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高知のKH乗りさん。

KH乗りなら誰もが知っている?カリスマブロガーのノリさん。
高知県在住のKHをこよなく愛す好青年です。

随分前、まだサラリーマンだった私がネットで数少ないKHネタを探していると、
それはそれは写真の美しいブログを発見!
あまりのKHの美しさに見とれてしまった記憶が・・・

写真が美しいのもそうですが、その美しいKHのある部分を見て衝撃が走りました!
よ~く見ると、ナントあのヨシムラTMキャブが装着されているではありませんか!!
パーツの入手困難な上、センシティブなノーマルキャブにうんざりし、どうにかして社外キャブを付けてやろうと試行錯誤していた矢先に、私の目に飛び込んできたTMフラットバルブキャブの画像・・・
その頃、私の知る限り、KHに社外キャブを付けている人は誰一人として見た事が無かったので、正直「ヤラれた・・・先を越された」と落ち込みましたが、私もPWK28の取り付けに一段落していたので、「向こうは26φやし・・・」と自分に言い聞かせたのがついこの間のようです(笑)

またキャブについては、おいおいUPさせて頂きますね。

それからしばらくして、徳島であったBRCさんのミーティングで、あのブログのKHを発見!
これは何としてでもお話しないと!と思い、会場を見渡すも、ブログでしか見た事のない方を探すのは超アナログ世代の私には大変です・・・なかなかオーナーらしき方が現れませんが、なんとかイベントの帰り際にオーナーを発見し、無理矢理お声掛けさせて頂きました。みんなで帰るので、あまり引き留めるといけないと思い「いつもブログ拝見させて頂いてます!」とだけ伝えるつもりだったのですが、わざわざヘルメットを脱いで、キチンと挨拶して頂いた事は、今尚、鮮明に記憶に焼き付いています・・・
一瞬の出来事だったのですが、ノリさんの人間性を垣間見たようで、一瞬でファンになってしまいました。

それから何年か後の淡路島バイクミーティングで、私がトライシクルを開店すると伝えると、
遠路遥々、高知から駆けつけてくれました。
現在のトライシクルのHPの表紙は、その時、ノリさんが撮ってくれたものなんですよ。
ウチの商品を本当に理解してくれ、私が30年のKH生活の中で、本当に困った事や、欲しかったパーツなど、「解ってくれる」嬉しさは私にとって本当の意味の報酬であったりもします。
乘り続ける大変さ、乘り続けていく大変さを解っているからこそ解ってくれるんだと・・・

また、彼の手に掛かれば、タダの単車が芸術作品になるから素晴らしい!
私もカメラの勉強をしてみたいと思うようになったのも、ノリさんのブログの影響です。
ただ、何でも凝り性で、ドップリとハマる性格の私がカメラの世界に目覚めたら・・・
それこそ破産間違いなしなので・・・(汗)

しかし、これだけ愛してもらえるKHは本当に幸せでしょうね・・・
奥様がKHに嫉妬しないか不安なのは、私だけではないハズです(笑)

彼は最近、イベントに精力的に参加し、撮影会も行っているようですので、
愛車を、それはまるで七五三写真のように美しく撮ってくれる事間違いなしです!
ブログには、本当に美しい、芸術のような単車達が多数写し出されています。
目の保養にぜひ一度、ご覧くださいませ。

「高知のKH乗り」

https://blogs.yahoo.co.jp/nori_kh400cc_1115

 

スピードショップ イトウ 伊藤晶雄という男。

スピードショップ イトウといえば、バイクスピークというアメリカの過酷なレースに参戦、テイストオブ筑波などなど、レースの世界、並びにZ系カスタムにおいて、もはや説明の必要もない程の有名なショップになっています。

