トリプルシリーズCDI考(その2)
KH400乗っている限り、避けては通れない持病、エキサイターコイル不良なのですが、それについてあ~だこ~だと悩んでいた所、たまたま当店に、元川重開発部にいらっしゃいました巨匠がエスハチに乗って遊びに来てくださり、当時の開発秘話を聞く事ができました。
KH400はフラマグCDIとなっており、チャージコイルで発生させた電流を使って点火する為、バッテリーが内部ショートでもしない限り、バッテリーが上がった位では問題なくエンジンはかかります。
2個の発電用コイルと1個の点火用コイルがあり、フライホイールには6個の永久磁石が貼り付けられており、点火用コイルは二段になっています。下段のチャージコイルで発電し、上段はエキサイターコイルになっています。
三個のコイルの一つ分とフライホイールのマグネット一枚の大きさが同じになっていて、120度間隔に配置されたパルサーコイルでクランク角を検出して火を飛ばしています。
下中央の画像は、H1EやH1Fなどに採用されたブラシ式?のユニットですが、これは三つあるカーボンブラシにより分配されます。
初期ディストリビューター式に比べ、空中放電が無い分ロスは少ない上、浸水によるリークの心配もなくなりますが、カーボンブラシが消耗してしまいます・・・
その為、最後発のKH400のシステムがいいように思えますが、
この三個のコイルのうち、V字型に配置された発電コイルのニクロム線はそれなりに太いのですが、点火用エキサイターコイルには樹脂で保護されているとはいえ、かなり細いニクロム線で巻かれています。それにKHのカバーにはなぜか画像の→の位置に、切り欠きがあり、そこから雨水が侵入しやすくなっている気もします・・・
バラされた点火ユニットを見て巨匠曰く「当時はAC-DCやからな・・・」と
ヘビメタ??かな?と思いきや、交流→直流の意味だそうで、現在のシステムはDC-DCらしく、直流でユニットにきているそうです。
近年の高性能レギュレートレクティファイヤーとDCユニットを組み合わせれば、現在のシステムが流用できるかも??
今後の課題として、本当に目から鱗のお話をタイムリーに聞く事ができました。