兵庫県加古川市のガレージ トライシクルのブログです Archive | 11月

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私のKHが2ストロークマガジンに掲載されました。

本日、以前にウチのKHを取材して頂いた2ストロークマガジンが発売されました。

 

 

ネットに侵され、本を買うのは本当に久ぶりなんですが、あの中身が見えない黒い袋に妙な懐かしさを感じながら(笑)本屋ですぐにでも立ち読みしたい気持ちを必死でこらえ(何故ならDVDが同封の為、紐でくくってあるんです!)店に帰って、他のページには目もくれずガン見状態に。
名だたるショップ様に交じって当店を取り上げて頂いた事に、本当に感謝の気持ちでいっぱいで、感無量です。
また撮影もそうなんですが、自分にはもったいない程の記事の内容に、ただただ感激するばかりです。

 

 

試乗して頂いた後藤編集長、自らH2を駆り、TOTへ絶対的に不利な2サイクル三気筒で参戦する様は、往年の神伝説、アップハンのノーマルH2でワークス勢を置き去りにしたミスターカワサキこと清原明彦氏を彷彿させます。
そういえば、私が小学生の時、近所の散髪屋さんで、清原明彦さんを何回かお見かけしていたのですが、その時その散髪屋のオヤッサンが「あのオッちゃん、ホンダに乗っとったら絶対世界一になっとったハズや!」とよく嘆いていたのが印象的でした。
その何年か後に清原さんの活躍や伝説を聞き、あの時の方があの伝説のライダーだと知って、ファンいえ、信者にならない方が不思議です。
その後、兵庫区の方へ引っ越され、お会いする事もなくなってしまいましたが、先輩がZ400GPの「Kiyoスペシャル」を購入し、ライムグリーンに赤と白のラインという鮮烈なカラーにキヨさんの手書きサインが入ったキヨスペシャルZ400GPのカッコよさは今も尚、私の脳裏に焼き付いています・・・

 

 

話がかなり脱線しましたが(笑)そんな生粋のマッハ乗りの方に試乗して頂けるのは凄く貴重な事なんです。
何故なら、現代のバイクにしか乗った事のないライダーが私のKHに乗るという事は、すなわちF15ストライクイーグルや現代のジェット戦闘機にしか乗ったことないパイロットが、零戦に乗ってインプレッションする様な物であり、的を得たインプレなどできるはずがありません・・・
しかしそれ故、逆に悪い所もすべて的確に見抜かれてしまう・・・という複雑な心境で取材を見守っていました。

 

 

そうして店に戻り悦に浸っていると、メール便のオバちゃんが現れ、「さっき寄ったら不在やったでね~」って渡してくれた物を見てあ然!
なんと編集部様が1部送ってくれていたという、なんと間の悪いオチでした(涙)
1900円と少々お値打ち価格ですが、DVDも付いてて、官能的な2サイクルレーサーのエキゾーストノートも聞けますので、今すぐ書店へGO!

しかし、ええ歳こいたツナギを着た小汚いオッサンが、駅前で怪しい黒い袋に入った本をぶら下げてニヤニヤしてた事は、嫁ハンや家族には内緒です(笑)

 

KH250ダブルディスク化について

KH250のダブルディスク化の依頼がありました。
元々、KHシリーズには750ccもあるH2の様なWディスクのオプション設定はありません。

 

 

純正キャリパーでダブルディスクにするには左フォークアウターにフェンダーブラケットを溶接するんですが、溶接を上手くしないと熱でボトムケースが歪みフォークの動きが悪くなってしまいます。
過去の経験から、ほとんどの加工アウターチューブは溶接時の熱歪みによりインナーチューブがスムーズに動かなくなります。少し前は他のショップ様が削り出しでアウターチューブを販売していた事もありましたが現在では入手困難です。だから安全上の観点からもこの依頼はお断りするつもりでした・・・
だけど「ノーマルのブレーキは恐ろしい程効かなくて怖い・・・」と言うオーナー様の言葉が突き刺さります・・・

プライベーターからプロに転向し、やはり責任と法規に縛られ「本当の安全」について逆に考えさせられます・・・
ブレーキを強化する事により、本当に沢山の命が守られていたとしてもそれは「当たり前」でありますが、万分の1でも製造上や取付けに不具合があればすべてコチラ側の責任になります・・・
プロである以上、万分の1もあってはならないのは理解できます、ただそれ故、パーツを簡単かつリーズナブルに販売する事は困難になってしまいました・・・
しかし、ノーマルブレーキの「安全性」については、25年以上も怖い思いに悩まされ続けた私が一番知っているつもりです・・・
だからあくまで「自己責任」を承諾して頂き、分解整備に該当しない軽二輪と言う事もあり作業を承諾しました。

 

 

やはりこのフォークも例に漏れず、スプリングを外しフルボトムさせるとインナーチューブが戻ってきません・・・

この画像はその持ち込んだ加工アウターチューブをバラした内部です。溶接の歪みによりインナーチューブがスムーズに動かない為、内部が削れてガリガリ状態です。
現行車のようなスライドメタルを持たない旧車はアウターとインナーのクリアランスが命です。
ゴム砥石とペーパーで傷を修正しますが、ほとんど気休めです・・・
なんとか渋いながらも動くように入念に仕上げ、高レートのスプリング反力を期待して、当店強化フロントスプリングにも一役担ってもらいます。

 

 

 

また、ヤフオク等でダブルディスク化と謳っている物のほとんどはポン付け不可能です・・・
単純にシングルと比較しても、まずマスターシリンダーの容量が足りません・・・シングル用の1/2サイズをそのまま使うとブレーキレバータッチはフニャフニャになって制動どころではありません。

 

 

 

また3WAYジョイントからブレーキスイッチの信号を取っているこの時代のカワサキ車には、Wディスク用の4WAYジョイントも必要です。右側のダストカバーやブレーキパイプ&ホース、それにキャリパーブラケットもそのままではディスクに干渉してしまいます。
これらの部品代と作業にかかるコストは下手すると格安中古車が買えてしまうほどの金額です・・・

 

 

画像のクロモリボルトはディスクアライメント用に仮止めしている物です、強度的にはこのクロモリボルトが最適ですが、最終的には強度区分10.9のスチールボルトでロックワッシャーを介して固定します。右側にもディスクボルトロックワッシャーを忘れず装着して頂きたいですね。
また、この持ち込まれたキットに付属していたキャリパー固定用ボルトは「ステンキャップボルト」でした。
ステンレスは錆なくていいのですが、脆く折れやすい一面もあります。まずこの太さで折れる事はないでしょうが、当店では見た目と強度を兼ね備えたSCM鋼にスズメッキを施したキャップボルトを使用し万全を期します。

 

 

これほどの手間とコストをかけても効きは「シングルよりは効く・・・」程度なんです。
それにダブルのディスク板の重量により、フロント廻りがかなり重くなってしまいます。バネ下重量ってのは操安性はもとより動力性能にも大きく作用します・・・

ルックスに重点を置くと、純正然としたダブルディスクに尽きます・・・
見た目がカッコイイのは私も認めます。が、安易に加工アウターチューブを使うのにはやはり問題がある事を知って頂きたいのです。
今回も思っていたより大変な作業でしたが、試乗を終えたオーナー様の顔で、苦労も報われました。

 

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