その店の代表、伊藤晶雄とは、たまたま岐阜にある中日本自動車短期大学で同級生でした。
彼と初めての出会いを今だ鮮烈に覚えています、18歳の一回生の時、学生専用二輪駐車場で、私がKH250を止めている真横にわざわざ?750RSで乗り付け、開口一番、ぶっきらぼうに「ケッチじゃん、渋いね・・・」と声を掛けてきました。
当時、KHは超不人気車で、向こうは当時からライダーの憧れ750RS通称「ゼッツー」と呼ばれる「ナナハン」です。ましてやナナハンは免許の関係で当時は本当に数少なく、ナナハンにさえ乗っていれば、車種に関係なく羨望の眼差しで見られました。
そんなナナハンに乗った男に上から言われたもんですから、素直に受け取れる訳もなく、「コイツ、見下ろしかえ・・・」ってヒガミ半分、ホンマそう思ってるんやろか?とかで複雑な気持になった記憶が(笑)

あれから30年・・・単車屋のオヤジになる夢をあきらめきれなかった私は、長年勤めていたトヨタディーラーを辞め、トライシクルを始める事に。
今まで長い間、会社という城に守られ続けていた自分にとって、経営とはまったく無縁な世界です・・・
そんな時、岐阜で単車屋を成功させたアキオの事が頭によぎります。無理を承知で、「研修させて欲しい」とお願いするも、「単車屋なんて絶対儲からん!オレでも食うのが精一杯やぞ!」と一蹴。
今ではあの時、晶雄の言った言葉の意味を身を持って痛感していますが(笑)最終的には同級生の無理な願いを快く受け入れてくれました。
その研修で受けた「いい物だけを造りたい」という晶雄イズムの影響は相当大きく、現在の私の大きな支えとなっています。

そして今年もまた、PMC様主催の「淡路島バイクフェスタ」の時期になってきました。
今年はまだ、ブースを出せる程の物もなく、イベント経験のない私は、また晶雄を頼り「イベントの研修をさせて欲しい」と願い出ると、岐阜弁?で「ほんだら~ケッチと部品持ってくりゃ~え~わ」と軽く言ってくれます。
SSイトウのブースで展示できれば、私にとってこれ以上の事はありませんが、さすがに一つ間違うと族車か旧車会に見えるKHを展示するのは完全に場違いです、なのに彼は「もってくりゃ~宣伝になるって」。
「イメージダウンになるのでは?」と問いかけると、「そんな小さい事で、ウチはどうもならん!」と言い切ります。
それどころか、自身が長い間培ってきた人脈を惜しげもなく私に紹介してくれ、多数の大御所と呼ばれる社長様ともご挨拶する事もできました。

ただ「同級生」という繋がりだけで、はたして自分は同じ様な事を他人にできるのだろうか・・・
緻密な造り込みと、自らライディングしTOTを走り、アメリカまで遠征、ブレずに一筋でやってきたからこそ今のSSイトウがあるんだと思い込んでいましたが、それも含め、彼の懐の深さと漢気が今のSSイトウを作り上げたんだと今回改めて痛感しました・・・

来年は絶対自分のブースを出すと固く決意し、学生時代の友人と淡路島を後にします、
晶雄、本当にありがとう。

KH用 ブレンボブレーキキット 競技用

構想から6年・・・念願のKH用完全ボルトオンブレーキキットが完成しました!

 

 

最近のオートバイにお乗りの方には、まず理解できないと思いますが、ディスクブレーキ黎明期のカワサキトリプルは本当に恐ろしい程ブレーキが効きません・・・ブレーキをなんとかしょうにも強化パットすらない現状に憂慮していました。

見た目と効きや価格のバランスがとれたブレンボラグビーキャリパーをKH250、400に完全ボルトオンで装着する為、スポーク逃げ加工済みキャリパー、専用サポート、ステンレスオフセットスペーサー、取り付けボルト、アールズステンメッシュホース、ステンバンジョーボルトをセット致しました。
ホースは純正3WAYジョイントまででとしましたので、ハンドル高さを気にせず取り付け可能です。

