マッハ&KHの都市伝説。
最近よく「混合にすると、クランクが焼き付きませんか?」という質問を受けます。
結論から申し上げて、それは全くの勘違いなんです・・・
何故なら、ことミドルマッハ系に限ぎって潤滑経路を見れば一目瞭然です。
これはKH400のクランケケースのオイルライン取付部です。
バンジョーボルトを介してクランクケースにオイルラインが付くので、何を隠そう私も20年くらい前までは、混合にするとクランクが焼き付くと言う都市伝説を信じ込んでいました(笑)
この「見た目」故、クランクにオイルが廻ってからシリンダーに行っている物と思い込んでいたんですね・・・
「混合にすると、クランクにオイルが廻らなくなり、焼き付く」と言う都市伝説が生まれたのも不思議ではありません。
ところが、このバンジョー取付け部分をよ~く見てみると、なんとクランクには行っていません!
パーツクリーナーを吹き付けても、ケース内には漏れず、シリンダー向かう穴にしか流れません。
オイルポンプより圧送されたオイルの流れは矢印の通りにしか流れないんです・・・
そしてケースに入ったオイルはシリンダーへ向かい、シリンダーに設けられた穴を通って吸気ポートへと向かいます。
そして、吸気ポートに設けられたこの矢印の穴より混合気と混じりエンジン内部へと送られます。
この混合気との比率がノーマルでは20:1~25:1になるようにオイルポンプで調整されています。
そして、吸気ポートより入り、燃料と混合されたオイルは、一旦シリンダー内部を通り、一次圧縮により、やっとクランクを潤滑します。
そしてクランク室から掃気ポートを経て再度シリンダーを潤滑したあと燃焼され、排気ポートより煙となって排出されます。
全体的なオイルの流れは上の画像の矢印のような流れとなります。
だから、混合だろうが、分離給油だろうがオイル経路としては同じになるので、混合にするとクランクが焼き付くという話はKHによくある都市伝説の一つなんですね。
混合仕様にすると、混合ガソリンを作らないといけないという面倒は確かにありますが、混合にすることのメリットはそれを差し引いても有り余る、計り知れないメリットがあります。何より最新のエステルベースの100%化学合成油を50:1でだって使えるんですから・・・
混合化をためらっていた貴方・・・・目から鱗でしょ(笑)