ車ってタイミングベルトを交換するだけにここまでバラさんとアカンねん!
整備性の悪さは結局高額な工賃となって消費者に帰って・・・
イヤイヤ、価格競争の煽りで工賃に転嫁できる訳もなく、泣くのは場末の工場だけって話やね・・・(涙)
レガシーB4
先日、USS名古屋で購入したレガシーB4。
希少なGT-Bの5速M/T。13年も経っていますが、走行距離は3万9千Kmしか走っていない程度の良い車両です。
車検も通し、納車に向けて入念に整備します。
スバル伝統の水平対向エンジンは、整備士泣かせのエンジンです。
消耗品を徹底的に交換するんですが、水平対向ゆえ、いかんせん手がはいりません・・・クラッチフルードを交換するにも、インタークーラーまで外さないといけない始末。
やっと完成と思った矢先にマルチインフォメーションディスプレイとやらがいきなり壊れました(涙)
急遽、スバルの友人に聞くと、「あっそれ、レガシー全部なるで~まぁ持病みたいなもんやな ♪ 」と軽~く言ってくれます。
トドメは「メーカ対策部品みたいやから、部品代12000円くらいで済むで~」
オイオイ、なんで対策部品が一万超えんねん・・・(汗)
こうなると、またもや変に闘志が湧いてきます。
絶対「修理」してやる!!
どうせ、失敗しても元やし、とっととバラします!
この手の電子部品の不具合は、ほとんどが基盤のハンダ割れによる通電不良です。流石にどの部分の不良なのかは、老眼で近場がほとんど見えなくなったアラフィフの視力では判定不可能(涙)なので、可能な限り接点をハンダしまくりました。
いつものドキドキの瞬間・・・
キーを廻して、思わずガッツポーズ!
真っ黒だったディスプレイが再び光を取り戻しました。
スーパーカー世代羨望の眼差しストラトス!
本日のトライシクル。
凄い車!
スーパーカー世代羨望の眼差しストラトス!
友人が経営するバイカーズカフェ「Herose」からご来店頂きました。
音フェチ?な私は、奥の1.3フルチューンミニのハイカム&ウェーバーが奏でる官能的なエキゾーストノートに酔いしれていました(笑)