また、お求め易くなった、ブレーキホース無しキットもご用意致しました。
すでに、メッシュホースなどに交換済みのお客様や、安価な社外ホースで組んで頂いても制動力は、ほぼ変わりませんので、この機会にぜひブレンボの制動力を手に入れて下さい!
尚、ホースなしキットは、純正のホース&ブレーキパイプのままではご使用頂けません。
現在、社外ホースに変更されている方も、キャリパー側の取り付け部をバンジョータイプに変更し、P1.0のバンジョーボルトとクラッシュワッシャーをご用意下さい。

 

アールズ社製ブレーキホース付きボルトオンキット  税込み106700円(税抜き97000円)
ブレーキホース無し ブレーキキット           税込み87780円(税抜き79800円)

 

当初、限定50台分の予定でしたが、現在キャリパーの入手が困難で、初回10台限定とさせて頂きます。キャリパーが入荷次第順次生産予定ですが、今の所、キャリパーの年内入荷は難しいとの事ですので、お急ぎの方はお早目にご連絡下さいませ。

 

 

対抗2ピストンキャリパーの通称「ラグビーキャリパー」をKHのノーマルディスクとスポークホイールに装着できる様、冶具を制作し、フライス加工いたしました。
キャリパーの肉厚にも十分注意しながら、スポークとのクリアランスが確保できるよう切削しています、切削面は融雪剤等でも腐食しない様、ウレタン塗装を施し万全を期しております。(画像は塗装前です)

 

 

キャリパーサポートにはA2070系ジュラルミン材をマシンニング加工、あえて肉抜きはせず、80年代の無骨なレーサーを意識しデザインしました。もちろん切削後のアルミの腐食対策に白色アルマイト処理を施しております。
取りつけボルトにも拘り、細目ピッチSCM鋼ボルトはもちろんの事、フォーク側にはスズコバルトメッキボルトを、キャリパー側には、黒染めより耐候性のあるブラック三価クロメートメッキボルトを採用、旧車本来の雰囲気を損なわない様に配慮致しました。

 

 

ブレーキホースも現在ではアールズ社を採用するホースメーカーはめっきり少なくなりましたが、あえて「アールズ製」を採用、安価な他社製品でもまず問題ないのでしょうが、やはり私ら世代には「アールズ」の響きは特別なものです・・・
バンジョー等々、アルミ製のフィッティングならもう少し価格も抑える事もできたのでしょうが、どうもチープな外観が・・・やはりステンフィッティングの質感だけはどうしても譲れません。オフセットスペーサーもサビとは無縁のSUS304にて制作しております。

より強力な制動力をお求めの場合、ピストン径が一回り大きいロッキード製2629キャリパー仕様も別途ご用意致しております。価格、納期等お問合せ下さいませ。

 

 

本来の性能を十分に味わって頂く為にも、マスターシリンダーのオーバーホールは必ず行って下さい。純正1/2マスター対応としていますが、ニッシン製の一体型マスターへの交換と3WAYジョイントからマスターシリンダーまでもステンメッシュホースへの交換をお勧めします。

純正のスポークホイール対応ですが、製造より40年以上経った物が殆どです。旧車故、経年変化ならびに車両個体差も相当大きいです、ホイール単体の振れは必ずご確認下さい。
スポークとキャリパーのクリアランスは1.5mm~1mmを基準としております。
クリアランスが1mm以上確保できない場合、スポークの振れ取りを再度行い、クリアランスを規定以上確保できない場合は絶対に使用しないで下さい。

尚、この商品はあくまで「競技専用部品」です。一般公道でのご使用は絶対にお止め下さい。
公道でご使用された場合、当店での責任は一切取れませんのでご了承下さい。
また、ブレーキの取り付けには必ず認証工場で行って下さい。
くれぐれも慎重に取り付け、並びにご使用の程、よろしくお願い致します。

 

KH250 クロームメッキスポークとHリム装着例

当店オリジナルKH250 400用クロームメッキスポーク エクセルHリム装着例

かねてより要望の多かった、クロームメッキスポークを実際にKH250に組み込んだ画像をUPさせて頂きました。

 

 

このKH250は私個人の車両ですが、当店メッキスポークとアルムHリムを組み合わせています。
個人的には、Hリムはあまり好きではなかったのですが、光沢をエクセルHリムの光沢アルマイトの輝きに合わせた甲斐もあり、ノーマルのユニクロメッキ+クロメートニップルよりも、リムとの一体感があり、結果オーライかな?(笑)

 

 

アルミリムは見た目ももちろんですが、何より鉄より断然軽いんです!
これは純正リムとアルミUリムとの重量比較ですが、同じ1.85-18でもこれだけ重量差があります、単体で約40%もの軽量化になります。バネ下重量の差は、思った以上に操安性の差となります。

 

 

 

現在、新品の鉄リムはフロントが手に入りません・・・
DID製などの汎用18インチ40穴のリムで組もうとすれば、組めない事はないのですが、元々ドラムブレーキ用のリムですので、ディスクブレーキのKH系などで組むとスポークの倒れ角がキツくなりスポークに無理な力が掛かる為、危険です。
純正の鉄リムに比べ高価で、それなりの納期が掛かるEXCELリムですが、KH専用設計ですので、安心して乗って頂けると思います。

 

 

もちろん、スポーク張替えサービスも行っております。
ハブを送って頂ければ、ブラスト後、無給油ベアリングに打ち換え、振れ取りを行い、お返し致します。(バフ仕上げは別途料金)
足元が決まると、愛車が見違えるように見栄えがアップします!
納期は約二週間程掛かりますので、真夏や真冬のあまり乗らない時期とかがオススメですね。

KH250 SS350 KH400用 クロモリシリンダースタッドボルト

旧車乗りにとって、サビとは宿敵であり、サビ対策は永遠のテーマだったりします。
それ故、どうしても「ステンレス至上主義」に陥り易くなります。

かくいう私も例に漏れずステンレス至上主義者でした。
L型エンジンにハマりまくった20代、ステン等長タコ足を買う為に血眼になってバイトしてた事もあったな(笑)
「SUS304ミガキ」という素材の響きがサビと戦う旧車乗りには耳障りよく聞こえたんでしょうね・・・
だからまだサラリーマンだった10年程前、欠品のKH400のエンジンスタッドを、電蝕(アルミとステンレスでは電気的な腐食が起こる)のデメリットよりも、特殊な形状でサビ易いマッハ系のスタッドボルトには、迷わずサビに強いSUS304で製作しました。

 

 

今、現在も私のKH400の心臓部にはこのSUS304のスタッドボルトが入っています・・・

が、いろいろ解ってくると、ステンレスが旧車にとって必ずしも「最適」な訳ではないようです。
ステンは硬くサビに強いのですが、「脆い」のです。
脆いという事は、すなわち「折れ」や「欠け」になり易いという事になります、だから船舶関係のボルトにはステンレスは使わないんです、ステンボルトは折れやすい上に後の始末が悪いんです。
以前、スポークを製作する時、試作品をステンレスで作ったんですが、乗り心地が悪い上、やはり何本かのスポークが「折れる」という結果に・・・だから量産はできず、スチールにユニクロよりも数倍対候性のあるクロームメッキを施す事で発売に至りました。

そんな訳で、この度、満を持してミドルマッハ用クロモリ製シリンダースタッドボルトを発売します。
一概にクロムモリブデン鋼といっても様々ですが、2サイクルにはオーバークォリティーかと思える位、丈夫で粘りもあるSCM435に調質(焼き入れ、焼き戻し)を施しております。
当初、仕上げに純正同様ユニクロメッキをする予定でしたが、SCM435鋼とユニクロメッキは相性が悪く、素材のまま、もしくは黒染めで発売予定でしたが、パーカーライジング処理を施す事によりステンとまではいかなくても、飛躍的に対候性を持たす事ができました。

 

 

左から純正、ステンレス、クロモリです。
恐らく純正はS45C?いやもしかして安価なSS鋼かもしれませんね。

う~ん・・・しかし、ステンの鈍い光が妙にカッコええと思うのは私だけでしょうか(笑)

 

 

上段がKH250 SS350用で、下段がKH400用です。
それぞれ、上が純正、下がクロモリスタッドです。

 

 

こやって実際にケースに仮組みすると、怪しく黒光りするナニを見て思わずニヤリ。
こうゆうアイテムって見えないオシャレ・・・下着に拘るマダムみたいなもん?ですかね(笑)

 

 

とりあえず初回ロッド、KH250、SS350用とKH400用それぞれ限定30台分、製作致しました。
特殊な形状のヘッドボルトももうすぐ出来上がってきます。
最終検品が終わり次第、価格等お知らせ致します。

 

MZ12 ソアラ3000GTリミテッド 復活への道のり

このMZ12が現役選手だった頃、私はトヨペットで整備士をしていました。
エンジンルームの中には懐かしい直6エンジンの6MGーEUが鎮座しています。
現在では考えられない程のバルブの挟み角を持った古典的な2バルブDOHCですが、
このエンジンを見ると、厳しかった丁稚時代を思い出します(涙)
昔の整備士はパワハラなんて当たり前で、よく工具が飛んできたりしたっけ・・・
何も教えてくれないので、見て盗むしかありません、だから覚えた事は忘れないんでしょうね・・・

10年以上、倉庫で眠っていた3000GTリミテッド、やはりバッテリーを繋いだだけでは素直に目覚めてくれません・・・
キレイなストレートシックスの音ではなく、「ブボボッボ・・・」と何本かの気筒が死んだ音が。
圧縮を測ると、幸いにも6気筒すべて12㎏とエンジン本体のコンデションはすこぶるいいようです。
プラグコードかディスキャップの不良かな?と色々考えます。カムハウジングからのオイル漏れが激しく、下回りはベトベト・・・
カムシールを点検しようとしてカバーを外すとフロントカバーからもオイル漏れが・・・
当時はお決まりのオイルプレッシャーSWとディスビOリングからも結構漏れています(涙)
若い頃、5MG系のヘッドガスケット交換などをよくやりましたが、いかんせん20年以上経っています、なにか外す度に「あ~確かこんなんやった!こんなんやった!」と薄れかけた記憶を辿りながらの作業になります(笑)

 

 

結局、プラグ&プラグコード単体で点検するも異常なし、
となると後は燃料系しかありません、どうも5番が死んでいて、5気筒になっているようです。
インジェクターを全て外し単体点検すると、5番のインジェクターの導通が無限大になっています。
インジェクターを交換し、オイル漏れの修理の為、3階建てになったエンジンの2階より上、カムホルダーをばらしていきます。

 

 

この当時では画期的なメタルガスケットなんですが、一度修理したのか、ナント!ガスケットが逆に組まれていました(驚)
そりゃオイルも漏れるハズです・・・
2000ccの1G-Gモデルと違い、ラッシュアジャスターというタペットクリアランスを油圧で自動調整する機構がついているんですがオイルメンテが悪いと、このラッシュアジャスターがイカれる事が多かったですね・・・
端面を入念に脱脂して組み付けます。トヨタマユよろしくハゲハゲになってしまったチリメン塗装を剥がし、再塗装します。オーナー様の意向で、縮緬塗装は致しません。

 

 

う~ん・・・見違える様にキレイになりました!縮緬塗装よりもコッチの方がカッコいいですよね。
スロットル周りを清掃し、ISCVもチェックします。プラグは当時流行った「白金プラグ」が付いていました。
最新のデンソーイリジウムパワーに交換します。サクションパイプを組み付け完成です。
化石のようなフラップ式のエアフロが付いているので、漏れがないように入念に組み付けます。

あれだけグズっていたエンジンもキレイな6発の音色を奏でています・・・シルキーなストレートシックスが蘇りました。そして、心配していたオイル漏れも完全に止まっています。

 

 

と、ここまで順調に行ったと思ったのも束の間、今度は急にデジパネの速度計が動かなくなるではありませんか(涙)当時、よくトリップメーターが動かなくなる症状はありましたが、今回はどうもスピードセンサーのようです。

 

 

ミッション側のパルスセンサーをバラすと、中から腐食しまくったグリスが強烈な異臭を発します!
エズきながらなんとか腐ったグリスを洗い流し、分解、清掃し組み付けます。
流石の私もパルスセンサーの修理は不可能です・・・とうにメーカ製廃部品ですので、あくまで気休めでしかありません・・・
スピード信号はECTやTEMSに影響するのはもちろん、速度が解らないと車検にすら通りません・・・
メーカーさん、こんな重要保安部品位は作って欲しいですね・・・なんせこの手の電子部品はおいそれとリプロできませんから。

それでもなんとか新規車検にも合格し、晴れてナンバープレートも交付されました。久々の4輪の修理でしたが、オーナー様の喜ぶ顔が見れてよかったです。

「三輪車」という名の当店ですが(笑)四輪の旧車の修理でお困りの方も、一度当店へお気軽ご相談下さいませ。

 

KH250 400用 強化ブレーキキット。

カワサキトリプルシリーズにお乗りの方なら、誰もが経験したことがあると思いますが、
「車は急に止まれない」よろしく「トリプルも急に止まれない」・・・(笑)
田舎道で脇から軽トラのおじいちゃんでも割り込んでこようものなら冷や汗モノです。
冗談抜きで自転車のように「足」を出して止まりたくもなります(涙)

KA(500SSの初期型)などはツーリーディングドラムというシステムのブレーキなんですが、これは 意外にサーボ効果もあり、調整さえちゃんとやれば、街乗りなら逆にKHとかのディスクより扱い易かったりします。それにKAは歴史的価値もあるので、ボクもおそらくドラムのまま乗り続けるでしょう・・・

なにせ、この頃はディスクブレーキの黎明期で、雨なんぞ降ろう物なら制動距離は凄まじく、また、マッハに限らず、この時期の旧車全般のディスクブレーキはは半端なく効きません(涙)

じゃあブレーキを強化すればいいだけの話なんですが、これが非常に奥が深いんです・・・
ただ単に制動力のみを上げたいのなら、最近のキャリパーをサポートをこしらえて取りつければいい話なんですが、旧車の場合、ルックスも大切です。

ルックスに最重点を置くと、フォークアウターと左キャリパーを加工したダブルディスクに尽きます・・・。
純正キャリパーでダブルディスクにするには左フォークアウターにフェンダーブラケットを溶接するんですが、溶接を上手くしないと熱でボトムケースが歪み、フォークの動きが悪くなったり、なによりダブルのディスク板により、フロント廻りがかなり重くなってしまいます。
ダブルディスクは相当のコストが掛かる割りには制動力は?で「シングルよりはよく効く」感じです。

そうなるとルックスと効きのバランスがええのがローキッドの2696シリーズになるんですが、
これがもう難題だらけ・・・
Z系にでも干渉するのに、なおフォーク径の細いミドルマッハでは、幅の広い対抗ピストンキャリパーなど、いとも簡単にスポークと干渉してしまいます・・・
ディスク板にスペーサーをかまし、ローターをオフセットしようにも、今度はフォークとディスクが干渉してしまいます・・・
本気でリア用の小さなキャリパーにしょうかと思った事もありますが、制動力が飛躍的に上がらないなら意味がありません・・・

八方塞がりで、どう解決するか迷っていましたが、この頃はまだ責任の無いプライベーターだったので、それなら「キャリパー削ってもたらええねん!」という禁断の結果に(笑)

なるべく安全マージンを確保したいのですが、削りすぎると今度はキャリパーの安全マージンが無くなるというジレンマに・・・ベストな角度になるように、何度も治具を調整して切削完了。

さあ、試運転です。走行中に、もしスポークがたわみ、キャリパーに噛みこんだら・・・想像するだけでキン〇マが縮みあがります・・・
本気でビビリながら前後ブレーキを一気に握ると!!!!!

今まで経験したことのない、いきなり、後ろから髪の毛を引っ張られるような「ガツン!」とした衝撃が走ります。
もうヘルメットの中の顔はニヤケまくってるのが、他人にも解る位に喜びが込み上げてきました。
なにせマイナー車ゆえ、キャリパーサポートの設定など皆無であり、強化パットですらないKHシリーズでしたので感無量です。

一番肝心な「安全性&耐久試験」については。自分自身が人柱になり、3年間、街乗りから峠道までキッチリ走り込み、意外に?大丈夫だったという貴重なデーターも得る事ができました(笑)

十分な試験データーを元に、近日、KH250、400用のブレーキキットを発売予定です。
もちろん、ルックスや性能だけでなく、強度や耐久性にまで拘わりました。
今まで、「KHは急に止まれない」で本当に悩んでいたオーナー様、乞うご期待下さい。

当店オリジナル KH250 400用 クロームメッキスポーク組み付け

当店で使用しているスポークの振れ取り台は相当の年季物です。
私がこの店を開業するまで、この場所はこの辺りでは老舗の自転車屋さんでした。
その歴史ある作業台をオーナー様より譲り受けました。
当初、バイク用の振れ取り台を使っていたのですが、いかんせんコスト重視なのか、ボディーやガイドの剛性が足りず、振れを見るアームがすぐ動いて非情に使いにくい!
自転車用のこれは鋳物のアームで、かなり重いですが剛性はものすごく高いんです。
シャフト径がかなり違うので、バイク用に加工したところ、物凄く使いやすいSSTに変貌しました。

作業台に仮組みしたスポークホイールをセットして触れ取り作業にかかります。

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最初、グネグネ曲がっていたホイルもスポークにテンションを掛けていき、まず縦触れを取った後、ダイヤルゲージを見ながら横触れも取っていきます。

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時間をかけ、入念に振れを取っていきます。
最後はスポークを叩いて音を聞き、テンションを確認します。
https://garagetricycle.com/blog/wp-admin/post.php?post=295&action=edit

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う~ん・・・まだまだ納得が・・・(笑)

当店オリジナルKH250 400用 クロームメッキスポークを組む。その2

KH250 400用 当店オリジナルクロームメッキスポーク組み換え作業です。

ブラストを終え、磨いたハブにインナー側からスポークを組み込んでいきます。
人によって組み方はそれぞれですが、随分昔に高校生の頃、西明石の川重の下請け工場でアルバイトをしていた時、
パートのオバちゃんが、テキパキとスポークをハブに組んで、振れ取りまでやっていたのが印象的でした。
当店は私が開業するまで、この辺りでは老舗の自転車屋さんでした。
店舗のオーナーは昔からの旧車仲間でしたので、私にミッチリと振れ取りを叩きこんでくれました。
最近ではスポーク車両はオフ車位しかないので、振れ取りができる単車屋さんも激減しています・・・

スポークの先端でリムにキズを入れない様に注意しながらリムと合体していきます。
この段階になると、なんとなく「車輪」ぽくなってきます。

これはリアなので、アウターとインナーを交互に組んでいきます。
リアはスポークが短く、倒れ角もキツイので、入念に養生して組み込みます。
特に高価なエキセルHリムは光沢アルマイトが掛かっているので鉄リムの数倍気を使います。

組みあがったフロントホイール。
当時物より防水、防汚性能が格段に良くなる無給油シールベアリングを組み込み、振れ取りへ。

磨き上げたハブと新品リムと当店オリジナルのクロームメッキスポークが眩しいですね(笑)
足元が美しいと、全体がしまって見えグレードアップした気分になれます。

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